ですので、今回も前回と進展なく「仮組み」の手順になってしまっていますが、分かりやすさは大幅に向上していると思います。
前回の記事で部品は揃ったので、組み立てていくことにします。
なお、PC部品は静電気が大敵です。以下のすべての組み立てプロセスの前に、スチール製の机などに手を触れて静電気を逃がしてから作業をすることを忘れないようにしましょう。セーターなど静電気を発生しやすい服装での作業は厳禁です。
以下、作業の写真が出てきますが、第1回で紹介したパーツとは異なる手持ちのパーツで撮影していますので、実際のパーツとは若干異なります。また、撮影は完成した自作PCを分解しながら(つまり逆の手順で)撮りましたので、「Aを取り付けた後でBを取り付ける」はずのAの取り付け写真で既にBが取り付けられているなどの矛盾があります。基本的に、赤丸をつけた場所以外については参考にしないでください。
1.仮組みチェック
まずは、マザーボード、CPU、メモリという中核パーツが正常に動作するかどうかを、裸の状態で仮組みしてチェックします。
これをやらなくても組み立てはできるのですが、いきなり本組みをすると、いざ電源を入れて動かなかったときの作業がとても面倒ですので、仮組みから始めることをおすすめします。
マザーボードを商品パッケージから取り出し、平らなところに置きます。平らな机の上に、マザーボードが入っていた静電気防止用の袋を敷き、その上にマザーボードを置いて作業すればいいと思います。
まず、マザーボードにあるCPUスロット(CPUを装着する場所)のレバーをフックから外して持ち上げ、CPUカバーを開いてCPUを装着できる状態にします。
この写真にはありませんが、新品のマザーボードのCPUカバーにはプラスチックの板がついています。これは外さずにそのまま作業します。
次に、CPUをパッケージから取り出し、マザーボードのCPUスロットに慎重にセット(強く落とすとピンが曲がってCPUスロットが壊れます)します。
このとき、「CPUの切り欠き」と「スロットの出っ張り」を合わせてセットするのがポイントです。
CPUが正しい位置にしっかり水平に置かれているのを確認しながら、カバーを閉じ、レバーを下ろしてフックにかけ、CPUを固定します。
カバーについていたプラスチックの板は、レバーを下ろしたときに自動的に外れます。
次に、CPUに付属しているCPUクーラーを、CPUの上に装着します。
CPUはものすごく発熱するので、上にクーラーを載せて冷却する必要があるわけです。
まずはクーラーを取り出して、CPUの上に軽く乗せてみましょう。
基板上、CPUの周囲に4つの小さな穴が開いているはずです。ここに、クーラーのプッシュピンを押し込んで固定するので、クーラーの位置を微調整して、4つの穴の上にピンが乗るようにします。
インテルのCPUクーラーのプッシュピンは、「半透明で中空の外側ピン」と「外側ピンの中空部分に押し込んで外側ピンを広げる内側ピン」で構成されています。
クーラーを固定するときには「黒い内側ピンが完全に上がっている」ことが重要です。内側ピンが上がってさえいれば装着用の穴に楽に入るはずですから、4つの内側ピンを確実に上にあげて、軽い力で穴に押し込んで、やはり軽い力でプッシュピンを押し込んで固定していきます。うまく固定できると「パチン」という軽い音がします。
ちなみに、プッシュピンには矢印が書いてありますが、これは「取り外すときに回す方向」を表しているので、装着するときはすべて「矢印と反対方向」にプッシュピンを90度回しておく必要がありますので注意してください。(新品で買えば普通はその位置になっていますが、念のため確認してください)
4つのプッシュピンを(対角線順に)うまく押し込んで固定できたら、念のためにマザーボードの裏側を覗いてください。4つのプッシュピンが同じ深さで押し込まれ、中心部に黒いプッシュピンのでっぱりが見えていれば、大丈夫です。
4つの固定用穴にあわせてCPUクーラーを置いた状態。プッシュピンはすべて矢印と反対側に回った状態になっていることが必要です。
接写したもの。プッシュピンがまだ押し下げられておらず、すきまが大きく開いていることが分かります。
基盤裏側から見るとこんな感じです。まだ白い外側ピンだけが見えていて、黒い内側ピンが出ていないことが分かります。
プッシュピンを押し込んだ後、もういちど基盤の裏側をみるとこうなっています。黒い内側ピンが飛び出し、4つのプッシュピンが同じ深さで固定されていることが分かります。
クーラーについているファンを回すために、CPUクーラーから出ている電源端子を、マザーボードの「CPU FAN」と書かれた電源コネクタにつなぎます。
