先日のエントリとほとんど同じタイトルですが、レンズが違います(笑)。
今回全域マクロに改造するのは、こちらの望遠ズームレンズです。
SIGMA 70-300mm F4-5.6 DL MACRO(ミノルタ用)
このシリーズには似たようなレンズがたくさんあるのですが、全部マクロスイッチ周辺が違うようなのでご注意ください。
今回のDL MACROは、「300mmでだけマクロスイッチをONにすることができるレンズで、そのマクロスイッチがネジで取り外しができる」というレンズです。
ネットで、このレンズだけ改造報告があったので、今回もオークションで安く落札して挑戦してみました。28-80mmよりは落札価格は高めですが、それでも何とか一眼レフカメラつきのものを2100円で落札できました。
※レンズの改造は自己責任でお願いします。
今書いたとおり、このレンズの場合、マクロスイッチはネジ止めされていて、破壊することなく簡単に取り外しが可能です。
取り外すと、スイッチ部分が外れ、残った鏡筒側には、金属のベロのようなものが現れました。
こちらが取り外したマクロスイッチ(裏側)。
こちらが鏡筒側。
今回は、前回の「28-80mm」と違って、このスイッチを単純に外してしまうだけだと、ピントリングが回りすぎて外れてしまうらしいです。で、少しピントリングを回してチェックしてみると、
ここですね。
この写真の、マクロスイッチを外した部分の上部に見える溝、これでピントリングの脱落を防いでいるようです。
そして、逆に下に出ている金属のベロは、マクロモードにした場合にはズームリングを300mmの位置から動かさないようにするためのものだと分かりました。
だとすれば、全域マクロとするための改造の正解は「スイッチの上側の機能は残して、下側の機能は殺す」というものであることが分かります。
さっそく、スイッチ裏側の爪のうち、下側のものを落としてしまいました。
後は、スイッチを元通りネジで止めなおして、ズームリングとピントリング、両方が可動範囲内で自由に動くことを確認したら、完成です!
さっそく全域マクロの効果を試してみましょう。
撮影するのは、わざわざマクロ撮影のサンプルのためにダ○ソーで買ってきた造花です(笑)。全体で、直径15~20cm程度の大きさです。
まず、焦点距離70mm(35mm換算105mm)で改造前の状態で最大限に寄って撮影。
まったく寄れていません。ワーキングディスタンスは約1.5mです。
それでは続いて、全域マクロ改造後に70mmで最も寄れる位置から撮影。
ここまで違います。効果絶大! ワーキングディスタンスも0.95mになっています。
さらに全域マクロモードのまま少しずつ焦点距離を伸ばしていきます。
焦点距離135mm。(35mm換算200mm)
焦点距離200mm。(35mm換算300mm)
焦点距離300mm。(35mm換算450mm)
ここまでシームレスに寄れます。
いま通常市販されている廉価マクロ機能つき望遠ズームレンズのマクロ域は大体180mm~300mmのあたりですが、これだと超望遠マクロになるので、けっこう使いにくいんですよね。
今回の改造望遠ズームマクロレンズの場合、70mmから300mmまですべて0.95mまで寄れますから、それよりもはるかに使いやすくなっているはずです。
ただ、ちょっとだけ気になるのは、室内撮りなので断言はできませんが、このレンズ、ちょっと解像度が低いかも・・・。
これは、また近日中に植物公園にでも出かけてチェックしてみたいと思います。
※追記:
行ってきました!今回は「梅まつり」開催中の京王百草園です。
またまたこのレンズだけで集中的に撮影してきました。
使ってみた印象としては、普通にテレマクロレンズとして使えるな、ということでした。
引いて風景を撮ると解像度が低い印象ですが、ズーム全域で0.95mまで寄れて、ちょっと離れた葉などをしっかり大きく撮れるのはテレマクロの最大の魅力です。
あと、これは28-80mmでも感じたんですが、緑がちょっと変わった色に写ります。
ただ、梅公園で使うには70-300mmは望遠すぎですね。
梅の木の全体像とか全然撮れないですし、近くの花だと1m下がるのは結構大変です。
2時間の撮影時間のうち、最後の30分だけ、改造レンズ1号(28-80mmのほう)に交換して撮っていたのですが、こちらのほうが撮るのがラクでした。
とはいえ、テレマクロでないと撮れない写真は間違いなくあるので、カメラバッグにはぜひ入れておきたいと思います。
スイッチ改造後も、普通に70-300のズームレンズとして機能しつつ、70-300のマクロ撮影が可能になったということですよね?
そのマクロとの切り替えは、スイッチで切り替え可能ということですよね?
コメントありがとうございます。
ここでいう「マクロ」というのは、
・フォーカスの動作範囲が広がって、
・より近い距離でもピントが合う、
という状態を指しています。
ですから、改造後ももちろん70-300mmのズームレンズとして使えます。
一方、マクロスイッチは機能しなくなるので、マクロでないモード(近い距離ではピントが合わなくなる)にはならなくなります。
とはいえ、その状態というのは近い距離から無限遠までピントが合いますから、実用上は問題ありません。