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2009年08月26日 [ Wed ]

プルプル立体写真の作りかた&プルプル立体視の原理

3Dデジカメ、FinePix REAL 3D W1で撮った立体写真を、特殊な技術や道具なしで誰でも立体的に見える「プルプル立体写真」にしてブログなどに掲載する方法についてご紹介します。
また、後半では、認知心理学の1トピックスとして、プルプル立体視がなぜ立体的に見えるかについて、私なりの考察を書いておこうと思います。

療育とは直接関係ありませんが、お子さんの思い出を撮影するのにもぴったりな、ユニークなこの「3Dデジカメ」の活用方法として、ご興味のある方はおつきあいください。

oume2.gif
↑こんな画像が作れます。

画像変換には、フリーソフトの「ステレオフォトメーカー」(以下「SPM」と呼びます)を使います。(リンク先の「実行ファイル」と「フルセット」、両方をダウンロードして、フルセット版をインストールしたうえで、インストール先のフォルダに、実行ファイルを解凍して出てくるstphmkr.exeを上書きコピーします。)

REAL3Dで撮った立体写真は、「MPO」という拡張子のついたファイルになります(「JPG」ファイルは3Dではないので注意してください)。
このMPOファイルをSPMのアイコンにドラッグ&ドロップする(またはメニューの「ステレオ画像を開く」から開く)と、2枚の画像が表示されます。


↑開いたときの画像の表示のされかたはSPMの設定等により変わってきますので、とにかく開ければいいです。

この状態で「CTRLキー+F11キー」を押す(またはメニューから「ステレオ形式→片側画像表示→左右交互表示」を選択する)と、すぐにプルプル立体写真になります。


↑調整のない状態でプルプル立体写真にしたときのイメージ。

ただ、恐らくこれだと、写真全体が荒々しく動いて非常に見づらく、立体的にも見えにくいものになってしまっていると思います。これは、左右の画像のずれかた=「視差」が適切に設定されていないために起こる問題です
SPMでは、視差を簡単に調整できますので、さっそく調整してしまいましょう。
SPMのツールバーの、赤と青の市松模様のボタンを押します(または、メニューの「ステレオ形式→アナグリフ(グレー)表示→赤シアン」を選択)。


↑この「アナグリフボタン」を押すと・・・

すると、グレーと赤と青の3色でできた画像が表示されます。


↑このような形で左右の写真が合成されます。

これは「アナグリフ」と呼ばれる立体画像(3Dメガネを使うと立体視できます)ですが、ここでは視差調整用の参考として使います。

写真に写っている個々の被写体に注目してください。グレーの部分と、赤と青の領域があります。この「赤や青の領域」が2枚の写真の「視差」であり、プルプル立体写真にしたときに「プルプルする動きのもと」になります。この赤青の領域が大きくずれていると激しくプルプルしますし、赤青の領域がない(全部グレーの)被写体は、プルプルせず止まって見えます

この状態で、キーボードのカーソルキーの左右(「←」キーと「→」キー)を何度か押してみてください。視差、つまり赤・青の領域が広がったり狭まったりするのが分かると思います。この操作によって写真に写った被写体の視差を調整します。

調整のポイントは、全体的に視差を小さくし、かつ、メインとなる被写体の視差を最小にするということです。
例えば風景を背景にして人物を写した写真の場合、メインになるのはその人物ですから、カーソルキーを操作して、その人物の視差が限りなくゼロになる(赤青領域がほとんどなくなる)ポイントを見つけてください。


↑視差調整後の状態。全体的に視差が小さく(赤青の領域が少なく)なり、メインの被写体である滑り台の視差は限りなくゼロに近づいています。

調整が終わったら、改めて「CTRLキー+F11」を押してプルプル立体写真にします。調整のおかげで、見やすく立体的に見えるプルプル立体写真になったと思います。同時に表示される「切替時間設定」のダイアログは、画像を切り替えるスピードの設定です。入れる数字は、10〜15くらいがよさそうです。


↑視差調整後のプルプル立体写真のイメージ。ずっと見やすく自然になりました。

それでは、今度はこのプルプル立体写真を、ブログなどにも貼れる画像ファイルとして保存しましょう。
まず、原画像そのままでは、アニメーションさせるにはサイズが大きすぎる(ちらついて目が疲れる)ので、画像サイズを小さくします。
ツールバーの「元画像サイズ変更」ボタンを押して(またはメニューから「編集→サイズ変更」を選択)、「サイズ変更」ダイアログのX欄に、画像の横ドット数を指定します。Xは最大でも800くらいがいいと思います。(私がブログに貼っている写真は横ドット数420です)


↑画像サイズの変更画面です。

次に、メニューから「ファイル→左右画像をアニメーション保存」を選択し、ファイル名を指定して保存すると、プルプル立体写真として保存されます。
なお、保存形式は、256色のGIF形式になりますので、フルカラーの写真は減色されてやや色あせます。

保存した写真は、アニメーションGIFに対応した画像ブラウザやインターネットエクスプローラなどで開くと、プルプルして見えます。
また、ブログ等にアップロードすると、特段何の設定もしなくても、プルプル立体写真として表示されます。

