以前、「自閉症トンデモ本」という記事で試したように、また久しぶりにAmazonの「なか見!検索」で、「自閉症」という単語を本の中身から検索してみました。
そうしたら、また引っかかってきました・・・。
耳からの脳力革命
著:七田 眞、傳田 文夫
ヴォイス
Amazonに記載された内容をみると、「聴覚刺激で右脳を活性化される」という、いまはやりの脳トレブームに乗っかった本のようで、一見したところ、自閉症の本でも障害の本でもないように見えます。(実は関係あることが後で分かりました)
出版日は2006年5月23日、出てから1か月そこそこの最新刊と言えるでしょう。
なぜかこの本が、「自閉症」というキーワードでかなり上位でヒットするのです。
そこで、実際にどんな風に使われているのか調べてみました。
自閉症、ダウン症、脳性麻痺、精神薄弱などの障害は、左脳の障害と言えるものです。言葉がわからない、言葉を取り入れられない、しゃべれない。(26ページ)
傳田氏の販売する聴覚教材で自閉症が「治った」「良くなった」という事例紹介(68ページ、117ページ~125ページ)
※この聴覚教材では、ぎっくり腰とか生理痛とか歯列とか視力とか性格とかその他の発達障害まで良くなるそうです(笑)
また、自閉症の方は、実は「耳閉症」であるということ。耳が閉ざされているために起こっている症状であり、耳を開いていくと治ってしまうということを学んでいたのです。私にとっては新しい勉強だったわけです。(255ページ)
自閉症という子どもたちがいますが、この子たちは胎児から乳幼児期にかけて、心理的障害のため、耳を閉ざしてしまい、そのために聴力が低いレベルで固定してしまった状態だとトマティス博士は言い、電子耳で音を聴かせることによって、耳が開かれ蘇生するそうです。(282ページ)
・・・だんだん引用して情けなくなってきました。
この本は、どうやら七田氏、傳田氏それぞれが売っている聴覚教材の宣伝本のようです。そして、七田氏が相変わらずわけのわからない自閉症理論を撒き散らし(上記引用で、文章で載せているのはすべて七田氏の発言です)、傳田氏のほうは自分の聴覚教材で自閉症やら性格やら病気やらが何でも治る、という宣伝をしている。
宣伝本で商品の宣伝をするのはある意味当たり前だし、その「効能」を信じるかどうかは読者の責任だともいえるので、傳田氏が書いている自閉症の事例紹介はまだマシです。
(音を聞かせるだけで自閉症が治る、なんてことを信じる人が出てしまったら、それはそれで不幸なことではありますが。)
が、なんなんだこの七田氏の発言は。
彼も本の中で自身の聴覚教材の宣伝をしているのですが、そこでは自閉症の話はまったく出ていないようなのです。
ところが、本の中の発言だけみると、自閉症の「原因」について、いろいろ理屈を書いているのは全て七田氏です。
これまでの本での発言を見ても、よほどこの人は自閉症の原因について何かひとこと言わないと気がすまないようですね。言っていることは本を書くたびに違うし、常にまったく的外れだし、しかも実際に自閉症の療育に苦労している人からすると誤解と偏見を撒き散らす迷惑発言以外の何者でもない。
私は、この人の言っていることは、本業?の教育理論や最近精力的に書いている「脳力開発本」まで含めて、全部トンデモ理論だと思っていますが、下手に教育業界で成功して小さくない力を持っているだけに、こういった自閉症への誤解発言が社会に与える影響力は無視できないですよね。
七田氏の影響力に比べれば、このブログの影響力など一億分の一もないでしょうが、こうやって記事を書くことで、できるだけの抵抗?はしておきたいと思います。(笑)
この人が自閉症について言ってることは全部間違いだし、聴覚刺激だけで自閉症が治るなんてことは科学的な立場からはありえません。
早速殿堂入本、購入しました。(3冊)
自閉症のすべてがわかる本は今まで見た中で一番わかりやすいですね。早速パパに見せようと思いました。ありがとうございます。
応用行動分析の本はあとがきだけ読んでも???状態ですが、基本的概念はつかみたいので頑張って読むとします。
七田ね・・うちの子、通わせていますよ。
6月中に休止もしくはやめようと思ったら、休止だけでも月4000円とられるそうです。再入会するも再度、入会金を取るし・・稼ぎまくりですよね。
たしかに、ここは抱っこ療法を養護していますし、子供の問題行動はすべて親の発言、気持ちが伝わったみたいに解釈していますね。
事実はどうあれ、子供に目を向ける意味ではよかったと思いますが、ある意味どっぷりは浸かりたくないです。教材もなにかと進められるし・・・。
子供の障害が弱みになっていて、ここで辞めたら伸びるものも伸びないなどと真顔で言われるとそうではありませんとも言い切れない自分がいますね。^^;
