その「根拠」を簡単にいうとすると、ヒトほど複雑ではないけれど、モノほど単純でもない、という絶妙な位置にいる動物とのかかわりが、モノの世界から出られないでいる自閉症児をヒトの世界に向かわせる「橋渡し」になるのではないか、という考え方です。
動物を使った療育、いわゆるアニマルセラピーというのは、一部に「動物の超能力」とか言っている人がいるためにオカルトっぽく受け止められがちですが、実際には人をリラックスさせ、コミュニケーション意欲を活性化するといった効果が確認されている真面目な療育法です。
↑アニマルセラピー参考図書。いろいろ読みましたがこれが一番おすすめ。
さて、そんなことで、自閉症児のためのアニマルセラピーについて模索・実感し、さらなるヒントを得るために、犬とのふれあい体験ができるスポットに、休日を利用して娘を連れて行ってみました。
こんな風に、明るい室内の大きなサークルに小さな室内犬がいて、そのサークルの中に入って自由に犬をかわいがることができるようになっています。
我が家ではペットを飼ったことはありませんし(私の実家では昔から番犬を飼っていますが)、娘は動物園などでも動物をさわろうとしたことはありません。
ですから、娘を最初にこの中に入れたとき、どんな反応をするのか興味がありましたが、結果は・・・
放っておくとまったく興味を示しませんでした。
それどころか、手を離すと興奮して走り回って、犬のしっぽをふんでしまいそうになりました。また、手を取って犬の近くに行かせても、決して目を合わせようとしません。
でも、私は娘のこの反応を見て、むしろやる気がわいてきました。
なぜなら、自閉症児特有のコミュニケーション障害が、非常に分かりやすい姿でまさに目の前に現れている、と感じたからです。
娘は普段、親や療育者との間でコミュニケーションがとれているように見えても、実は基礎的な要求を除けばこちらからの働きかけに受動的に反応しているだけで、「自発的なコミュニケーション」は希薄です。
ですから、自発的な働きかけが求められる「子どもとの交流」はまったく苦手で、そういう状況ではたいてい一人遊びにふけってしまいます。
これは、来年から幼稚園で健常児の中に放り込まれてしまう可能性の高い娘にとっては、克服すべき重要な問題です。
犬も子どもと同じで、初対面でこちらが自発的に働きかけない状態では、交流は生まれてこないでしょう。娘の最初の反応も、まさに子どもが相手の場合と同じだ、と感じたのです。
ここで、「動物(犬)とかかわる」ことの意義が出てきます。
(娘のように)発達段階の高くない自閉症児に「子どもとのかかわり方」を教えるのはとても大変です。でも、「犬とのかかわり方」なら簡単に教えられます。とりあえずは「優しくなでてあげればいい」のです。それだけで、犬は喜ぶでしょう。
このような「シンプルなやりとり」を通じて、自分から犬をかわいがれるようになれたとすれば、それは、コミュニケーションが受動的なものから自発的なものに変わったというとても大きな意味を持つと思うのです。
それがやがては、子どもに対しても自分から働きかける、という行動につながっていくのではないか、と期待できるわけです。
そんなわけで、犬とのコミュニケーション「優しくなでる」の練習です。
本当は正面からなでるのが「エチケット」なのですが、娘はまだ怖がるので、こちらの存在を犬に教えてから、後ろからなでることにしました。
娘は、意外にも手をそえてやらせたらそれほど嫌がらずになでていました。(添えていた手を離したら毛をつかんでしまいましたが(笑))
自分が何をしているのか、娘が分かっていたかどうかは分かりません。
でも、かなりの時間、動物臭い部屋にいて、実際に犬をなでるという経験をパニックを起こさずにできたので、初体験としてはまずまずの結果だったと思います。
この経験を家に持ち帰れないかな?と思って、そこで売っていたリアルな犬のぬいぐるみを買ってきました。(大人の手のひらに乗るくらいの小さなものです)
