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2006年05月29日 [ Mon ]

「鏡の療育」を改めて考える(4)

さて、「鏡の療育」です。

ここで、「鏡の療育」がどのようなものか、改めて整理しておきましょう。

実施方法はとても簡単で、子どもの立ったときの全身が入るような大きな鏡(ガラスの鏡は割れる危険がありますので、安全で安価なアクリルミラーをおすすめします)を、子どもがよくいる広い生活空間に設置するというものです。
そして、子どもが鏡に興味を示すように適切な働きかけを行ないます。恐らく、それほど働きかけを行なわなくても、設置場所さえよければ自分から興味を示すようになる可能性が高いと思います。
後は、放っておいても鏡自体が療育効果を発揮し、子どもを「世界と自分との相互作用」への気づきへと、自然に導いてくれることが期待できます。

・・・さて、少し結論まで書き急いでしまったような気もしますので、解説したいと思います。

鏡の特徴は、何といっても「自分が映っている」ということに尽きるでしょう。
ただ、「鏡の療育」が効果を発揮する構図は、自分が映っているから自分に気づく、という単純なものではありません

「鏡の療育」の、導入時における最大のメリットは、微細運動がなくても、さらには意図した運動さえなくても、「操作」ができて反応がある、ということにあるのです。

例えば生まれて間もない赤ちゃんを考えてみましょう。
最近は、赤ちゃんのおもちゃとして鏡を使ったものも増えてきました。

赤ちゃんの視界に鏡を置くと、最初は意味がわからないので、鏡に対して意味のある行動は起こらず、いわば「ランダムな動き」が起こるでしょう。
ところが、鏡は、ただランダムな動きを取るだけでも、それとまったく同じ動きを即座に映し出します。つまり、「反応」があるのです。

鏡に自分が映っているのを「反応」と呼ぶのは違和感があるかもしれませんが、この段階では鏡のしくみも、また鏡に映っているのが「自分」だということも分かっていないことを忘れないでください。
あくまでも、目に映る視覚刺激が、こちらの動きに対して反応して変化する、という現象として考えるのです。こちらの動きそのものが「操作」となって、即座に反応が返ってくるのです。

こう考えると、鏡というのが、まだ発達段階の低い子ども(赤ちゃん)にとっても、容易に「操作」できる非常に扱いやすい「おもちゃ」として機能する、ということが分かってくると思います。

このことは、感覚遊びや常同行動的遊びにふけってしまう自閉症児にとって、特に大きな意味があります。
私の娘の場合も、何を与えても、なめるか、放り投げるか、興味を示さないか、目のそばに異様に近づけて見つめるか、といったことしかできない時期がありました。
こういった子どもにどんなおもちゃを与えても、それを適切に「操作」し、期待通りの反応を導くことはほとんど不可能です。なぜなら、こういったおもちゃは、暗黙のうちに次のような発達スキルを前提としているからです。

・おもちゃに対して適切な意図を持って接すること
・おもちゃに対して適切な微細運動のスキルを発揮すること
・おもちゃの部品をばらばらに遊ぶのではなく「全体」で遊ぶこと


幼い自閉症児にとって、これら3つがすべてできるということはほとんど期待できません。ですから、おもちゃをいくら与えても、それを「操作」して「反応」を楽しむ、といった段階に入ることができず、感覚的な遊びばかり繰り返してしまうのです。

これに対して、鏡の場合は全く違います。

・適切な意図をもって接しなくても反応がある。
・微細運動を行なわなくても反応がある。
・鏡はそれ自体1枚の板でしかないので、「部分」がそもそもない。
・同じ行動に対しては常に同じ反応があり、分かりやすい。


つまり、鏡の療育の導入とは、「鏡の前で動くと動きが返ってきて面白い」という遊びに気づき、それを楽しんでもらうところから始まるのです。
いわば、初めての「操作遊びの体験」なのです。

posted by そらパパ at 22:41 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | そらまめ式
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