真実はいずこに?自閉症専門に特化した教育が今後出来上がることを望むばかりです。
本のご購入、ありがとうございます。
「自閉症のすべてがわかる本」は、誰にでも安心してすすめられますね。とてもいい本だと思います。
七田ですが、子どもっていうのはそもそも何もしなくても伸びていく力を持っているんですよね。
だから、どんなトンデモな考えに基づいていたとしても、「学ぶ環境」があれば、それを吸収して伸びていく子どもが必ず出てきます。
さらに、成果が出なかった場合は子ども(親)のほうからやめていくので、教室に残っている子どもは「成果が上がった子」ばかりになる傾向があります。
こういう条件(伸びた子だけ残ってくれればいい)なら、はっきり言って何でもありなんですよね。
そういう意味では、どんな子も見捨てずに伸ばさなければならない公立学校の先生のほうが、実ははるかに大変な仕事をしているわけです。
こういう「見た目の成果」と「本当の効果」の違いを考えることは、トンデモとそうでないホンモノを見分けるためにはとても大切な考え方だと思います。(最近はこういう考え方をクリティカル・シンキングなどともいいます)
・・・少し脱線してしまいましたが、
自閉症児専門の「教育」といえば、TEACCHとかABAや太田ステージ、ソーシャルストーリーあたりになりますね。
逆に教室で授業を教わるような世界に関していえば、自閉症だからというよりは知能水準にあわせた課題が提供できれば、「自閉症専門」でなくても大丈夫なのかな?とも思います。
療育の母友達から「七田式ってどう思う?」と以前聞かれたことがあるのですが 次に聞かれたら「自閉症に対する解釈が間違っている人」と教えてあげたいと思います。。。
七田氏については、調べれば調べるほど、出るわ出るわでトンデモの塊のような人ですね。
教育理論のトンデモについては、例えばこの記事。
http://pws.prserv.net/spanglemaker/book/si.htm
七田氏は「ニューポート大学教授」と自称していますが、そのニューポート大学の情報。
http://khon.at.infoseek.co.jp/daigaku/newport.html
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/misc/comment_misc_08.html
この「大学」はいわゆるディプロマ・ミルと呼ばれる、学位を書類とお金で買える「学校」のようです。
「教育学博士」のほうも、どの大学で取った博士号なのかオフィシャルには絶対に載っていませんが、一説によるとこの大学の「博士号」だそうです。(詳細不明ですが)
ただ、どうもこの話題は書きすぎるとヤバいという話もありますので、このくらいにしておきます。(^^;)
式の教室を運営している園長先生も以前知っていましたが「教育は金だ!!」と豪語
していました。今だに忘れられないで出来事です。
与えられた情報をきちんと考え分析する必要があると思います。
この七田という人には、正直言ってあまり関わりにならないほうがいいのではないかと思います。
少なくとも、当ブログの関心事である「自閉症」に関していえば、トンチンカンの塊のような人であることは間違いありませんので・・・。
一年前の記事にコメントしていいものか迷いますが、
以前に七田関係で怖い目にあったので、今更ながらですが書き込ませてください。
七田という人は、某新興宗教関係の人です。
集団結婚式や洗脳・行方不明事件などで十年ほど前にマスコミが大騒ぎしたあの宗教団体です。
今もトンデモ理論で人心を惑わせているのかと思うと、本当にかかわらないでいるのが一番です。
突然の書き込み、失礼しました。
コメントありがとうございます。
ご指摘の件に関しては、確証もないためあえてコメントしませんが、彼の主張する自閉症論がおかしなものであることは間違いないと思います。
だとすれば、自閉症児の療育を頑張る私たちには、基本的には関係のない方ということになろうかと思っています。
ttp://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php/index.php?UID=1165332928
この人がどんなに良い教材を出しても、この人の発言力を大きくしてしまうようで手を出すことにためらいがあります。
「一将功成りて万骨枯る」という言葉がありますが、功でもない自説を声高に主張して金を稼ぎ、多くの自閉症児の親が偏見に晒される構図は、極めて不健全ですね。
はじめさんの引用されたブログは、大阪大学の教授である菊池誠氏のブログですが、このブログについては当ブログでも一度紹介しています。
