この記事でとりあげている電子タイマーの「製作キット」を、ご希望の方にお配りしています。興味をもってくださった方は、ぜひそちらもご覧ください。
↑このシリーズ記事でとりあげている自作の電子タイマーです。(動画は古いもので、現在のキットはこれよりはるかに機能豊富になっています。)

↑この電子タイマーの回路図等の情報と、「製作キット」の頒布についての情報はこちらです。
このタイマーには、非常に多くの「カスタマイズオプション」を用意しました。
実際に使うときのニーズにできるだけ対応できるよう、動作にできるだけ多様性を持たせようとした結果です。
たとえばランプの点灯パターンについては、単純計算で16通り(LEDの点滅のありなし、デジタル表示のありなしを含むとさらに増えます)のさまざまなパターンを選ぶことができます。

↑点滅しているランプが、上から下に落ちてくる(そして下にたまっていく)、ちょっと面白い「砂時計モード」
これらのカスタマイズは、オプション設定画面から行ないます。タクトスイッチ(押しボタン)を押しながら電源スイッチを入れると、オプション設定画面が立ち上がります。
このタイマーにはボタンが1つしかありませんので、設定時の操作はちょっと独特です。といっても、そんなに複雑なものではありません。
(1)ボタンを押すたびに、設定が変更されます。
(2)ボタンを押さずに5秒待つと、「OK」と表示されてその時点での設定が採用されます。

(3)「OK」表示後、次の設定画面に移行します。設定画面は以下のように全部で4つあります。
設定画面1:タイマー作動中のLEDの点灯パターン
設定画面2:アラーム音・クリック音の有無とデジタル表示・LEDの点滅の有無
設定画面3:タイマー設定時間の初期値
設定画面4:動作速度の微調整
設定項目が多岐にわたりますので、今回の記事ではこのうち「設定画面1」の一部についてだけ書きます。

↑設定画面1。表示としては、左、中央、右に分かれています。
設定画面1ではこんな感じの表示が出ます。ここでは、「左側(左側4列)」「中央(左から数えて6列め)」「右側(右端の列)」がそれぞれ別の設定情報を表しています。
(1)左側:設定時間1分、2分、3分の場合の点灯パターン
(2)中央:設定時間4分~40分の場合の点灯パターン
(3)右側:設定時間45分~120分の場合の点灯パターン
点灯パターンの基本は、「1分あたりランプ1個」という対応関係です。
つまり、10分なら10個のランプが点灯する(そして1分ごとに消えていく)という考えかたです。
でもここで、10個のランプをどう点灯させるかが問題になります。
単純に考えれば、「1行めの8個と、2行めの2個を点灯する」ことになりますが、どちらかというと、1行あたり5個のランプだけを使い、「1行めを5個、2行めも5個」点灯させたほうが分かりやすそうです。

↑左の5個だけを使って、時間を表示している例。
でもそうすると、8行で「5×8=40分」しか表示できないことになり、それ以上の時間をセットしたときにどう表示するか、という問題が出てきます。
・40分を超えたら、今まで使わなかった右の3列のランプも使うようにする
・40分を超えたら「1分でランプ1個」という対応関係をあきらめ、「2分で1個」等に変える
の、どちらかの対応をとらなければなりません。

↑右の3列も活用して、長めの時間を表示している例。
一方、3分以下といったような短い時間をセットした場合、「1分にランプ1個」などとケチなことをいわず、もっとたくさんのランプを使って「時間の動き・流れ」を表現したほうがいいとも考えられます。でも、お子さんによっては、「あくまで1分1ランプ」の対応が守られるほうがいいケースもあるでしょう。
こういった相矛盾するさまざまな点灯パターンの選択肢がありえますので、このタイマーではそれらについて「決め打ち」せず、ニーズに合わせて自由にカスタマイズできるようにした、というわけです。
実際に設定できる内容は、次のとおりです。(1)~(3)のオプションを、自由に組み合わせて設定できます。
(1)設定時間1分、2分、3分の場合の点灯パターン
a.3秒あたりランプ1個(初期設定)
b.1分あたりランプ1個
(2)設定時間4分~40分の場合の点灯パターン
a.左側5列だけを使う(初期設定)
b.8列すべてを使う
(3)設定時間45分~120分の場合の点灯パターン
a.8列すべてを使う(初期設定)
b.左側5列だけを使い、「2分または3分につきランプ1個」とする
さらに、点灯パターンについてはあと6種類の「特殊表示モード」があります。
(4)フルLEDモード
設定時間にかかわらず、「64個すべてのランプが点灯」からスタートし、設定時間ちょうどで全消灯となるモード。
(5)フルLED・リバースモード
設定時間にかかわらず、全消灯からスタートし、設定時間ちょうどで「64個すべてのランプが点灯」となるモード。
これら2つの特殊モードは、設定時間そのものの長さではなく、「全部消えたら」あるいは「全部ついたら」という視覚的な変化で「決められた時間」を伝えるほうが伝わりやすいようなお子さんのニーズを考慮して付け加えたものです。
特に「リバースモード」は、「時間は前に進んでいくもので、戻っていくものではない」ということを考えたとき、もしかすると実はランプは「消えていく」のではなく「点いていく」べきなのではないか、という個人的な問題意識から盛り込んでみたモードになっています。
さらにこれらのモード以外に、ソフトウェア開発の終盤に追加した、下記の4つの動作モードがあります。これらについては「オプション編」の次回の記事でご説明したいと思いますが、こちらのマニュアルにも掲載されていますので、今すぐ確認されたい方はこちらをご覧下さい。
(6)砂時計モード
(7)デジタルモード
(8)アナログタイマーモード
(9)トーテムポールモード
(次回に続きます。)
二男は特別支援学校の小学部2年生ですが、今このタイマを「LEDが全部無くなる前に、お着替えをしてかつ脱いだ服を片づける」という指導に使っていただいています。
#この学校では、体操服で在校中は過ごします。
LEDが無くなるまえにお片づけまでできたら、先生に「ぐるぐる」(横に抱えていただいてぐるぐる回ります)していただけるので、最近はとてもスムーズに着替えができるようになった、とのことでした。
助かってます。そらパパさん、ありがとうございます。
コメントありがとうございます&電子タイマー活用いただいてありがとうございます。
我が家でも、食事の前に「1分間待ってからいただきますをする」というのをやっているのですが、そのときに実際にタイマーを使っています。
海外だと、ちょっと無理ですよね。
半田付けとか出来る環境ですが…。
コメントありがとうございます。
砂時計モードですが、モードごとのタイマーをお配りしているのではなく、1つのタイマーで設定変更によりすべてのモードを自由に選んで使えるようになっています。(ですので、あるときは通常のタイマーとして、あるときは砂時計モードでといった使い方ももちろんできます。)
海外発送ですが、基本的にはお受けしていないのですが、Mママさんのほうで日本と荷物のやりとりなどはありませんか?
以前にも、海外の方からの依頼で、日本にいらっしゃるその方の友人宛にまず私がお送りして、あとは友人との間で海外発送していただいたり、日本にいる親元にお送りして、里帰りのときに受け取られる、といったことは何度かありました。
(あと、electric partsと書いて送ると、税関で開けられてしまうかもしれませんね。)
すみません、お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。