自閉症の専門ブログである当ブログが、このとおりにやれば必ず儲かる、成功するという秘密の方法を伝授します。
ただし、タダでお教えするわけにはいきません。
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それでは、とっておきのお金儲けの方法をお教えします。
ここでご紹介するのは、自閉症を「よくする」と称するいんちき療法をでっちあげて儲ける方法です。
自閉症は、ことばや社会性の発達が遅れるという障害で、定説では「治らない」と考えられています。そこが狙い目です。
治らないと言われて参っている家族に、「自閉症をよくする」と語るあなたの療法は、飛ぶように売れるでしょう。
実際の効能がないことを気になさる方もいらっしゃるかもしれませんが、その点についてはまったくご心配不要です。
効果を確認するには時間がかかりますし、時間がかかることで逆に効果の確認が難しくなります。それに、後で書きますが、何を売っても必ず「効いた」という人を作ることができる、魔法のからくりもご紹介します。
さて、まず最初に考えなければならないことは、「自閉症をよくするアイテム」を決めることです。
ここで何を選ぶかがとても重要です。安全で確実に儲けるためには、以下のようなポイントを守りましょう。
・体内に摂取しないもの
体内に摂取するものは過剰摂取やアレルギーなどのトラブルが面倒です。薬事法などの制限により効能をうたうことも困難です。メインで販売するアイテムは体内に摂取しないもの(身につけるもの、部屋に置くもの、教材、CDやDVDのように見たり聞いたりするもの)を選ぶのがいいでしょう。
サプリメントや健康食品は確かに原価が分かりにくく儲けやすいアイテムですが、これらはメイン商材の「おまけ」として販売することとし、まずは食品以外のメイン商材の拡販に力をいれましょう。
・特定の法律に触れないもの
薬事法、食品衛生法など、販売するのに法に基づく資格や認定が必要なものは、避けましょう。
そんな資格や免許を取っているヒマがあったらさっさと売ってさっさと逃げたほうが賢明です。
・独自の価値を付加したもの
どこでも売っているものを転売する方法では、大幅な利潤を乗せにくいだけでなく、せっかく獲得したお客さんを他の安いところに奪われかねません。ですから、選ぶアイテムには「あなたしか提供できない付加価値」を必ずつけるようにします。
難しいことではありません。著作権フリーのクラシック音源に自分で録音してきた青木が原樹海の環境音を重ねれば「富士の息吹が聞こえるクラシックCD」が作れますし、ついでにその辺の湧き水に安物のブレスレットをつければ、「富士の霊水により洗われた聖なるブレスレット」も一緒に作れます。
東京の水道水につけることしかできなくても「武蔵野の湧き水を源流とした・・・」とかなんとか書けばなんとかなるでしょう。
コストをかけずに「付加価値」を作り出すための、あなたの創意工夫が試されます。頑張ってください。
次は権威付けです。
まず、権威のありそうな団体の名前を考えてください。
たとえば「○○法自閉症改善協会」みたいな名前がいいですね。考えたら、ネットで検索して同じ名前が使われていないことを念のため確認します。
その瞬間から、あなたはもうその協会の理事長です。そして、あなたが売るアイテムにも「○○協会理事長推薦」という権威づけがされました。
任意団体を作ることには、何の手続きもいりません。このような協会を2、3個考えて、さらに権威付けを重ねてもいいでしょう。その場合は自分自身に「芸名」をつければ1人で何役でもできます。
続いて、「あなたのアイテムが効く理由」を考えます。
そのアイテムがなぜ自閉症に効くのか、どんな作用があるのかなど、適当に理屈を作ってください。
ポイントは、先で付加した「あなたしか提供できない独自の価値」と連動させることです。東京の水道水につけただけのアイテムも、「なぜ武蔵野の湧き水は自閉症に効くのか」をでっちあげれば、立派な高付加価値アイテムに早変わりです。
なお、ここで作った理屈は実際にはでたらめなので、宣伝などに使うときは、必ず「という説があります」「とも考えられています」など、断定しない表現で終わらせることが大切です。
ここまでできたら、次はそのアイテムをばらまく段階です。
インターネットにホームページを立ち上げ、派手に宣伝しましょう。
最初は、お金を儲けることを考えてはいけません。とにかく、あなたの説を信じてくれた親御さんに、タダでいいのでアイテムをばらまくのです。ここでの赤字は必要経費です。少なくとも100人以上、できれば数百人以上に、あなたのアイテムを「モニター提供」します。
次に、アイテムをばらまいた親御さんに対し、しばらくたってから「効果についてのアンケート」を募集します。とにかく数が欲しいので、アンケートに答えてくれた方に金品を配ります。これも必要経費です。
戻ってきたアンケートには、100件に1件くらいは、「ものすごく効果があった」という回答があるはずです。また、10件に1件くらいは「そこそこ効果があった」という回答もあるでしょう。
これは本当は、自然に発達・改善したのを、あなたのアイテムのおかげでよくなったと勘違いしているだけですが、アンケートさえ手に入ればそんなことはどうでもよく、「効果があった」という回答さえ集まれば目的は達成です。