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/32661885.html
菊池氏はうさんくさい科学についていろいろ情報発信をしている方ですが、例えばこの記事なんかは、彼の主張がまとまっていて読みやすいです。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/nisekagaku_nyumon.html
ちょっと話題が変わりますが、自閉症と関連している話題としては、ここには、ドーマン法(とその技法であるFC)の話題も出てきます。
日本でドーマン法を施された子どもとして一番有名なのは恐らく奇跡の詩人「日木流奈」さんですが、いま自閉症方面で有名なのは「東田直樹」さんでしょう。はじめさんが引用された記事の中でも、コメント#160と#170に登場しています。
(私も彼の書いたという本を読みましたが、自閉症の子どもが書いたとは思えないほどの比喩や詩的な表現が満載の大人びた文章と、自閉症の症状について、「普通の人にとっては・・・」という表現が非常に多くそういう場所では饒舌な一方で、自分自身の内面について書くときには急に表現があいまいになる不思議な文章だという印象を持ちました。)
バッシングというよりは、主張している内容に問題があることを単に批判しているものです。
商業出版や商業講演で主張されていることですから、問題があれば批判されるのは当然だと考えています。(私も本を書いていますが、その内容を批判されれば、まずは甘んじて受け、そのうえで適切な議論の場があればそういった機会を利用していくことになるでしょう。)
被害は、受けているといえば受けているのかもしれません。私は自閉症児の親ですが、七田氏が語っているような科学的に妥当性の低い意見を、周囲の人が信じているのを聞くことがときどきあります。影響力のある人が自閉症について妥当性の低い主張を繰り返し、それによって「適切ではないと判断せざるを得ない対応」がまかり通ることは、自閉症児の親全員にとって、ある種の「被害」と言えるかもしれませんね。
もちろん、だからといって「刑事」訴訟をするはずはありません(刑事訴訟を起こせるのは国だけですね)。また、独身とかゼミというのはおっしゃっている意味がよく分かりませんので、よろしければお教えください。
アメリカで3歳の自閉症スペクトラムの子を育てています。
現在ABA、言語訓練法(ST)、作業療法(OT)感覚統合訓練法(SIT)、を受けています。
わたしも以前リサーチしていて興味があったのですが、たまたまそのOTセラピストがトマティストレーニングを取り入れています。
七田眞さんはは自閉症の専門医でも何でもないのにその方面の本を出版されているのは賛成しませんが、トマティストレーニングは自閉症のセラピーとして使われているということをお知らせします。
(トマティストレーニングだけで自閉症が良くなるのではなく、OTのセラピーの中にトマティストレーニングも入っているということです。)
それからアメリカでは自閉症の治療法として、ABA,TEACCHの他にドーマン法、コミュニケーションセラピー、乗馬セラピー、音楽療法、食事療法、サプリメント、キーレーション、RNA療法などなどあります。
専門家の検査、診断を受けないとはじめられないのもありますが、(専門家によっても支持が違います)親が子供に合っていると思って勝手にやっているものもあります。
わたしが思うことは、どれか一つだけ効果があるというのではなく、いろんなセラピーや(外からの刺激)体の中に入るもの(食べ物サプリメントなど)親の思い(接し方、取り方)などがうまく噛み合って子供に効いていくのではないかと思います。
ちなみにうちの子は七田のクラスに通っています。
日本語のインプットが主な目的ですが、フラッシュカードやゲームで脳のどこか(右脳かどうかわかりませんが、とにかく一般の教育や趣味では刺激されないところ)が
活性化されないかな、と考えています。
わたしも七田眞さんの本を読んでてあれっ、と思うことがあるのですが、七田眞さんだけでなく、とにかく自閉症のことを知らない知識人?(医者も!)が多いですね。
自閉的なとか、自閉気味なとか、時には引きこもりと同じと考えられている、と思うこともあります。
ひとつひとつ指摘していくしかないと思っています。
マミーさんが、何を肯定されて何を否定されているかがちょっと分かりにくいのですが、繰り返し書かせていただくなら、この記事の趣旨は、七田氏が自閉症について語っていることは科学的にみて正しくない、ということです。
