2010年04月01日

花風社の浅見社長ブログで「警告」された件について、他

今回の件のまとめ

今回の件を簡単にご説明すると、

・私が花風社の本の内容や、代替療法やEBMに対する姿勢について当ブログなどで批判的に取り上げたこと(具体的にはこのレビュー)に対して、
・花風社の浅見社長が、
・何ら建設的な議論や反論を経ることなく、いきなりブログやツイッター等で「民事・刑事で訴えるぞ」等の恫喝や誹謗中傷を繰り返し、
・さらにはリアルで私が業務上おつきあいのある第三者に対してまで「裁判で訴えるぞ」等の恫喝を行なうなどの事件が発生した、
・その後もずっとブログやツイッターで一方的な誹謗中傷を続けられて現在に至る、


というものになります。

本事件についての当ブログの関連エントリはこちら、攻撃の矛先が向けられているブックレビューはこちらです(批判的なレビューですが、それ以上のものではないと考えます)。この件について私が記事を書いているのは5月までですが、その後も攻撃は続き、最近ではさらにエスカレートしています(相手方ブログツイッター)。ずっと続くその攻撃は何ら実態(ソース)のない中傷です。

花風社・浅見社長ブログの当初の関連エントリ(主なもの)は、以下のとおりです(以降もずっと続き、内容はひどくなる一方ですが、きりがないのでもはや拾っていません)。
 嘘っぱち
 言論弾圧された件
 重度の人たちについて
 よくわかんない人たち
 応援ありがとうございます!
 奇跡のような出会い参考記事
 発達障害者支援のために
 読者から託されたメール
 大地君からみのもんたさんへのお手紙
 吹き込むわけないでしょ
 大地君からそらパパへの手紙
 まっとうな本
 安心しましたって
 修行系への応援
 白くま母さんからそらパパなる人物への手紙

同じ時期、浅見社長はツイッターにおいても私に対する執拗な誹謗中傷を続けていました。

そして、これら著者や関係者や読者まで巻き込む浅見社長のフレームアップによって攻撃はエスカレートを続け、ついには私が著作の出版でお世話になった出版社の社長に対して直接電話をかけ、私の個人情報を教えろ、教えなければ社長もまとめて個人情報開示で訴えるなどと恫喝したり、また、第三者を介して書面にて同様の「個人情報を教えなければ法的手段をとる」といった不当な要求書が同出版社宛に送られてくるといった事件が発生するに至りました。
これによりリアルな損害を蒙る事態となり、身の危険を感じたため、やむなく本件のトラブル処理を弁護士に依頼しております。

この「脅し」事件に対する浅見社長の反論:
 版元と著者との関係
 そらパパなる人物の代理人への回答
 集団イジメだってさ
 1 そらパパ式言論の自由
 2 著者と版元は一蓮托生
 3 開示請求することは不当な圧力ではない
 4 なぜ当事者が支援者に訴えられているか

※エントリ中で言及されている、私が浅見社長のブログを閉鎖するよう求めたというのは事実ではありません。私が弁護士を通じて出状した文書も、いつでも公開する用意があります。

その後、私自身はこの話題をブログで取り上げることは控えていますが、浅見社長からの誹謗中傷は続いています。

※私の弁護士宛には、FAXが繰り返し送られてきています。
 返事が来ません
 藤居学へ
 藤居学へ 浅見淳子より
 ※なお、いずれのFAXについても、上記エントリで省略されている部分には、書くことを憚られるような内容が書かれていました。

参考:花風社および浅見社長に関連するベムさんのまとめ(主なもの)
 発達障害は「発達しない障害」ではありません。
 さらにナナメ上に加速しそうで心配な花風社
 あまりにひどい花風社の横暴
 bunpapaさんは実は花風社の浅見社長であるというウワサは本当か?
 花風社 浅見淳子社長の恐怖
 念のため花風社の浅見社長の誤り等を指摘しておく。-ベムのメモ帳

※上記bunpapa氏のエントリに対する花風社ブログのエントリ:
 札幌で会いましょう
 障害児の親よ、甘えるな
 抜け駆けは許せませんか?
 信用できますか?