※もしネット上のプルプル立体写真が動いて見えないときは、コントロールパネルの「インターネットオプション」の「詳細設定」タブの中の「マルチメディア→Webページのアニメーションを再生する」にチェックを入れてみてください。


※プルプル立体視の原理

同じ3Dカメラで撮影した画像による立体視でも、よくあるアナグリフや裸眼立体視とプルプル立体視では、立体的に見える原理が多少異なると考えられます。

私たちの両目は左右に6〜7センチ程度離れており、そのため、私たちが外界を見るとき、それぞれの目に映る映像は、わずかにずれます。この見えの「ずれ」のことを「両眼視差」と呼びます。
一般的な立体写真(アナグリフや裸眼立体視)では、左目用・右目用に「両眼視差」を考慮した画像をそれぞれ用意し、その2つの画像を各々の目で見ることによって、立体感を感じさせる仕組みになっています。つまり、一般的な立体写真=両眼視差による奥行き知覚を利用した立体視、ということになるわけです。


↑両眼視差を活用した立体写真の例(裸眼立体視平行法)

これに対し、プルプル立体視の場合、ある瞬間に見ている画像は左右の目で常に一緒ですから、両眼視差は発生しません。
にもかかわらず、うまく処理したプルプル立体視がかなり立体的に見えるのは、両眼視差ではない別の奥行き手がかりである「運動視差」と「重なり」が生じているためだと考えられます。
運動視差(motion parallax)
 観察者が視点を移動させたときに、視界のなかの対象物の位置の相互関係が規則的に変化して見えること。
 視点を移動させたとき、視界のなかで、近くのものは大きく、遠くのものは小さく移動する。また、特定の対象物を注視しながら視点を移動すると、対象物よりも近くのものは移動方向と反対に、遠くのものは同じ方向に移動する。この「運動視差」によって、奥行きを知覚することができる。

重なりによる手がかり
 遠くのものは近くのものによって隠される。この関係についての情報が多く得られれば、それだけ豊かな奥行き知覚が得られる。

私たちは周囲のものを観察するとき、無意識のうちに視線や身体を微妙に動かして、奥行きについての情報を含む、より多くの視覚情報を得ています。
それに対して、普通の2D写真は視線が完全に固定されていますから、それだけ奥行きについての情報は乏しくなります。

ここで、実際にヒトが周囲を観察するときと同様に、「微妙な視点移動によるより多くの視覚情報=運動視差や重なりについての追加的視覚情報」を提示してやれば、私たちの脳の情報処理システムは立体感を知覚することができるようになります。これが、「プルプル立体視」が立体的に見える原理だと考えられます。

さて、そうすると、プルプル立体写真を制作するとき・鑑賞するときのコツというものも見えてきます。

(1)制作するときは、「注目対象となる被写体」を明確にし、その被写体の視差をゼロにする。
 プルプル立体視が成立する背景には、「特定の対象物を観察するときの視線・身体の微妙な動きのシミュレーション」があると考えられますから、プルプル立体写真を作るときは、必ず特定の被写体を「中心」にして、その被写体は可能な限り静止して、その周囲だけがプルプルするように調整する必要があります。
 すべての被写体が動いてしまうと、それはビデオカメラのブレの無限ループのようになり、安定した立体感は生まれてきにくくなるでしょう。

(2)鑑賞するときは、片目を閉じたほうがいい場合がある。
 私たちが奥行きを知覚するメカニズムのうち、「両眼視差」は非常に強力なものですので、プルプル立体視を両目で見ると、「運動視差」や「重なり情報」による奥行き知覚を、「両眼視差がない」という別の情報で脳が相殺してしまう可能性があります。(奥行き知覚闘争が起こるわけです)
 ですので、プルプル立体視を見るときは、両眼視差(がないという)情報をブロックするために、片目で見たほうが立体感が増す可能性があると考えられます。

これ以外には、「プルプルさせる方向をできるだけ水平にする(ななめの軸で回転しているようにしない)」といったことも、プルプル立体視を立体的に見せるコツだと思います。



posted by そらパパ at 21:54 はてなブックマーク | コメント(5) | トラックバック(0) | 雑記
この記事へのコメント
平行法による立体視のブログを最近立ち上げました。

このフリーソフトすごいですね。
今度チャレンジしてみたいと思います。
Posted by Minira9jp at 2009年10月12日 10:23
Minira9jpさん、

コメントありがとうございます。
紹介させていただいている「ステレオフォトメーカー」は、この世界(?)では有名なフリーソフトで、REAL3D W1のMPOフォーマットにも発売前から対応していたというすごいソフトです。

MPOファイルをドラッグ&ドロップするだけで使えますから、操作も簡単ですよ。
Posted by そらパパ at 2009年10月12日 19:51
昔の3D写真をプルプル立体視化したエントリが話題になっています。

http://japan.digitaldj-network.com/archives/51553422.html

面白いですねー。(^^)
Posted by そらパパ at 2010年03月10日 20:01
こちらに書かれているとおりにしたら私のHPにもプルプル立体写真を載せることができました!

http://www.biwa.ne.jp/~agisai/

解りやすい説明ありがとうございます!
(リンクもさせてもらいました)
Posted by 田辺 at 2010年04月10日 23:30
田辺さん、

はじめまして。
この記事がお役に立てて、幸いです。
Posted by そらパパ at 2010年04月11日 21:56


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