前回までの記事で、ハードウェアはすべて組みあがりましたので、あとはWindowsを導入するだけです。
ここからは実際のPCごとにかなり展開が違ってくると思いますので、概要と注意すべきポイントだけまとめておきたいと思います。実際、BIOS画面が出るところまでいってしまえば、その後で失敗する可能性はかなり低く、トラブルなしにWindowsを導入完了できるケースがほとんどだと思います。
まず、OSのインストールに進む大前提として、以下の3つができていることをチェックしましょう。
1. 電源が入って、モニタに起動画面(マザーボードのロゴとか、英語の起動メッセージなど)が表示されること。
2. BIOSメニュー(起動時にDELキーかF1キーあたりを押しまくると出てくる、ハードウェアの設定メニュー)に入ることができること。
3. BIOSメニューを確認し、ハードディスクと光学ドライブの両方が認識されていること。
4. 同じくBIOSメニューで、ドライブの起動優先順位が、「光学ドライブ」→「ハードディスク」の順になっていること。
↑BIOSメニューの一例
さらに言えば、以下もチェックしておいてください。
5. BIOSメニュー表示中に、CPUやケース、電源ユニットのファンが回っていて、ケーブルが邪魔をしていないこと。ケースのなかからこげ臭いにおいがしないこと。各種ケーブルがしっかり刺さっていて抜けそうになっていないこと。
6. LANケーブルは(まだ)絶対につながないこと。
以上が確認できたら、BIOSメニューを開いている間に、WindowsのインストールDVDを光学ドライブに入れておきます。
これは、電源が切れているとトレーが開かず、電源を入れると、すぐに起動チェックに行ってしまって、インストールDVDを入れるのが間に合わないからです。
ディスクを入れたら、電源を切って入れなおすか、BIOSメニューから「保存せずに終了(EXIT)」などを選んで再起動します。
すると、起動順の設定がうまくいっていれば、光学ドライブからの起動が始まります。BIOSによっては、「Press any key to boot from CD or DVD.(CD/DVDから起動するなら何かキーを押せ)」といったメッセージが数秒だけ出ますので、その表示中に適当なキーを押して「光学ドライブからの起動」を指示します(失敗するとハードディスクからの起動になってエラーで止まりますので、リセットボタンを押して再トライしてください)。
Windows Vista/7のインストールは非常にシンプルになっていて、最初に出てくる「Windowsのインストール」の画面で、
インストールする言語:日本語
時刻と通貨の形式:日本語(日本)
キーボードまたは入力方式:Microsoft IME
キーボードの種類:日本語キーボード(106/109キー)
を選んで(というか、最初からその設定になっています)、次に出てくる「今すぐインストール」のボタンを押すだけでインストールが始まります。その後は、
(1)ライセンス条項の確認
(2)アップグレードか新規インストールかの選択(新規しか選べないはず)
(3)インストールするパーティションの選択
→新しいハードディスクを装着して「次へ」ボタンを押すと、パーティションの設定を要求されます。その時点ではドライブ全体が「未割り当て領域」になっているはずですから、ウインドウ下の「新規」をクリックしてドライブ全体を割り当て(フォーマットは不要です。下手に選ぶと1TBクラスのHDDは1日かかっても終わりません)、割り当てたパーティションを選んだ状態で「次へ」ボタンを押します。(中古HDDの場合はパーティションの「削除」をして、再度「新規」で割り当てます)
と進んで、インストールが始まります。
インストールの途中で、何度か再起動が入ります。
再起動後のインストールの続きは、通常、光学ドライブからではなくハードディスクから起動される必要がありますので、PCによってはインストールメディアを取り出す必要がある場合もあります。
ともあれ、インストール自体は、初めて作る自作PCなどの場合、ハードウェア構成がシンプルなこともあって、普通は30分程度で完了します。
OSのインストールが終わったら、今度はデバイスドライバのインストールが必要です。
インストールしたばかりのWindowsは、とりあえずどんなPCでも立ち上がるような、必要最小限の汎用的な環境で立ち上がっています。
ですので、多くの場合、表示画面は解像度の低い汚いものになっていますし、LANやサウンドなどのマザーボードの機能も働きません。