参考:Twitterでの議論、他の方のブログエントリ等
 ついにこの話題を【拡散】してみる
 ついにこの話題を【拡散】… その2
 ついにこの話題を【拡散】… その3-ベンボー提督亭
 こんなの書いて大丈夫か?-沼地の日記

 ぶんぱぱさんとの会話
 花風社・浅見社長のEBMについてのafcp医師とのやりとり
 花風社・浅見社長の脅し&つい裏アカで登場してしまいました
 花風社・浅見社長と@ohanami_roadさんの会話
 花風社・浅見淳子社長の暴言集
 花風社・浅見淳子社長 発言集 ~空パパさんへの訴訟恫喝編~
 花風社・浅見社長が語る、「花風社の本の読者像」

上記Togetterまとめから、いくつか発言を引用しておきます。
@hati_ また外したね。私の支持層は子どもはスペクトラムでも親は定型、二親揃っていて父親はしっかりした職業、親に精神科通院歴、抗精神薬服用経験なし。要するに強い人たち。そらパパのリストみて見なよ。その違いがわかるから。PL

@maymay39 あ、あと感想。あなたのコミュニケーションはスペクトラムですね。悪い意味じゃないよ。ただ、デジャヴなだけ。PL
@1130tommy ああ、そうなの。ああいうのをねじ曲がってるって言うんだ。何考えてるのかよくわかんなかった。アスペらしいんだけど。PL

@bem21st それより勤務時間は仕事すれば。誰かさんは君んちの間取りまで調べてきちゃったよ。PL
@hati_ 事実に反する主張を続ける相手の身元を調査するのがそんなにおかしい? PL
@bem21st きっかけじゃないよ。あんたたちが勝手に俺ルール作ってるだけ。ぶんパパが出てきた理由はぶんパパにきいてよ。それともあくまで同一人物説にこだわってあんたも山岸みたいに麻布署に呼び出されたい? PL
@hati_ それはあいつがおかしいからで、それを見抜ける人と見抜けない人がいるってこと。私は噛み付かれるまでベムの存在も知らなかったよ。あいつはあのちっぽけなブログで私が潰せるとカンチガイして外しっぱなし。うちにくるメールはあの人狂ってますねっていう内容。ただのうつみたいだけど PL

@bem21st また予測はずれてるけど別に私は誰が講演しようとしまいとかまわないよ。自分は出会いがあるから仕事としては好きだけどね。ただそらパパの講演会には何人かで行くよ。どんな顔か見てみたい。PL
@Shirokumakasan 夫に名古屋の講演一緒に行こうよ、って言ったの。ぶんパパと夫と私だったらビジュアル的にもインパクトあると思って。そうしたらそんなくだらねえものいかねえよ、って言われちゃった。PL
さ、今日は帰るか。明日は千葉県自閉症協会様と打ち合わせ。受けた仕事はきっちりやりますよ~私は。へたれに講演頼むもんじゃないね! PL

※以下、オリジナルのエントリ本文です。もはや全体に対するごく一部の内容になっているのであまり意味がありませんが、当初の当方の対応という意味では参考になるかと思います。

名指しはされてないんですが、それがこの方の流儀なようで、確認作業をするのも面倒なので、仮に私の話だったとして書きます。

4/1付の、花風社の浅見社長のブログにて、私(と思われる人物)に対して、「これ以上書くと訴訟をおこすよ」という「警告」が書かれています

嘘っぱち-定型発達者もつらい…かな? 花風社・浅見淳子のブログ
まあ別に自閉症の診断が下りてなくてもね、勝手な思い込みをする人はいて
ネットがあると、憶測が飛び交うわけで。(たとえば昨日の話題だと、私が反TEACCHだとかね。)

で、その憶測が当たっていなくて、他人の名誉を毀損していた場合は
法的リスクを背負うわけです。
いったん法廷に立てば「浅見は嘘をついている。口ではああ言っているけど本当は反TEACCHである」証拠を自力で用意しないといけないわけです。

今日ここで私は「反TEACCHじゃないよ」「反ABAじゃないよ」「キレーション薦めてないよ」って宣言しましたけど
それにもかかわらず「浅見は反TEACCHだ。反ABAだ。キレーション薦めてる」と言ってまわるとすれば
そしてその他一面識もない私に確認をとらず、嘘っぱちを言いふらすなら
法廷で証拠として耐えうるものを用意してから言ってね。
エープリルフールに宣言してたから嘘だ、って言ったって、たぶん裁判官には通じないよ。

