最初のリリースからはずいぶん日数がたっていますが、現在でも、電子タイマーの製作キットの頒布は継続しています。興味をお持ちくださった方は、そちらもあわせてご覧ください。
↑このシリーズ記事でとりあげている自作の電子タイマーです。(動画は古いもので、現在のキットはこれよりはるかに機能豊富になっています。)

↑この電子タイマーの回路図等の情報と、「製作キット」の頒布についての情報はこちらです。
前回のオプション編の記事でも書きましたが、この電子タイマーでは、さまざまなお子さんのニーズにできるだけ応えられるよう、数多くの「カスタマイズオプション」を用意しました。
そのための「オプション設定画面」(タクトスイッチを押しながら電源を入れると設定モードになります)は全部で4つあるのですが、前回ご紹介できなかった、「砂時計モード」以降の特殊モードと、「設定画面2」から「設定画面4」までについて、今回は書いていきたいと思います。
前回の記事で、タイマーの表示のさせ方のオプションとして、以下のものをご紹介しました。
(1)タイマー設定時間が3分以下の場合の表示モード(3秒あたりランプ1個、または1分あたりランプ1個)
(2)タイマー設定時間が4分~40分の場合の表示モード(左側5列だけを使う、または8列すべてを使う)
(3)タイマー設定時間が45分以上の場合の表示モード(左側5列だけを使う、または8列すべてを使う)
ここまでが「標準モード」で、ここから下は「特殊表示モード」になります。
(4)フルLEDモード:設定時間にかかわらず、「64個すべてのランプが点灯」からスタートし、設定時間ちょうどで全消灯となるモード。
(5)フルLED・リバースモード:設定時間にかかわらず、全消灯からスタートし、設定時間ちょうどで「64個すべてのランプが点灯」となるモード。
このタイマーには、これら以外にも以下のような「表示モード」があり、設定画面で自由に切り替えて使うことができます。
(6)砂時計モード
タイマー上に、「経過時間」と「残り時間」の両方を表現できないだろうか、ということを考えて設定したモードです。
基本は「8列すべてを使うタイマー」なのですが、LEDがその場で点滅するのではなく、「下に落ちて」行きます。そして、時間が経過すると下に「落ちた」LEDはそのまま落ちた場所に表示されたまま、次のLEDが「落ちて」いくような表示になります。
1LEDあたりの時間が、設定時間によって1分~3分の範囲で変動する「変動表示モード」と、常に1LEDあたり3分となる「固定表示モード」があります。

↑砂時計モード(上に集まっているランプが、少しずつ下に落ちていきます)
(7)デジタルモード
このタイマーは数字が読めない人にでも使えるようにと考えて制作したものですが、一応、デジタルで数字が表示されるモードも作ってみました。
普通に「残り時間」が表示される「ノーマルモード」と、「経過時間」が表示される「リバースモード」の2種類が用意されています。

↑デジタルモード(一般的なデジタル表示のタイマーになります)
(8)アナログタイマーモード
LEDを使ったタイマーでは、LEDを円形に配置して、時計のように点灯をコントロールするものもありますが、それをシミュレートしたモードです。
マトリックスLEDのうち、円形に見えるような点灯部分だけをつかって、アナログ時計のように残り時間を表示します。

↑アナログタイマーモード(LEDの外周部分だけを使ってアナログ時計的に表示します)
(9)トーテムポールモード
これは半分お遊びのようなモードですが、4本の柱が一定のルール(8進数)に従って伸び縮みして残り時間を表示します。
療育に役立てるというよりは、伸びたりちぢんだりするLEDの表示を視覚効果的に楽しむためのモードです。
設定画面1は、このような「タイマーの表示のさせかたを選ぶ」ためのものになります。
続いて設定画面2は、主に音に関するメニューです。(既に何度か書いていますが、設定画面を切り替えるためには、5秒間、ボタンを押さずに放置してください。「OK」の文字が表示されて、次の設定画面に移行します。)

↑設定画面で何もせずに5秒放置すると、OK表示が出て次の設定画面に移行します。
設定画面2も、設定画面1と同じく、4種類の設定がまとめて画面に表示されています。

↑設定画面2。
(1)クリック音の設定
ボタン操作時とタイマー作動時の1分経過ごとに鳴る「カチッ」と鳴る音(クリック音)の有無を設定できます。(左上のCマーク)
(2)アラーム音の設定
起動時と設定時間到来時に鳴る「ピッ」もしくは「ピピピピッ」という音(アラーム音)の有無を設定できます。(左下のAマーク)
(3)残り分数のデジタル表示の設定
残り時間が1分少なくなるごとに、一瞬(0.5秒程度)、現在の残り時間(分)をデジタル数字で表示するかどうかを設定できます。(右上の「D」マーク)
(4)LED点滅の設定
タイマー動作時、LEDを点滅させるか点灯させたままにするかの設定できます。(右下の「b」マーク)
続く設定画面3は、タイマーの電源を入れたときに最初にセットされるタイマー時間を変更するオプションです。
初期設定では、この時間が1分になっていますが、例えば「いつも15分で使う」といったように、「いつも使う時間」がある場合は、ここで設定しておくと便利です。

↑いつも10分で使う場合には、このように10分で設定しておくと便利です。
最後の設定画面4は、「内部クロックの微調整」という、やや特殊なカスタマイズオプションです。
通常はこれを操作することはないのですが、たまたまPICマイコンのクロック精度が悪く、タイマーが目に見えて遅れてしまうとか進んでしまうといった事態が発生したときの調整用です。
1分あたりのタイマーのずれを、プラスマイナス0.5秒単位で微調整できます。
この設定画面4でボタンを押さずに5秒放置すると、「OK」の文字が表示されます。
これでようやくすべての設定が終わり、この段階でそこまでの全ての設定がPICマイコンのフラッシュメモリに書き込まれます。設定画面4で「OK」の文字を出すまでは、設定は書き込まれていませんので、それまでに電源を切ってしまうと、それまでの設定は保存されませんので、注意してください。
設定が終わった後は、タイマーは電源が入ったまま休止状態になっていますので、必ず忘れずに電源スイッチをオフにしてください。