2006年02月01日

我が家のみかんカード

最近、ちょっと療育論的な話が多くなっているので、我が家で実践している療育の一例として、これまでに何度か触れている、PECS(絵カード交換コミュニケーション法)もどきの「みかんカード」の作り方、使い方をご紹介したいと思います。

mikan_1.jpg
我が家で実際に使っているみかんカード

これがそのままどこのご家庭でも使えるというわけではないと思いますが、カード作りという意味も含め、参考になれば幸いです。

カード作りに使ったものは、デジカメ、カラープリンタ、ラミネーター、ラミネートフィルム、マグネットシートです。

まず、デジカメでみかんの写真を撮ります。余計な背景を入れないように、白い紙の上などで撮影します。
次に、PCで加工後、プリンタで印刷します。我が家では、現在はL判写真サイズにしています。(かなり大きめ?)
気休めにしかならないかもしれませんが、写真のそばに「みかん」と文字も書いてあります。

次に、ラミネーターを使って印刷した写真をラミネート加工します。

葉書サイズ対応ラミネータ TLH-110 
ラミネータ TLH-110
¥4000程度

写真L判100枚 ラミネータフィルム 100ミクロン
ラミネータフィルム 写真L判100枚
¥400程度

ラミネート加工に必要なものは、ラミネーター本体とラミネータフィルムです。
ラミネーターは、ハガキサイズまたはA6サイズ対応と表記されたものであれば、カード作成用としては十分です。ただし、厚手のカードを作ったり、印刷した写真を2枚つかって両面写真カードを作ったりするためには、厚さ150ミクロンまで対応のものを選ぶのがコツです。
上でご紹介したラミネーターは、私が使っているものとは少し違いますが、楽天で150ミクロン対応ラミネーター中、最安値だったものです。

印刷した写真をラミネータフィルムではさみ、ラミネーターに通すと、写真をパウチ加工できます。

次に、100円ショップなどで売っているマグネットシート(柔らかいプラスチックシート状のマグネット)を、カードの裏に両面テープで貼り付けます。これでできあがりです。

mikan_2.jpg
カードの裏側です。黒いのが両面テープで貼り付けたマグネットシートです。

そして、私たちが「みかんをあげてもいい」と思っている時間帯だけ、このカードをみかんの入っている冷蔵庫の野菜室の引き出しにマグネットでくっつけておきます。
mikan_3.jpg

みかんが欲しくなった娘は、クレーンで冷蔵庫に私たちを連れて行きます。
そのまま放っておくと連れてきた手を冷蔵庫に投げ込んで(クレーン動作)終わりなのですが、ここで、冷蔵庫に貼ってあるカードをはがして渡す動きを娘にやらせて(手助けをして)、即座に「みかん」と言ってみかんを手渡します。
これを毎日繰り返しました。

すると、一週間程度で、冷蔵庫まで連れてくるのは一緒ですが、最後は手を投げ込むのをやめて、カードを自分ではがして私たちに手渡すようになりました。

娘はみかんを何個も欲しがるので、「これ以上あげたくない」と思ったときは、みかんを渡しながら、娘から受け取ったみかんカードをそっと隠します。
次に冷蔵庫の前にきたときはみかんカードがなくなっているので、もうみかんはもらえないということが分かります。もちろんまだまだ泣きますが、みかんを要求して、もらえる時ともらえない時が視覚的に分かるしかけになっているので、カードを使う前と比べると、少しは「見通し」を立てやすい状態になっているのではないかと思っています。

1つのポイントとしては、現在、娘にとって、みかんに関しては100%みかんカードのやりとりがなければ手に入らない状態になっているということです。タイミングによって、みかんをもらうのにカードが必要だったりいらなかったりすると混乱のもとですし、学習効果が著しく阻害されると考えられます。
posted by そらパパ at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 実践プログラム | 更新情報をチェックする
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