以上。警告終わり。

続きは下記で。

http://twitter.com/asamijunko

※ちなみに「続き」の一部(浅見氏のアカウントその1(非公開となりました)、その2
私も訴訟考えたのよね。主治医に対しても。一時期真剣に検討した。
asamijunko posted at 2010/4/1 14:40:11

周囲には止められた。でも勝てなくてもやりたかった。二次障害だからって放っておくのが許せなかった。そのころ大大大博士の話が持ち上がった。
asamijunko posted at 2010/4/1 14:43:03

私は朝青龍ではないので、ダメ押しはしない。
tabbysumo posted at 2010/4/2 09:44:33

私はただ、売られたケンカを買っただけ。私にケンカを売ってくるのは、会ったことのない人ばかり。会ったことのある人は、絶対ケンカを売ってこない。
asamijunko posted at 2010/4/2 12:10:49

言論活動はご自由に。ただしリスクは忘れずに。そう言っただけでびびるのは、結局ふだん平和な生活をしている証拠だと思うな。
asamijunko posted at 2010/4/2 18:50:41


まず、一度も平穏なコンタクト方法で反論されたりすることなく、いきなり訴訟を持ち出して「警告」(というより事実上の脅迫ですが)されたことを、遺憾に思います

私は、ブログのコメント欄をオープンにし、メールアドレスを公開し、Twitterアカウントを公開しています。
にもかかわらず、私は浅見氏側より一度もメールやTwitterでのDM・@返信を受けていません。また、この件についてブログへのコメントも受けていません。かなり前に一度、書籍レビューへのコメントをいただいたことがあるのみです。
ただ、陰口みたいなのは何度かお書きになっていたようです(下記参照)。

当事者は工夫を語ってはいけないか?
なんて上から目線なんだろう。何様のつもりなんだろう。

Twitter
EBMと代替療法の境目を、大大大博士はワンフレーズで定義した。この一言で、砂のお城は崩れるかもしれない。いつまでも裸の王様でいたいなら、この本は読まないほうがいい。食ってかかればイタいもの扱いされるだけかも知れないし。
asamijunko posted at 2010/3/31 01:00:34

彼は読まないほうがいいかも。療育リテラシーの世界が崩壊するから。まあ大先生に噛み付くわけにいかないから、また私のせいにして終わるだろうけど。という筋書きが読める今日このごろ。
tabbysumo posted at 2010/3/31 07:38:34

あんだけ宣伝に協力してくれたから一冊くらいあげてもいいけどやめよ。読むと壊れる。
tabbysumo posted at 2010/3/31 10:08:56


「嘘っぱち」だとおっしゃっている3つの件については、事実を整理するために下記引用します。根拠のない「嘘っぱち」かどうかは、読者の皆さんにてご判断ください。(「嘘っぱち」でない場合、今度は私の名誉が毀損されていることになるかもしれません。)

「反TEACCH」について。
そもそも、この趣旨の発言を私はほとんどしていません。私の発言でこれに該当しそうなのは、Twitterのツイート3件のみです。

Twitter
花風社の浅見氏が、ここ数日のブログで「TEACCH」「内山登紀夫」「ありのままを受入れるという考えの支援者」「犯罪を犯した自閉症者の親」などを嘲笑したり罵倒したりしていますね。あと、自閉症の人を「患者」とも呼んでいます。http://blog.goo.ne.jp/tabby222
sora_papa posted at 2010/2/20 08:41:00

自閉症への力動的なアプローチが「リソース食いで使えなかった」からこそ、そのアンチテーゼとしてTEACCHやABAが生まれたのに、そのあたりの歴史から「自由」な人が、「新しいソリューション」のつもりで、古いアプローチを担ぎ出しているという構図かな。
sora_papa posted at 2010/3/27 07:11:54

@afcp_01 「新しいソリューション」の件、私のことを念頭においてらっしゃるなら、それは、それを提唱している浅見氏が、現にTEACCHとか「限界を踏まえた医療的支援」などの「いまあるもの」を否定的に批判し、代替を目指していらっしゃることを懸念していますね。
sora_papa posted at 2010/3/27 08:14:53

