2010年07月09日

シリーズ記事の予告について

今日は、代替療法がらみで、大変悲しいニュースを見かけました。

「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100709-OYS1T00214.htm


特定の代替療法(ホメオパシーである可能性が高いと考えられます)の「教え」に沿って、本来新生児に与えるべきK2シロップを与えなかったために、その子どもがビタミンK欠乏症で死亡してしまった、という事件です。

この記事に対しては、ネットでも非常に大きな反響が起こっています。
http://b.hatena.ne.jp/entry/kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100709-OYS1T00214.htm

親が、通常医療を否定し、忌避するような不適切な代替医療を選択して「しまった」ために、生まれてきた命が犠牲になってしまう、それほどに、「インチキな代替療法」というのは有害なのです
(最大の問題は、上にも書いたように、「通常医療を否定・忌避し、『通常医療の代わりにうちの代替医療をやりなさい』というメッセージが発せられるところにあります。)

そしてこのような構図は、残念ながら自閉症療育においてもはびこっています。
今回の事件を見て、私も含め「障害をもったお子さんの親」は、医療の世界と同じように、「不適切な代替療育法」とそうでないものをしっかりと見極め、賢明な選択、優先順位付けをしていくことがとても大切なのだ、と改めて感じました。

その「不適切な代替療育法を見極める目」を含む、療育についての考え方のことを、当ブログでは「療育リテラシー」と呼んでいます。

今回の「K2シロップ事件」を1つの機会と考え、来週の月曜日より、久しぶりにシリーズ記事でこの「療育リテラシー」を本格的に取り上げてみようと思います
タイトル(予定)は、「3た論法から療育リテラシーを考える」です。

今回のシリーズ記事が、わずかでも療育選び、優先順位付けについて、皆さんにヒントをご提供できるものになれば、嬉しく思います。
posted by そらパパ at 22:36| Comment(6) | TrackBack(0) | 理論・知見 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 悲しい事件が起こりましたね。以前と同じく、そらパパさんの奮戦がまた始まるのですね。しかし、うちの娘は、ホメオパシーで病気が良くなりましたという書き込みが、また始まるのかと思うとやや憂うつです。
 情報リテラシーの問題は、どうすれば解決できるのか、あるいは人間の性(さが)として、解決できないものなのか、難しいところですね。
 蛇足ですが、新生児へのビタミンKの投与は、「勧告」であり「指針」ではないようですね。
http://www.kisoh.org/hensyusya3.html
Posted by ウルトラマンの父 at 2010年07月10日 16:27
ウルトラマンの父さん、

コメントありがとうございます。
エントリは今日アップしました。

まあ、「奮戦」というか、今までと同じく、当ブログの重要テーマとして「療育リテラシー」については今後も取り上げていきたいと思っています。

ビタミンK不投与については、それが「義務」ではないという問題はありつつも、過去にもいくつか事例があり、多額の和解金を支払う(つまり病院側に相応の責任がある)ことで決着しているようです。
Posted by そらパパ at 2010年07月12日 23:12
はじめまして。あまりの情報量のおおさと細かさに驚きつつ、今のわが息子の問題(一番大変なのは息子なのだろうが)の解決の糸口のひとつにさせて頂いております。
療育のなかに、[コロロメッソッド]がありますが、貴殿の療育に通ずるものがあるな、と勝手に感じています。
特に、叱り方やパニック対策は同様の指導法がなされており、私も毎日の事象のなかで活用し、息子の心の動揺を和らげることに役立っております。
私は、パニックを起こしている息子の状態のときに(不謹慎かもですが)彼の人間味を感じられたり、或いは「ああ、訴えてるな、どうしたいんやろ、何を苦しんでるんだろ」とピンチをチャンスに(解決というか、乗り越えられた時に彼と解りあえる何かがみつかる喜び)変えるべく、努力ちゅうです。
文章として体系化できる力もなく、ただ漫然と毎日をおくる私にとって貴殿の記述された情報は本当に貴重でこれからも活用させていただきたいです。

また、コメントさせてください。

Posted by 姫野 at 2010年07月14日 16:27
姫野さん、

コメントありがとうございます。

私はココロメソッドについては詳しくないのですが、お子さんが、なにか私たちの期待と違う行動(問題行動も含めて)をとったときというのは、確かに逆説的に「支援のチャンス」でもありますね。
そこで現われた「課題」を分析して、対応して、前進できれば、それはとても適切な働きかけをしたことになるでしょうから。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by そらパパ at 2010年07月14日 22:23
Posted by jibjib at 2010年08月24日 22:34
jibjibさん、

情報ありがとうございます。
ホメオパシーは話題になっていますね。
Posted by そらパパ at 2010年08月27日 00:12
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