CPUの近くに、「CPU_FAN」と書かれた4ピンのコネクタがあるはずです。
CPU_FANコネクタに、CPUクーラーから伸びる4ピンのケーブルを、凹凸を合わせて奥まで差し込んでください。(この写真は途中までしか差し込んでいません)
次に、メモリを挿します。
差し込む前に、スロットの左右のレバーを開きます。
1枚目のメモリ挿す場所は、スロットに番号がふられている場合「一番若い番号(0または1)」とするのが基本ですが、たいていはどこに挿しても動作します。
次に、メモリの切り欠きとスロットの凹凸を合わせてちょっと強めに真上から押し込むと、レバーが自動的に閉じてメモリが固定されます。そういう動きにならないときは、うまく装着できていませんので、何度か試行錯誤してください。うまく閉じた場合も、さらにレバーを手動で閉じたり、メモリを改めて押し込んだりして、完全に固定します。
メモリは同じものを2本買っているはずですので、メモリスロットが2つの場合は両方に、4つの場合は色分けしてある同じ色の2つのスロットに差し込みます。
続いて、ケースに付属している電源と、マザーボードをつなぎます。この時点では、電源はまだACコンセントにはつながないでください。
ケースの電源から出ているコードのうち、一番大きな24ピンのコネクタを、マザーボードの電源端子に差し込みます。
マザーボード上にある、四角い穴が12個×2列ならんでいるのが電源ソケットです。電源モジュールから出ている、そこにささる形態のケーブルが、電源ケーブルです。正しい方向でないと差し込めなくなっているので安心です。電源コードの長さが足りない場合は、マザーボードを袋に載せたままケースの近くまで移動させてつなぎます。
さらに、マザーボード上には4ピンまたは8ピンの補助電源用のコネクタもあると思いますので、こちらも同じ形の電源ピンをみつけて差し込みます。
「電源を入れる」ことができるように、ケースの「電源スイッチ」とマザーボードの電源スイッチ端子をつなぎます。
ケースから出ているコードのうち、電源スイッチとつながっているものには「POWER SW」もしくは「PWR SW」といった表記があります。同様に、マザーボード上にも同様の表記のあるピンが出ているはずですから、それをつなぎます。
※マザーボードによっては、マザーボード自身にテスト用の電源スイッチがついているものもあります。(このマザーボードにはありませんが)
次に、マザーボードとモニタをつなぎます。マザーボードの映像出力端子とモニタを、適切な映像ケーブルでつないでください。
さらに、ケースの電源モジュールをACコンセントにつないでください。
※マザーボードに映像出力端子がないマザーボードの場合、別途ビデオカードを増設する必要があります。仮組みでも必要になりますので組み込んでください。
以上で、仮組みが終了です。
いよいよ、モニタの電源を入れ、ケースの電源スイッチを入れます。
仮組みが成功していれば、次のようなことが順に起こるはずです。
・CPUのファンが回り始めます。
・モニタの画面上に、起動時のロゴなどが表示されます。
・キーボードがない、ブートできないなどのエラーが英語で表示されて止まります。
画面にエラーが表示されて止まるのが、正常な挙動です。まだキーボードもマウスもつないでないですし、OSどころかハードディスクもつないでいないわけですから。(ただし、メモリエラーとかで止まった場合は対応が必要になります)
万一、CPUのファンが回らずに起動画面が出たら、ファンの電源まわりの不良(もしくは接続ミス)なので、そのままだとCPUが焼きついてしまう恐れがありますから、すぐに電源を切ってください。マザーボードから焦げ臭いにおいがした場合も同様です。
そもそも電源が入らない場合は、「電源スイッチ」がうまく接続できていないだけかもしれませんから、よく確認してください。
仮組みが成功したら、マザーボードをケースのフレームに立てかけている不安定な状態を解消します。
ケースの電源コードをコンセントから抜き、マザーボードの電源ケーブルも外します(ツメで固定されているのでツメのレバーを押して外しながら抜きます)。モニターケーブル、ケースの電源スイッチのコードも抜いて、マザーボードが自由に動かせるようにして、安定した場所に移してください。
このとき、CPUとメモリはつけたままで構いません(特にCPUクーラーは外さないでください。一度外してしまうと「グリス」を別途買ってこなければならなくなります)。
これで仮組み・動作検証の作業は終わりです。次はいよいよ「本組み」に入ります。
(次回に続きます。)
ついこの前初めて、
こちら、そらパパさんのブログを見つけ、
それからちょくちょく遊びに来ています。
札幌に住むryopapaと申します。