1件目は浅見氏自身が書かれたエントリをリンク済みです。改めて該当部分を一部引用します。

山口でアスペルガーと診断された被告人が
被告人の父親。
「このまま刑務所へ行っても出てきたら同じことの繰り返し。社会で最低限生活できる治療や訓練をしてほしい」。

甘いね。
医者には治す気なんかないっていう事態を想定していないね。

こういう事件が起きると、「早くから医療や支援につながっていれば」って論調にもってこうとするでしょ、支援業界。

つながっている人でも加害行為するじゃん。
有名な話ですが
私に被害を与えたのは内山登紀夫先生の患者ですよ。
「本物のTEACCH」じゃ加害行為は防げなかったんだなあ。

経験値を積み上げる
今「ありのままでいいんですよ」とか言われて、世間にあわせてもらうのを当然とする支援者のもとで育っているお子さんたちがいるかもしれません。
そういう支援者の言うことは、話半分に聞いておいたほうがいい、というのが私の意見です。

私は癒されている
「ありのままをまんま受け入れましょう」系って
実はもう終焉に向かっていたんですね。

他害児への対応 ※これは2/25のエントリですので、上記ツイートで言及されたものからは外れます。

2件目は力動的なものをプッシュしているとは書いていますが、反TEACCHと読めるとは思えません。
3件目については、上記の私の発言の前に、浅見氏がご自身で一部認めてらっしゃいます。(下記発言1件目はafcpさんという精神科医の方です)

Twitter
「新しいソリューション」という用語を使われてしまうと、「標準的な」既存のソリューションが排除されてしまうという恐怖感をかき立てられるのかな。
afcp_01 posted at 2010/3/27 07:31:44

@afcp_01ああ、なるほどね。そんなわけないじゃないですかって感じ。
tabbysumo posted at 2010/3/27 07:38:16

それはむしろうちに対する過大な評価でしょう。
tabbysumo posted at 2010/3/27 07:41:43

ただこの企画が持ち込まれたとき、私の中に高砂医師(仮名)への怒りがあったのは確か。
tabbysumo posted at 2010/3/27 07:49:54

事実として、浅見氏のブログでは一時期、内山登紀夫氏への否定的なエントリが繰り返し投稿されていました。(最近「高砂医師(仮名)」と書かれているのは、下記で分かるとおり内山氏のことです)
そこでは、当該事件への内山氏の対応だけでなく、内山氏が取り組まれているTEACCH全般に対しても否定的な言及がありました。
内山氏は日本におけるTEACCHのリーダー的存在の一人であり、「本当のTEACCH」以外にも多数のTEACCH関連著作があります。

発達障害専門医が増えない理由
「社会」が必要なのは「モノホンのなんとか」の知識じゃない。
患者が不法行為をしていたら止められるコモンセンスだ。

公開質問状
そこで私もそもそもこの被告に自閉症の診断を下し
数年間治療関係にあった内山登紀夫先生に公開質問状を出したいと思います。

3 この被告は先生と治療関係にあった当時も私たちの人権侵害活動に励み、先生も他の支援者からその情報を得つつも「ほっておけ」と指示されたと聞いていますが、それは本当ですか? つまり先生は、患者が不法行為をし、他の自閉症者及びその取引先及びその家族(実家の両親を含む)に加害行為を行っていても放っておくという方針をお持ちなのですか? ハンス・アスペルガーがヒトラーユーゲントかどうかだったかという議論の前に、まずはご自分の患者の不法行為を止めるべきだとはおもわれなかったのですか?

パスポートプリーズ(笑)
こういう人を野放しにした主治医が「自己肯定感」なんていうものを説いているのを見ると
「もしかして世事に疎いんじゃないかな」と思うわけです。
先生が講演会等に推薦し、著書にもモデルとしてお書きになった当事者は
自己肯定感が高くて高くて、他人のパスポートを自分が見る権利があるとカンチガイしたみたいですよ。

Twitter
てぃーちと本物のてぃーちは違う。本物のてぃーちという言葉には、コップの中の嵐の臭いがする。
tabbysumo posted at 2010/3/27 08:42:09

高砂親方って
こわいものしらず
医者なら治せんといかんわなあ


「反ABA」について。
私は花風社が反ABAだとは思ってないですし、書いたこともないはずです。花風社に関連してABAの話題を書いたのは、先のTEACCHと一緒にABAについて触れたツイート1件だけだと思いますが、これ1つをもって「私が反ABAだと言ってまわっている」とおっしゃるなら、こじつけではないでしょうか。

