2010年07月23日

豊郷小学校と「けいおん!」とびんてまり

いつもとは毛色の違うネタですが、今日、偶然ネットでこんな記事を発見しました。

http://yunakiti.blog79.fc2.com/blog-entry-5902.html
近江鉄道でTVアニメ「けいおん!!」第2期放送開始記念乗車券・入場券が発売されるようです -今日もやられやく

高校生がガールズバンドを組んで活躍するという人気アニメ「けいおん!」の舞台である「私立桜が丘高校」のモデルとなっていると言われているのが、滋賀県犬上郡豊郷町の「豊郷小学校」の旧校舎です。

「けいおん!」の舞台(のモデル)としての豊郷小学校旧校舎については、たとえばこちらなどが詳しいようです。

実のところ、私自身は「けいおん!」のアニメを見たことはなく、ネットや動画サイト等で話題になっていることくらいしか知らないのですが、一方で、この「豊郷小学校旧校舎」については、「けいおん!」で話題になる前からよく知っていました。

というのも、私の実家がこの学校のある豊郷町の隣町にあって、この小学校も自転車で行けるくらいの距離にあるからです。
また、この「旧校舎」は私が子どもの頃はもちろん現役で、当時から、著名な建築家の設計した校舎としてそこそこ有名でした。

とはいうものの、実際に通っていた小学校でもないわけですから、それだけでは「近くを通ったことがある」程度なわけですが(実際地元にいたときはそうでした)、10年ほど前、まさにこの「旧校舎」を取り壊して建て替えるか、歴史的建造物として保存するかで、小さな田舎町を二分する大騒動が起こったのです。(豊郷小学校 校舎改築問題 -Wikipedia

結局このときは、町側によって実際に校舎の一部が取り壊され、一方で反対派は校舎に立てこもって応戦という、ちょっと最近では聞いたことがないような展開になりつつも、最終的には町側が折れ、歴史ある校舎は保存されることになりました。

実家のごく近くでの大ニュースだったので、私も関心をもってニュースを追いかけていたのですが、さすがに7年ほど経過してほとんど忘れていたところに、この「ほぼ取り壊れることが決まっていたのに、町民の激しい運動によって辛うじて残された旧校舎」が、その後何年もたって、「けいおん!」という人気アニメの舞台として俄然注目されるという、歴史のいたずらのような展開に、改めて感慨深いものを感じています。(今は、旧校舎は図書館や町民用スペースとして活用されているそうです。)

現在では、「聖地巡礼」と称してこの旧校舎を訪れる方もたくさんいらっしゃるようです。
現に、先日帰省してこの学校の前を通ったとき、敷地内で写真を撮っていらっしゃる方を何人か見かけました。

そこに住む人に「愛されて」、その熱意によって守られた建築物が、全国的に注目され、非常にたくさんの方に「愛される」ようになったことは、本当に素晴らしいことだと思いますし、かつてその近くに住んでいた人間としても、ちょっと嬉しくなるニュースだと思っています。

ちなみに、私の「本当の地元」は、近江鉄道でいうと、この豊郷小学校の旧校舎の最寄り駅である「豊郷駅」の1つ隣の駅である「愛知川駅」のほうになります。

http://www.ohmitetudo.co.jp/railway/eki/echigawa.html
愛知川(えちがわ)駅

一見、何もない田舎の駅ですが、実は日本のなかでも恐らくこの駅にしかないという、非常に珍しく、「見る価値がある」ものがあります
それが、「びんてまり」です。「びん細工てまり」とも呼ばれます。
以前、エントリで書きましたが、丸い透明なガラスびんのなかに、びんの口よりもはるかに大きな手まりが入っている、トリックアートのような、それでいてとても美しい民芸品です。日本でここでしか手に入らないという意味では、非常にレアな一品だと言っていいと思います。

愛知川駅の駅舎内にある「るーぶる愛知川」というスペースでは、びんてまりを展示販売しています。
値段はけっこうしますが、ここに来ないと実物を見れないものですし、見ているだけでも楽しめます。(安価なびんてまりキーホルダー等も販売されています)
さらに時間に余裕があるなら、駅から徒歩7分の「愛知川図書館」に併設された「びんてまりの館」を訪問すれば、より多くのびんてまりや、どうやって作るのかの制作工程図などを見ることができます(休館日がありますので注意)。

bintemari_1.jpg
↑「びんてまりの館」で見ることができるびん細工てまり。クリックで拡大します。

「聖地巡礼」で、遠いところから豊郷小学校旧校舎に足を運ばれる方、「なにかそれ以外に観光ネタがないかなあ」とお考えなら、よかったら隣の「愛知川駅」に立ち寄って、日本でここでしか見られない、ここでしか手に入らない、美しい「びんてまり」をご覧になってはいかがでしょうか。
きっと、ちょっといい思い出になってくれると思います。
posted by そらパパ at 20:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日は。毎日日本は暑そうですね。

てまり、スッゴクきれいです。海外に住んでいると、日本に帰ったらこういったものを沢山娘と息子に見せてあげたいと思います。日本文化の本当の美しさを、教えてあげたいです。
Posted by 塩田玲子 at 2010年07月26日 12:55
塩田さん、

コメントありがとうございます。

びんてまりは本当にきれいで、思わず見とれてしまうような美しい民芸品です。
個人的には「郷土の誇り」くらいにさえ思っています。(なので、応援する意味も込めて、奮発して2つも買いました。)

滋賀の片田舎でしか見れないので、ご覧になる機会はまずないかもしれませんが、万一何かの機会があれば、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

(ちなみに、ただの手まりなら、通販などでキットを購入して自分で作ることもできます。)
Posted by そらパパ at 2010年07月26日 22:41
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