以上で、インチキ療法でお金を儲けるための準備が完全に整いました。
今度は、同じアイテムを、原価に利潤をたっぷり乗せて、有料で販売しましょう。既にたくさんばらまいているので「○○人ものお客様がご利用!」とも書けますし、アンケートのなかから好きなものを抜き出して「よくなったという感謝の声が続々!」とも書けます。そしてあなた自身の「理事長推薦」というお墨付きもつけられます。
ここからは、マッチポンプで儲けるフェーズです。
アイテムを売るお客さんには必ずアンケートを送り、ごく一部の「たまたまよくなった」人からのアンケートをどんどんホームページに追加していきましょう。
ビジネスが軌道に乗ってきたら、(1)アイテムにランク付けをする(それまで売っていたものを「スタンダード版」とし、さらに効果が高いと称する「特別限定版」を値上げして売る)、(2)補助的にサプリメントなどを売る、(3)紹介制度を作る(お客さんが別のお客さんを紹介する制度を作る。1段階で終わらせればマルチ商法にはなりません)、(4)本を出版してさらに権威付けをする、など、さらなる売上げと利益の拡大に向け精進しましょう。
なお、新しい客を獲得するより既存の客に追加購入してもらうほうが効率がいいので、一度お客さんになった人から徹底的に稼ぐのもコツです。
最後に忠告です。
最近は、こういった療法にうるさく文句をつける厄介な輩が増えています。
ネットで批判するような人は基本的には放置し、自分のホームページに「よくなった」というエピソードをどんどん書き足していけば十分対応可能です。不要な炎上を避けるため、コメントが書けるブログや掲示板を設置する場合には必ず認証制として、面倒なコメントは掲載しないようにしましょう。
もしお客様から心配する声が届いたら「新しい方法なのでなかなか理解されませんが、頑張って普及させていきます」と悲劇の主人公を演じましょう。
批判する人にかみつくのは最悪の対応です。理屈では勝ち目がないので、まともに相手をすればするほどあなたが不利になります。
※最後に
お気づきのとおり、これはエイプリルフールのネタ記事です。(ウソになってない時点でネタではない気もしますが・・・(--;))
「効いたというエピソード」満載のインチキ療法など簡単にでっちあげることができる(だから気をつけましょう)というメッセージを込めたものですが、毒が過ぎる、インチキ療法を助長するといったご批判が多ければ削除します。
療育サービスのホームページなのに、情報商材のセールスレター手法と同じマーケティングテク使っているところがあったりします。そんなホームページを見ると、効果がないことを疑ってしまう私です。
縦にやたらと長いページで、「満足いただけなかった場合は、全額返金保障!」と、「○月○日までの間、先着○○名様に限り、お値段半額!」がセットになってます。
そらパパさんどうしたんだろ・・・どんなオチだ・・・と心配して読み進めたら、このオチだった~~
今日が4/1だと分かってたのに・・・(-"-)
いわゆる・・・・ってやつは、「Hit」さんの言うとおり、縦にやたらと長いページですよね~~よくある。よくある。痩せるってやつも(^^ゞつい食い入るんですけど・・・
とにかく最後のオチにホッとするやら、笑わされるやら・・・今のところ一番のエイプリルフールを楽しみました♪
いろんな営利目的任意団体からクレームがつきそうですがw
もう、笑っちゃいました。
素晴らしいエイプリールネタでございます!
今回のエントリについて、補足的なことを少し書こうと思います。
ここに、3つのタイプの新しい療法があったとします。
(1)悪意をもっていんちき療法を創設した場合。
(2)本人は心底「いい療法だ」と信じて始めているものの、実効性はなく「効かない療法」である場合。
(3)有効性のある療法だが、その効果は長期的に検証しないと確認できない場合。
驚くべきポイントは、この3つの療法をプロモーションした場合の「見えかた」は、すべてまったく同じ、今回のエントリのフォーマットになる、ということです。
(1)についてはエントリそのものです。(2)については、「信用してもらうために身銭を切って無料お試しをやってもらったら、『確かに効いた』、嬉しい、やっぱりこの方法は間違ってなかった」と、最後まで善意で、このエントリと同じプロモーションが成し遂げられることでしょう。そして(3)についても、長期的な検証によって有効性が検証されるまでは、結局、今回のフォーマットと同じスタイルでしかプロモーションすることができません(すぐに効くわけではないので)。
つまり、自閉症への療法のように、長期的な観測が必要で、効果のばらつきが大きく、放っておいた場合のばらつきも大きいような「働きかけ」についていえば、プロモーションされている内容からだけでは、それが悪意のインチキか、善意の「効果のない方法」か、「実は効果のあるダイヤの原石」かを知ることは、論理的に不可能であるということです。
だから、EBM的アプローチ、療育リテラシーが問われるのだと思います。
こういった「新しい療法」に接したとき、「ポートフォリオ」としてどう取り入れるか、取り入れないかということは、難しいけれどもとても重要なことだと思います。
そこも含めて読んでいただけると、さらにこのエントリを「興味深く」(恐ろしく、かもしれませんが)読んでいただけるのではないかな、と思っています。