「キレーション薦めてる」について。
これについては、以下の記事を参照願います。

http://soramame-shiki.seesaa.net/article/121302929.html
言葉よりずっと大切なもの-自閉症と闘いぬいた母の手記(立ち読みレビュー)

キレーションに直結する「自閉症MMRワクチン原因説」(←この説は消えました)に立ち、GFCFダイエットやサプリメント療法、デトックス療法、ビタミン注射等を実践し、キレーションの話題も何度も登場するジェニー・マッカーシーの代替療法本に、浅見氏があとがきを寄せています。その概要は、「自閉症は治らないというのが定説だけど、あきらめずに治そうとしたジェニーの息子は、代替療法で大きく改善した。あきらめずに治そうとする親御さんは素晴らしい。免疫機能・消化器系統と自閉症との関係は解明されつつある」といった肯定的なものであり、この本とジェニーの行いを「薦める」内容です。

そして、ジェニーがこの本で大プッシュしている「DAN! (Defeat Autism Now!)」は、日本では日本オーソモレキュラー医学会という、自閉症へのキレーションを行なう団体を通じて活動しており、先日、この団体のセミナーが札幌市教委後援となる騒ぎがありました(関連記事 1, 2)。

ちなみに、ジェニー・マッカーシーはプレイメイト出身のセレブで、「自閉症ワクチン説を広く推進した(してしまった)」として、「ピガサス・アワード」という、非科学的・非合理的活動をした有名人等に送られる皮肉賞を受賞している、アメリカの自閉症代替療法の広告塔的存在です。

※その他私が言及したことのある記事
 2010/4/10追記
 この言及記事と関連するやりとりが、別ブログであったようですので記録として追記。
 発達障害は「発達しない障害」ではありません。(ベムのメモ帳)その後日談



で、今回の件についてですが、浅見氏のこの警告を受け入れることにします。(あっさり)

花風社とその経営陣の「言論に対するスタンス」がどういったものであるかは、今回の「平穏なコミュニケーション手段を一切とらずに、いきなり訴訟を持ち出される」というプロセスによって、よく分かりました。
それによって私は恐怖を感じましたし、「発達障害・自閉症を支援する(言論主体としての)出版社」としての花風社へのポジティブな関心は失なわれました。

自閉症スペクトラムというのは、非常に幅広い概念です。
特に「アスペルガー」ではなく「自閉」ということばを使ったとき、そのことばが意味する「裾野」は、障害の程度の非常に重いほうにまで広がります。
だからこそ、「自閉の人はこうなってる」とか「自閉の人は、支援とはこうあるべき」といった画一的な言説には慎重になるべきで、そうでなければ多くの人を傷つけることになりかねません。(関連記事 1, 2

また、自閉症への療育法にはいろいろなものがありますが、それらはすべて「等しく扱われるべき」ものではなく、科学的根拠や健康リスク、経済的・精神的負担などを総合的に評価したうえで、「優先順位をつけるべき」ものであり、療法によっては「厳しく否定すべき」「根拠が弱く避けるべき」ものも間違いなくあります。「よくなった事例がある」だけでは、その療法を肯定する根拠にはなりません。(関連記事

それらの問題意識を皆さんと共有しようと、この出版社の本を10冊以上購入してきたいち読者として一連の問題提起を行なってきたわけですが、結果としてこのような警告を受ける事態となり、いち弱小個人でしかない私としては、それを受け入れざるを得ないと判断しました。

今後、この出版社および経営陣に対する批判的な言論については、相手方が直接書いたソースを客観的に提示するようなケースを除いて、回避します。
この出版社から出版された本に対するレビューは、気が向いたら書くかもしれませんが、その場合もこの出版社および経営陣への批判的言説は回避し、内容のみへの言及にとどめることにします。

また、当ブログでの言説はさておき、推敲というプロセスの入らないTwitterでの膨大なやりとりの中では、一部に表現上の配慮に欠けると受け取られかねない発言があったことについて、率直に反省の意を表したいと思います。

