私や私の家族も、震度5強~5弱の地震に被災しました。
私はその時間、仕事で会社の大きな会議の事務局をやっていたのですが、突然の激しい揺れ、ビルの天井の換気用のフレームなどが一部脱落するなどの被害が出たため、会議は急きょ中断、その後ビルを避難し、そのまま退社命令が出ました。
とはいえ、電車はすべて止まっており、復旧のメドがたちません。こういうときには電車だけでなく、タクシー・バスもまったくアテにならないと思われるため、自宅まで歩くことにしました。
自宅に帰るためには、東京都心を横断する約20kmの帰宅ルートを歩かなければなりません。
幸い、いっとき流行った「災害時帰宅マップ」を5年ほど前に作成し、それをかばんの片隅に常備していたため、それを見ながら歩くことにしました。(モバイル関係もまったくつながらなかったため、紙のマップを持っていて本当に助かりました。)
↑2005年に作成したルートマップ、ぼろぼろになってかばんに入ってました。
歩道には人があふれ、思うように歩けません。
また、家族にも連絡がつかず(電話もまったくつながらない)、不安な気持ちでひたすら人ごみのなかを歩いていたところ、1時間以上たってようやく妻と連絡が取れました。
そのときは短いやりとりだけでしたが、後で聞いたところによると、妻は学校で保護者面談、娘はヘルパーさんに連れられて学童保育に向かっていた状態で地震に会い、妻は妻で、娘ともヘルパーさんとも(そして私とも)連絡がとれないという状態に陥っていたようです。
ともあれ、私は途中他の人がひきずるキャリーカートに足をひかれたり(しばらく歩けないほどダメージを受けました(--;))、足がつりそうになったりしながらも、何とか3時間半ほどで自宅にたどり着くことができました。
今回、会社から自宅までの帰宅ルートがどのようなものであるのかを経験できたことは、今後の備えという意味でも有効でした。
ただ、歩道に人があふれるのは想像以上で、より大きな災害の際は(例えば、一部道路が倒壊するなど)ほぼ歩けなくなるだろうということも確信したので、今後は無理をせず、むしろ会社で「帰宅難民」になるほうが安全だな、ということも感じました。
おかげさまで、家族全員無事で、自宅の被害もほぼありませんでした。
でも、今回の地震がこれだけで終わるかどうかはまだ分かりませんし、ニュースの映像などを見るにつけ、今回の地震の被害の大きさに胸がつぶれる思いです。
被災地の一刻も早い復興をお祈り申し上げます。
ところで、ツイッターなどでいろいろな情報が錯綜している状況を見るにつけ、憶測や根拠のないうわさ話がいかに広がりやすいかということを痛感します。
当ブログでは、「療育リテラシー」というテーマをいつも考えていますが、「災害リテラシー」という考え方があるとすれば、その第一歩は「デマを流さない、デマを広げることに加担しない」、これに尽きると思います。
ちょっと「おかしいな」と感じる情報は鵜呑みにせず、きっちりした情報ソースがあるかどうかを確認する。それがない場合は安易に他の人にその情報を広めない。
災害復興支援において、「情報」の重要性は、いくら強調しても強調しきれません。
私自身、今回身をもって「正しい、必要な情報が手に入ることの大切さ」を痛感しました。
だから、「デマ情報を流さない」ということは、とても簡単にできて、実はとても効果の高い「今すぐひとりでできる災害復興支援」なのだ、と思います。
コメントありがとうございます。
おかげさまで我が家は全員無事でした。
デマを流さないこと(ここ数日は原発がらみのデマが多いですね)、あるいは不要不急の買占めなどに走らないこと、そういう小さなことが、私たちが誰でもどこにいてもできる、大きな支援につながっていくと思います。
デマもそうですが、昨日辺りから目立つようになった買占めの問題も、心が痛みます。
本当に必要な人のところに必要なものが届かないというのは、情報であれ物資であれ避けるべきことですし、ましてやそれが「自分の行ないによって起こってしまう」ことは、何としてでも避けたいところですよね。