小4の重度自閉症の男の子の父親です。
うちの子は普段おとなしい方だと思うのですが、
最近パニックが続いたので、
ネットに助けを求めていたのです。
そんなとき、こちらにたどり着いた次第です(笑)
そして、そらパパさんの自作PCのコーナーを見て、
自分でも始めるきっかけとなりました。
今はパーツを集めている段階です。
そらパパさんのお薦めのマザーボードを使えばよかったのですが、
p55というチップ搭載のマザーにしたため、
グラフィックボードを買わなきゃならなくならないみたいで、
ちょっと誤算でした。
きっと失敗もよい経験ですよね(汗)
こちらのコーナーはとってもわかりやすくていいです。
これからもすごく頼りにしてます(笑)
ありがとうございます。
はじめまして。
PC自作は、実用性や経済性もあって、好きな時間に自宅でできる楽しみだと思います。
(ちなみに我が家の娘はいま小1です。妻のブログによく登場していますのでよろしければ遊びに行ってみてください)
P55のマザーボードですが、確かにビデオカードが必要になりますね。
そして、P55ですと、私がご紹介したCPUはベストマッチではありません。今回ご紹介したCPUは、「グラフィック機能」が内蔵されている分、内蔵されていないものより割高になっています。(その代わり、H55チップセットと組み合わせるとビデオカードが不要になって「割安」になる、という構成なわけです。)
恐らく、もうCPUは買われてしまっていると思いますが、もしまだなら、20000円以下で買える「Core i5 750」にすると、かなり速いPC(メーカー製なら上から2番目くらいのクラス)が作れます。
また、ビデオカードですが、数千円の出費でH55マザーのオンボードグラフィックの何倍もの性能を実現できるので、まったく失敗にはなりません。おすすめは、既にご紹介済みの、私もいま使っているGF9800GT-E512HD/GE http://bit.ly/a7KG0Z です。ばりばりゲームをやらない方なら、このビデオカードを買っておけば壊れるまでずっと使えるでしょう。
続きの記事ですが、せっかくリクエストいただいたので頑張って今週のサブ記事として書こうと思います。
お返事ありがとうございます。
そうですか、cpuとマザーの組み合わせが重要だったんですね。
まったくのド素人なので、
断片的にはいろいろ調べて知識がついてきたのですが、
肝心なことが抜けててダメですね(笑)
しかし幸運なことに、
cpuはi5-750を手に入れていました。
またビデオカードもそらパパさんお薦めの玄人志向のものです。
両方ともamazonで安かったんですよ。
とりあえずよかった(笑)
ところで昨日パーツが揃ったので、
そらパパさんの上の説明をもとに仮組みをしてみました。
cpu、クーラー、メモリ2対と設置し、
ビデオカードも何とか挿して、
モニタとつないでみました。
しかし、電源を入れても画面は真っ黒、
no signalでした。
いきなり自作の厳しさに直面したようです。
それからリチウム電池を抜いたり、
(c-mosクリアというらしいですね)
メモリを付け直したり、
それでもダメでした。
そこでスピーカーに接続したところ、
電源on時にbeep音が連続でなっているのに気づきました。
これはビデオカードかメモリの不具合だと、
どこかのHPに書いてあったので、
まさかとは思いつつ、
メモリカードの差し込み口を2つとも、
もう一組の方に代えたところ、
そらパパさんの言うエラー画面が出ました。
正常な動作ということでしょうか。
こんなことがあるんですかね?
ちなみにマザーはギガバイトのP55-UD3R、
メモリはCFD製です。
と、とりあえず今はここまでです。
今後のpcコーナーの続きを楽しみにしていますね。
ps.奥様のブログも拝見しました。
写真が多く、とても華やかで、楽しめました。
「そらまめちゃん」というのが可愛らしい響きです。
女性らしいというか、
少女のブログのようですね(失礼!)。
今度は妻にも遊びに行かせます!
ギガバイトのマザーボードにCore i5 750、玄人志向のGeforce 9800GTビデオカードだと、もはや高性能マシンと呼んでも過言ではないクラスになっていますね。
私はメモリ周りで苦労したことはあまりないのですが、途中どんなプロセスを通ったとしても、あるセッティングで、安定して起動画面が出るようになったなら、それで問題ないと思います。(ちなみに、メモリの調子が悪そうなときは、「1本だけ」にして試すのがいい方法です。)
続きの記事は、明日かあさってにアップできればいいなと思っています。
また、妻のブログにもお越しいただいてありがとうございました。(^^)