以上です。
今後とも、当ブログをよろしくお願いいたします。
posted by そらパパ at 21:55| Comment(15) | TrackBack(1) | 花風社関連 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そらパパさま
いつもありがとうございます。
ご心労お察し致します。ご自愛下さいね。

ところで、「ありのまま、、、」って、その子を「受け入れ」るだけでなく、その子にあった支援、スキルアップの方策全てをひっくるめた話だと思っていたのですが、違うのですかね?たとえば、明石洋子さんがおっしゃる「ありのままの子育て」とかはもっと深いお話だと感じています。「ありのまま」という言葉が表面的にのみとらえられることは、残念ですね。


みなさん、twitterやってらっしゃるのですね。私が一時期やっていたころと比べ、単位時間あたりの投稿数が300倍以上になっているようです。すごいですね。
Posted by あやぱぱ at 2010年04月02日 06:11
 そらパパさん、忙しくて何よりです。
 医師と患者の関係は医療行為であり、そこには診断、治療の以外のものは含まれないと考えるのが、現在の法解釈です。患者の抱える疾患によって、緊急かつ明白に違法行為が行われる可能性が高いと医学的専門性により認識されれば、医師は当然、警察に連絡する等の行為を求められます。
 しかし、その違法行為が、刑事ではなく民事的なものである場合は、医師には、そのような行為を止める義務は存在しません。当然、義務がないから行わないという消極的な態度ではなく、むしろ患者の行為に対する権利侵害になるおそれが強いと言うことです。
 どうも、浅見氏はこんな簡単な法的知識もなく、公開質問状を送っているようですが、高砂親方は、これも放って置くでしょう。
 それから、「いんちき療法でがっぽり稼ごう」は、エイプリル・フールとは言っていますが、皆さんも感じられているでしょうが、EBMの思想を理解しないと、このようになりますよと警告していると受け止めたのは私だけでしょうか。
Posted by ウルトラマンの父 at 2010年04月02日 09:04
こんにちは。ピッカリママです。コメントを書かせていただくのはずいぶん久しぶりですが、欠かさず読んでます。
背筋が寒くなるようなことですね。まるで戦時中のようです。
出版社の方は本の売り上げにかかわることですから、訴訟のコストなどとるに足らないものかもしれません。宣伝にもなるでしょうね。
方や、家庭での教育方針や手法を同じような目的を持つかたと共有しようといしているだけの一個人にとっては、コスト的にも精神的にも、大変な損害です。暮らしそのものを脅かされてしまいます。
こんなことが、公正なネットの言論の場であっていいことか、本当に背筋が凍る思いです。
Posted by ピッカリママ at 2010年04月02日 11:15
あのエイプリルフールのエントリーを、自分のことだと思ってしまうというところが「語るに落ちた」爆笑物ですね。ただ、笑った後に浅見さんの影響力をおもうと寂寥の思いになる。

訴訟するにしても、そらパパさんの言説には
①公益性が無い
②その目的が専ら公益を図ることではない
③事実、または、「確実な資料、根拠に照らし相当な理由がある誤信」に基づかない
の三要件の成立が見込めなめれば勝訴が見込めない。

ASD当事者やご家族、関係者に多数の読者を持つ出版社の代表者という立場から①、②は成立しない。
③もこのエントリーにあるように、少なくとも「確実な資料、根拠に照らし相当な理由がある」とは言える。

だから、浅見さんの、「これ以上書くと訴訟をおこすよ」という言説は、真実の追究が目的ではなく、意思の自由に対し害を加える旨の単に畏怖させることが目的の警告ですから、脅迫罪が成立する可能性があると思います。
Posted by ヒゲ達磨 at 2010年04月02日 11:54
>患者の抱える疾患によって、緊急かつ明白に違法行為が行われる可能性が高いと医学的専門性により認識されれば、医師は当然、警察に連絡する等の行為を求められます。

そのような義務規定は僕の知る限りではありません。少なくとも連絡先は警察ではありえないでしょう。

精神保健福祉法の第二十六条の二
"精神科病院の管理者は、入院中の精神障害者であつて、第二十九条第一項の要件に該当すると認められるものから退院の申出があつたときは、直ちに、その旨を、最寄りの保健所長を経て都道府県知事に届け出なければならない。"

