でも、自作PCの楽しみ方は、それだけではありません。
最近私が個人的に興味をもっているのは、「Mini-ITXフォームファクタのPCを作る」ことです。
こういっても多くの方には分からないと思いますが、要は「30cm四方くらいの、かなり小さなPCを自作で作る」ということになります。
自作PCの「大きさ」を決める最大のファクターが「PCケース」であることは言うまでもありませんが、そのPCケースの大きさを決める最大の要素が「中に入れるマザーボードの大きさ」になります。
現在、主流となっているマザーボードの大きさは以下の3種類です。
ATX:305mm×244mm
Micro-ATX:244mm×244mm
Mini-ITX:170mm×170mm
3DのPCゲームをバリバリ遊ぶような用途には、一番大きいATXサイズのマザーボードが向いています。PCケースも「ミドルタワー」「フルタワー」と呼ばれるかなり大きなサイズのものになります。
一般的なホームユースのメインマシンを作るなら、Micro-ATXサイズで十分です。PCケースも「ミニタワー」と呼ばれる、ちょっと小さめのものを選べます。これまでのシリーズ記事でご紹介していたのは、この「Micro-ATXサイズのマザーボード+ミニタワーのPCケース」での自作PCでした。
そして、さらに小さなマザーボードとして、Mini-ITXサイズというのがあります。17cm四方というと、単行本くらいの大きさですから、かなり小さなケースに収まります。うまく工夫して作ると、非常にコンパクトな地デジチューナーつきリビングPCやホームサーバーなどが作れます。
ただし、小さいケースでPCを作ろうと思うと、パーツをうまく選ばないとパーツ同士が物理的に干渉してしまってケースに収まらなかったり、拡張用スロットがほとんどないために希望するような機能拡張ができなかったり、さらには小さなケースに熱の出るパーツを押し込むため内部に熱がこもって熱暴走したり、電源容量が小さいために使えるパーツが制限されたりと、さまざまな難題が次々と降りかかってきます。
でも、だからこそ、小さなPCケースに狙った機能をしっかり搭載したオリジナルPCが完成し、期待どおりに動いたときの喜びは、大きなケースで作るとき以上のものがあります(まあこの辺はマニアックな楽しみかたかもしれませんが(笑))。
また、実際に小さなPCっていうのは、サブマシンとしてリビングや寝室、子ども部屋など、普段PCを使わないような場所に設置するにはうってつけなので、そういう意味で実用性もありますね。
Mini-ITXのマザーボードを採用して、例えばこんな組み合わせでPCを自作してみるのも、面白いんじゃないでしょうか。最近は、Mini-ITXサイズのPC用のパーツが驚くほど安くなったので、「安価にPCを作る」ときにも、Mini-ITXサイズで作るのが有力な選択肢になってきました。
実は、下記の組み合わせは、私が実際に作ったホームサーバー用マシンに近い構成です。(なお、下記パーツ以外にWindowsなどのOSが必要です。これがとても高いですね。サーバー用途なら「CentOS」、メールやネット端末にするなら「Ubuntu」などのフリーのOSを活用するのも手です。)
JMAX JX-FX100B Mini-ITXケース
Intel マザーボード Essential mini-ITX BOXD510MO(CPU付属)
BUFFALO デスクトップPC用増設メモリ PC2-5300 (DDR2-667) 2GB D2/667-2G/E
日立 HGST 3.5インチHDD(SerialATA) 500GB 7200rpm HDS721050CLA362
BUFFALO DVD-RAM/±R(1層/2層)/±RW対応 SATA用 内蔵DVDドライブ DVSM-724S/V-BK