娘も、このぬいぐるみを気に入ったようです(普段はぬいぐるみに興味を示さないので、珍しい反応です)。
今度また行く機会が持てたら、事前にこの犬を使って「なでる練習」をしてから行けば、もっと状況がよくなるかもしれませんね。(^^)
馬の体温と振動が療法を受ける人には胎内を思い出させ、自発的にコミュニケーションをとらないと馬は動かない、(乗っかってるだけでは発進しませんから。)乗馬の後にブラシをかけてやるなど、”してもらう”ことが生活上多い患者たちに”してあげる”ことを学ばせるいい機会である等のことが挙げられていました。昔イルカヒーリングてありましたよねぇ。
ウチのチビも猫は大好きですが、犬は大嫌いです。犬って子どもが好きですよね、で、いきなり寄ってこられるのが怖いみたいです。
猫は東京の実家で見慣れたのか、手触りがいいからか、それとも結構じっとしてるから、大丈夫なのか、詳細は不明です。
昨日も幼稚園の遠足で牧場に行ってきましたが、恐る恐るながらもチョコチョコ動物に触っていましたと報告を受けました。手触りがいい動物は好きみたいです。(私のウサギの襟巻きは大好きです。お気に入りのぬいぐるみも大概は手触りでいいものです。)
DVDでディズニーのジャングルブックを見るようになってやっと象と、キリンには興味を示すようになりましたが大きい動物にはなかなか興味を示しませんでした。
そらまめちゃんも手触りのいい動物(ウサギとか、)から始められたらいかがでしょうか?
日本人の感覚からは少し驚きですが、本などを読むと、アニマルセラピーとしてもっとも確立されているのは乗馬療法らしいですね。
「イルカセラピー」も、実のところ、ほとんど「乗馬療法」の「馬」を、(ある種のロマンティシズムも含めて)「イルカ」に置き換えたものに近いようです。
上の記事の犬のぬいぐるみですが、連れて行ってからもう5日ほどたつのに、いまだにこちらが「なでなで」と言ってやるとなでて遊びます。(少しは覚えてるようですね)
また動物園などに行く機会があったら、小動物とかとのふれあいにもチャレンジさせてみたいと思います(乱暴に扱って弱らせないかが心配ですが(笑))。
そこで、もしよろしければ是非、参加していただきたい講演会ワークショップがありますのでコメントさせていただきました。
乗馬や乗馬療法、またそれにまつわる色々な作業の効果について、講演会とワークショップを行います。
私は日本感覚統合学会に会員で、作業療法士の石井と申します。
動物とのふれあいや馬とのふれあい、乗馬やそれにまつわる色々な作業が
子ども達の発達に良い。では何故それらが効果があるのかを感覚統合の視点から
お話していただくことになりました。
講師はアメリカで御自宅にて色々な動物とともに子ども達に関わっている作業療法士 Lois Hickman先生です。
乗馬療法にも関わっている先生です。
詳しくは http://www.geocities.jp/takahirohideko/index.html をご覧下さい。
この先生のお話を聞いていると、そばに居ると大人達も心癒されます。
乗馬療法には興味がありますし、おっしゃるとおり特に比較的軽度の発達障害児にとっての補助的な療育プログラムとして効果があるのではないかと考えています。
残念ながら我が家の場合はかなり重度の子どもで、かつ年齢も低いので、犬をなでるのが精一杯ですので、泊りがけのワークショップへの参加はちょっと難しいかなと思いますが、いただいた内容はコメントとして掲載させていただきますので、このコメントを見た方でご興味をもたれた方は、各自で連絡を取っていただければと思います。
興味を持っていただいただけでも嬉しいです。何かの機会がありましたら是非、色々とお話が出来ればと思います。
乗馬療法というと「馬に乗る」がメインのように聞こえますが、それだけではなく人が生きていくうえでとても大切な人とのかかわり等の基本にも通じるものがあります。
今後ともよろしくお願いします。