が比較的近いですが、かなり限定されています。あとは麻薬取締法関連でしょうか。覚醒剤の使用でも通報義務はありませんしね。医師法の守秘義務との関連もあり、ご指摘にあった権利擁護の立場からもそんなに単純ではないです。

民事に関してはおっしゃるとおりかと思いますが、浅見氏は刑事も視野に入れていたようですね。それについて周囲の方の意見を容れられたのは賢明であったと思いますが。
Posted by afcp at 2010年04月02日 12:03
エライ目に遭われましたね。

取り合えず、不法行為であれば挙証責任は原告側にありますから、彼女の主張には??と思うところもありますが、訴えることは自由ですからね。

一般論ですが、最終的に勝訴することを度外視するならば、
訴訟費用<粗利益
であれば、訴えることは合理的な選択ということになります。
特に民事の場合、判決までいくことは少なく途中で和解を勧められますから、最後まで突っぱねるのはかなりの労力が要求されますし、多少でも譲歩しようものなら「非を認めた」と喧伝され「和解を受け入れた自分が寛容だ」等と言い出すこともあり得ます。

手を引かれるのは賢明なご判断だと思います。
Posted by はじめ at 2010年04月02日 20:16
皆さん、コメントありがとうございます。

あやぱぱさん、

浅見氏のお考えについては、リンク先の浅見氏自身のブログのエントリを参照いただければと思います。

「ありのままを受け入れる」ということに関連して私がぶどう社の拙著で書いていることは、まず障害受容、子どものありのままを受け入れて、そこから療育を始めることが決定的に重要だということ、そして、ありのままを受け入れることは、その人に合った支援をするための最低限の出発点になる、ということです。まず「ありのままを受け入れる」ことが、「そこからどう伸ばしていくか、変えていくか」を考えるための第一歩だと思います。

ご参考までに、この件については、下記の講演レジメの4~9ページあたりでも触れています。
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/115201285.html

Twitterは面白いですね。うまく関心の合う人をフォローして増やしていって、タイムライン(フォローした人の発言が時系列かつリアルタイムに更新されるページ)を充実させていくとぐんと面白くなると思います。


ウルトラマンの父さん、

専門的で私が存じ上げない部分もあり、私としてはコメントは控えますが、浅見氏のツイートのなかに、いただいたコメントに関連すると思われるものがありましたので転載しておきます。

刑事事件にするためにこそヤメ検選んだわけですが何か?
tabbysumo posted at 2010/4/2 09:39:01


ピッカリママさん、

ご心配いただきありがとうございます。
この件についてはコメントは控えさせていただきますが、今後も今までどおり自閉症療育について情報発信していきたいと考えていますので、よろしくお願いします。


ヒゲ達磨さん、

私が恐怖を感じたこと、言論の一部に対して萎縮することを強いられているのは事実です。

ただ、一点だけこれは双方の名誉のために断言しますが、今回のエイプリルフールネタとこの出版社とは完全にまったく無関係です。
この原稿を用意したのは、実際のところはるか以前のことですし(4/1ネタとして仕込んでいました(笑))、純粋にネタとして楽しんでいただき、実在の人物や団体に何らの影響がないよう、細心の注意を払って書いた原稿です。
また、これは私の憶測でしかありませんが、下記のツイートから判断するに、私のエイプリルフールネタが投稿される前に、このエントリを書かれる気持ちは固まっていらっしゃったようです。

いつにもまして戦闘的な気分。お昼は焼肉。明日はブログではじけるか。
tabbysumo posted at 2010/3/31 14:21:03


afcpさん、

「大大大博士」の件につきましては、微妙に巻き込んでしまったような気がしていて、申し訳なく思っています。
先日の「まとめ」の記事とも関連しますが、一貫したスタンスからの冷静な発言、大変参考になりました。
これからもよろしくお願いします。


はじめさん、

今回の件についての私の判断の経緯については、エントリに書いたとおりです。
今後ともよろしくお願いします。


※なお、Twitterでの言及が続いているようですので、関連ツイートの一部を追記しました。
Posted by そらパパ at 2010年04月02日 22:17
こんな人もいるんですね…。
浅見氏のブログやtwitter読んでいて、気分が悪くなりました。
アメリカ在住の方を攻撃していた時も、一方的で理不尽なやり方が非常に不快でしたが、今回の「脅し」っぷりは正に外道。
本当に色んな層で、魑魅魍魎の跋扈する療育界なんだなぁ、と改めて感じました。
花風社の本は、今後買わないし、人にも薦めないことに決めました。
Posted by さくママ at 2010年04月02日 22:51
さくママさん、

