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未来に向けた人・組織の新成長モデル
日経BPというところで分かるとおり、基本的には優れた経営者の仕事のやりかたを追いかけるシリーズ記事なのですが、ちょっとした新書に匹敵するくらいのボリュームがあり、思わず引き込まれます。
このブログのトピックである自閉症に関連する記事もありますので、抜粋してご紹介します。
第4回 「総合的な人間活動」としての良い経営とは何か
YKK六甲 代表取締役社長 江口敬一氏
次男がダウン症であることをきっかけに障害問題と向き合うようになった江口氏が、「父親として何ができるか」という問いに対する答えとしてトップに直訴して特例子会社を設立、みずから経営者となって会社を軌道に乗せ、一人でも多くの障害者を雇用するために奮闘する姿を追った記事です。
※特例子会社・・・障害者の雇用を目的として設立される子会社で、条件を満たし厚生労働省より承認されると各種助成金などの優遇措置が受けられるもの。
(引用)この記事の魅力は、単に美談ということで語られておらず、顧客満足を高め、利益を追求し、不況を乗り越えるといった、資本主義社会におけるプロの経営者としての姿が描かれている点です。
YKK六甲の経営方針に「障害のある人の雇用と企業経営の両立」ということがある。単年度黒字達成の後、2004年には一人でも多くの障害者の採用にということで踏み込んだ。つまり、2人目の知的障害者の採用を行ったのである。(中略)T氏をYKK六甲の一般就労者として採用することにした。T氏は障害の重い自閉症である。
「利益を出せる特例子会社」というチャレンジが、いかに大変なものであるかを実感する素晴らしい記事だと思います。
あともう1つの記事を。
第5回 小さな挑戦を繰り返して起死回生を果たした「旭山動物園」
いまやすっかり有名になった北海道旭川市の人気動物園「旭山動物園」の魅力と、それを実現するための飼育員たちのたゆまぬ努力が緻密に描かれた記事です。最後に掲載された園長のインタビューも異彩を放っていて面白いです。
この記事の中にこんな話題がありました。
高橋さんによると動物が“常同行動”をしたら、それは問題らしい。
“常同行動”とは、動物が同じところを機械仕掛けのように行ったり来たりすることだそうだ。そのときの歩幅はほとんど同じとのこと。他の動物園でよく見かけるもので前から気になっていた。そうなってはおしまいと、飼育担当は、動物が何に興味を持つのかを絶えず観察しなければならない。(中略)
“常同行動”を防ぐために飼育担当はありとあらゆる工夫をする。(中略)暇をもてあますと、ストレスがたまり自分や他のサルの毛をむしってしまう。(中略)飼育担当者とサルの知恵比べの戦いには終わりはない。
なるほど、普通の動物園でよく見る、動物が同じルートをぐるぐる回っているのは、「常同行動」なんですね。これを避けるために奮闘する飼育員の姿に、ほんの少し、娘の療育にチャレンジしている自分自身を重ね合わせてしまいました。
他にも、面白い記事がたくさんあります。
ご興味があれば、ぜひご覧になってください。