事実上、3日かけずにおしっこをオムツからおまるに移行させることができました。
これまで、オムツはずしについては、例えば1日1回トイレに座らせるなど、最低限の「練習」はしていましたが、特におしっこをしてくれるわけでもなく、まだちょっと時期尚早だなと感じていて、それほど力を入れてトレーニングをしていたわけではありませんでした。
が、今回は、本気でやってみようと思っていました。
また、今回は、けっこう高い確率で成功するんじゃないか、とも思っていました。
それは、今までとは状況がかなり違っていたからです。
というのは、これも妻のブログにあるとおり、年が明けたあたりから、娘の1日のおしっこの回数が激減してきて、逆に1回の量はおむつで防げないほど大量になってきたのです。おしっこの前に異様な姿勢を取ったり、した後に機嫌が悪くなったりと、どうもおしっこをした後のオムツの感触が嫌いになったようでした。
そして、ついに1日に1回もしなくなってしまいました。
念のために病院で尿検査などしてもらいましたが、特に異常はなく、いよいよ、ぬれたオムツが大嫌いで、そのためにおしっこをがまんしている可能性が高まってきました。
ここで、この状況をABAのABC分析で整理してみます。
先行条件(A)・・・おしっこがしたい
行動(B)・・・・・・・オムツにおしっこをする
結果(C)・・・・・・・尿意が消える/オムツがぬれて気持ち悪い
通常は、おしっこがしたい(A)時におしっこをする(B)と、尿意が消えてスッキリ(C)、という形で、おしっこをすることが強化されるのが普通です。
ところが、娘の場合は、「オムツがぬれて気持ち悪い」という結果が、ABAでいうところの嫌子(罰)となって、「スッキリ」という好子(ごほうび)の力を上回り、「オムツにおしっこをする」という行動をしなくなってしまった(弱化)と考えられます。
となると、この状態でおまるでおしっこをすることが1回でもできれば、
先行条件(A)・・・おしっこがしたい
行動(B)・・・・・・・おまるにおしっこをする
結果(C)・・・・・・・おしっこはなくなる/オムツもぬれない
となり、おまるにおしっこをする行動は大きく強化されると考えられます。
さらに、これまでおまるやトイレでおしっこをする際の嫌子になっていたと考えられる「寒い」「冷たい」という要素を排除するために、思い切っておまるを普段生活しているリビングの中に(触れないように)置いて、おまるが冷たくならないようにしました。
これで、「おしっこをおまるにする」という行動が強化される一方で、「オムツにする」という行動は、これまでと変わらず弱化されていくので、一度この流れができてしまえば、後は雪崩を打つように、これまでの「オムツにする」という行動が「おまるにする」に置き換えられていくと考えられます。
そして、実際そうなりました。
今でも、朝目覚めるときにオムツに「おねしょ」してしまったり、パニックの最中にしてしまったりということはあるのですが、毎日定期的におまるに座らせると、まだおしっこがたまりきっていなくても出すようになりました。
これは、おまるに座ったら偶然出た、ということではなく、娘が意識的におまるに座ったときにおしっこをしていることを意味しており、大変大きな進歩だと思います。
これは、おまるでおしっこをする、という行動が、「我々がさせたい行動」というだけでなく、「娘がやりたい行動」になったことが大きいと思います。そうなったからこそ、最小限のトレーニングであっという間に学習できたのだと思います。
今回のことで、改めて、子どもをしっかり観察することの大切さ、さらには的確にABAのメソッドを使ったときの効果の大きさを実感しました。
後は、この習慣を定着させることと、うんちですね。うんちはまだ娘もオムツにすることを嫌がってないですので、なかなか大変そうです。
最後に、これまでも紹介していますが、ABA(行動療法)のやり方でトイレトレーニングをするための本を改めてご紹介しておきます。
一番左が最も踏み込んだ内容になっています。真ん中の本は自閉症の行動療法全般を取り扱った本(参考記事)ですが、トイレトレーニングとして一番右の「一日で・・」の内容が転載されています。一番右の「一日で・・・」は自閉症以外のお子さん向けの本ですが、評価が高く、絶版後は中古価格が新品価格を上回っています。
ご参考までに。
おむつがまだ外れなくてネットで調べていたらここにたどり着きました。
すごい参考になります。
自分がまだまだだなぁって思います。
息子に申し訳ないっていうか。
これからも見させてもらいますので、よろしくお願い致します。
コメントありがとうございます。
トイレトレーニングは、ほんとに「機が熟す」ということばがぴったりのトレーニングだと思います。
焦ってもだめですが、「今だ」と思ったときには果敢にチャレンジすることも大切ですね。
お子さんによっては、ほんとにじっくりと取り組まなければならない場合もあると思います。
かくいう我が家も、完全に大丈夫とはまだ言えません(体調を崩したときなどは危うくなります)。
よろしければあちこち覗いていただければと思います。
これからもよろしくお願いします。