コメントありがとうございます。
私自身の新たなコメントは控えさせていただきますが、言及された件、さくママさんへ「嘘」だという批判なきよう、リンクを張っておきます。

http://blog.goo.ne.jp/tabby222/e/0bda0bf87ed530594f8527d37e05f36e
絵カード、ケータイに展開したいんだって

ちなみにここで紹介されているアメリカ在住の方は、先日、iphone用アプリ「Vioce4u」をリリースされました。
http://d.hatena.ne.jp/kuboyumi/20091230
自閉症や、会話の苦手な方たちの支援ツール「Voice4u」をリリースしました。
Posted by そらパパ at 2010年04月02日 23:28
今回の騒動を機にちょっと自閉症スペクトラムへの支援のあり方を考えて見ました。
(1)静かな支援
(2)熱血系支援
支援のあり方を取りあえず上の二種類に分類して見ました。「静かな」は私の好きなフランス映画「人生は長く静かな河」から命名しました。「熱血」は金八先生などをイメージ

しています。(1)静かな支援とは基本的にEBに基づいた地味で長い辛抱を強いられともすれば報われる事が少ないシーシュポスの神話的な努力をする支援で自閉症スペクトラム

の9割ぐらいが適用になる支援の種類だと考えています。(2)「熱血」はもちろんEBに基づいたものを含みながら、よりひろいやり方が試みられ時に1%ぐらいの劇的、奇跡的

改善がもたらされるが再現性が困難で単発で説明困難な支援の種類で自閉症スペクトラムの1割ぐらいが適用可能だと考えています。簡単ですが以上まとめて見ました。
Posted by スカラベ at 2010年04月02日 23:35
スカラベさん、

コメントありがとうございます。

今回の件とは関係はないと思いますので意見を書かせていただきますと、私が自分の子どものために選ぶのであれば、その2つであれば「静かな支援」を選びたいと思います。
子育て、療育を「ギャンブル」にはしたくないからです。
Posted by そらパパ at 2010年04月02日 23:38
ごぶさたしています。ご心労のことと存じます。そらパパさんらしい冷静な対応と賢明なご判断に敬意を表します。

万一今後必要があり、何かお役に立てることがありましたら、ご連絡いただければ幸いに存じます。
Posted by Terpomo at 2010年04月04日 15:50
Terpomoさん、

こちらこそ、ご無沙汰しています。

こんなときに登場いただけて、本当に心強いです。
同じ相談するにしても、バックグラウンドをご存知の方にお話しするほうが、より的確な方針を立てていけますから、大変ありがたく思います。

下記の件など、月曜以降に動きがある可能性がありますので、実際にご相談させていただく可能性がかなりあります。
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/145543885.html

よろしければ、最新のご連絡先をメールにてご連絡いただけませんでしょうか?(nifty.comのアドレスは存じ上げていますが、これで大丈夫でしょうか?)

実際に助けていただく必要が生じたら、その時点で詳細も含め、詳しくご説明させていただきたいと存じます。

よろしくお願いいたします。

Posted by そらパパ at 2010年04月04日 16:18
そらパパさん、今回の件では本当にお疲れさまでした。
私もほんの少しだけ関わりましたが、何とも言い表しがたい気分です。

この出版社の本は、騒動よりずっと以前に何度か手に取ったことはあるのですが、違和感のようなものを感じて購入に至ることはありませんでした。
その違和感が何なのか、今回の件でわかったような気がします(笑)

私はこれからもそらパパさんとこのブログを応援していますので、今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by はらぺこるい at 2010年04月07日 22:50
はらぺこるいさん、

コメントありがとうございます。

違和感ですか・・・まあそうですね。
私の感じてきたことは、過去のエントリを参照ください。

応援いただきありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by そらパパ at 2010年04月08日 21:38
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Excerpt: bunpapaさんはツイッター上でそらパパさんに対して執拗に誹謗中傷のツイートを続け、なおかつ花風社の新刊本に書かれた代替療法によって小学2年生で非常に重いの知的障害を伴なう自閉症のお子さんの症状が..
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