トマティスというのは、ネットで調べても英語の学習法だということ以上は分からず、自閉症の療育とはどういう関係があるのかはちょっと私には分かりませんでした。
療育技法については、私もいろいろと調べてみた時期もありましたが、今は、無闇にいろいろ手を出すことはかえって子どものために良くない可能性があると考えていて、
・厳選した有力だとされる技法(ABA、TEACCH、絵カードなど)
に加えて、
・実際に子どもとかかわり、試行錯誤の結果として発見した働きかけ
を行なうといった、メリハリのついた療育がいいのではないかと考えています。
世にさまざまな自閉症の「療育法」「治療法」があることは、ある意味、自然なことであって、いろいろあるからといってその「いろいろ」がそれぞれ効果があるということにはならないと考えています。
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/9325910.html
それはもちろん、アメリカで行なわれているから合理性がある、効果があるということでないということでもあります。
ザ・ドキュメンタリー
僕の心の言葉をきいて…~自閉症の少年詩人自立への道~
http://tv.yahoo.co.jp/program/18087/?date=20080830&stime=1330&ch=8230
あの東田直樹くんが 16 歳になり、高校受験などに挑戦するドキュメンタリーでした。
そらまめパパさんの感想が知りたいなーと思って書き込んでみました。
この番組、ちょっと変わったシチュエーションで見る機会がありました。
感想ですが、今まで彼に関連して私が書いてきたことを、改めて確認できたと感じました。
ついでに言えば、テレビの編集テクニックってすごいなあ、とも思いました。
七田式には、賛否両論ありますが…
そらパパさんが目くじら立てるような著書は、もう、でません。
七田眞先生は、亡くなりました。
生前に、七田眞先生と、そらパパさんが出会っていたら、
七田眞先生は、そらパパさんを大絶賛してくださったことでしょう。
否定からは、否定しか生まれません。
否定する事より、
今、大切な事があるのではないでしょうか?
誤解されている、自閉症をより、多くの方に理解を求め、誤解を解いていく。
そちらに、労力を費やしてはいかがですか?
コメントありがとうございます。
亡くなられた七田氏には、お悔やみ申し上げます。
ただ、残念ながら、自閉症について、断定的に、明らかにおかしいと言わざるを得ない言説を重ねて、障害への「誤解」をむしろ増やす方向に活動していたのが七田氏だった、というのが私の理解です。
おっしゃっているのは、先に断定的に「誤解」を撒き散らしているのに、その後で批判されると、こんどは相対主義になって「いろんな意見があるんだから批判なんてするより他のことをやれ」ということでしょうか?
また、私の「労力」の使いかたにアドバイスいただき恐縮ですが、労力の配分については私も自分なりに工夫してやらせていただいているので、アドバイスをいただくには及びません。
最後に、七田氏が亡くなったことで、これから「七田式」の動向については注目していきたいと思います。
とはいえ、ちょうど昨日ご紹介させていただいたとおり、彼の遺志を継ぐ「弟子」の方がたくさんいらっしゃるようですので、やはり私はこれからも「意見」を書いていかなければいけないんだろうな、とは感じています。
今日、ママ友の会みたいな集まりがあり、
愕然とし、
そらパパさんのコトを思い出しました。
ホントに、理解ナイんですね、世間、って。
いや、ワタシも詳しくはないです、自閉症について…。
でも、色んな本を読んだりして、理解はしているつもりです。
でも、フツーのママ達は
フツーに、
「親の育て方が悪いから…自閉症になるのよ!」と、言っているのを聞いて、
はぁ?と、思ってしまいました。
まだまだ、認知度が足りませんね。理解度が足りませんね。
まだまだ、理解を求めていかなければなりませんね。
ママ友たちには、
中途半端な知識かも知れませんが、知り得た小さな知識で、そうではないことは、伝えました。
その中に、教職に就いているママもいるのには驚きました。なぜ、知識も理解もない?と。
もっと、もっと、
理解を求めていかなければ、誤解されっぱなしです。
七田式に関しては、コメントを変えようとは、思いませんが、
世間のあまりの理解のなさに愕然としました。
何もできないワタシも、小さな知識でも、誤解は解いていきたいな、と思います。もっと、正しい認識を持って頂くには、何が必要なんでしょうか?
ええっと・・・どうコメントしていいのか分からないのですが、
「親の育て方が悪いから、自閉症になる」
という主張をしている、いまの日本における最大勢力は、間違いなく「七田式」だと思うのですが・・・