Windowsでドライバが用意されている場合は最初からこれらの機能が使える場合もありますが、その場合でも必要最低限の機能だけが動作して、本来のフル機能になっていない場合もあったりします。
そのため、OSをインストールした後に行なうべきなのは、マザーボード(ビデオカードなどを追加した場合は、それらの拡張デバイスも)に付属しているCD-ROM/DVD-ROM(インストールメディア)から、デバイスドライバをインストールすることです。
Windowsを起動した状態で、インストールメディアを光学ドライブにセットすると、ドライバインストールの画面が表示されると思います(されない場合は、マイコンピュータからドライブを開いてインストールメディアのセットアップ画面を表示させます)。
ここから必要なデバイスドライバを選んで、順にインストールしていきます。具体的には、次のようなドライバをインストールすることが多いと思います。
・チップセットドライバ
・ディスプレイ(ビデオ)ドライバ
・LAN(ネットワーク)ドライバ
・オーディオ(サウンドデバイス)ドライバ
これらのドライバをインストール(何度か再起動が必要です)すると、画面の解像度なども本来のフルスペックとなり、インターネットなどへの接続も可能になります。
続いて必ずやらなければならないことは、「アンチウイルスソフトのインストール」です。
市販のアンチウイルスソフトを購入済みの方は、「LANケーブルを外して」そのアンチウイルスソフトをインストールして、それから「ルータ経由で」自作PCにLANケーブルをつないで、急いでデータベースを最新版に更新します。
アンチウイルスソフトを購入済みでない方は、「ルータを経由して」インターネットに接続し、例えば有名なフリーのアンチウイルスソフトである「AVG Free」を急いでダウンロードして、急いでインストールし、急いでデータベースを最新版に更新します。「急いで」を強調しているのは、ゆっくりやっていると、その間に攻撃されるリスクがあるからです。
これらの作業に時間がかかるからと言って、待ち時間中に余計なサイトにネットサーフィンするなどもってのほかです。絶対にやめましょう。
続いて必ずやらなければならないことは、「Windowsのセキュリティパッチの適用」です。
スタートメニューから「Windows Update」に接続し(この場合もルータ経由で)、恐らく「Windowsのアクティベーション(認証)」を求められるでしょうからそれも行ない、必要なセキュリティパッチをどんどん当てていきます。
一度インストールが終了しても、何度も「Windows Update」につないでください。1つのアップデートが終わると、別のアップデートがインストールできるようになる、そういった構造になっているので、複数回Windows Updateを繰り返す必要があります。この間も、別のサイトへのネットサーフィンなどは絶対に避けます。
デバイスドライバをインストールし、アンチウイルスソフトをインストールしたうえで最新版に更新し、Windows Updateを繰り返して「新しい更新はありません」と表示されるところまでいったら、お疲れ様でした。これで、「Windowsのインストールは終了」です。
※補足
どうしてもうまくいかない場合、とりあえずPCがちゃんと動いているかどうかの確認も兼ねて、フリーのLinuxディストリビューションである「ubuntu(うぶんとぅ)」をインストールしてみるという手もあります。
↑ubuntuのデスクトップ例
ubuntuは、もし自作中のPC以外にCD-Rが焼けるPCがあるのなら、こちらからISOファイル(ディスクイメージ)をダウンロードし、ImgBurn(フリーソフト)のような、ISOファイルを書き込めるディスク書き込みソフトを使ってCD-Rに書き込み、そのCD-Rをドライブに入れてPCを起動すれば、インストールが可能です。
(もしそういったPCがない場合は、こちらのような、インストールメディア付きのubuntu本を買ってくればインストール可能です。)
もしも、Windowsがうまくインストールできなくて、ubuntuはインストールできた場合、ハードウェアの故障ではなくWindowsやデバイスドライバのインストール過程に何らかのトラブルがある可能性が高くなります。
また、セカンドマシンとして自作PCを作り、もっぱらネットとメール、基本的なオフィスソフトなどを使うだけなら、意外とubuntuのままでいけてしまうかもしれません。