はじめに読む自閉症の本
著:榊原 洋一
ナツメ社
第1章 自閉症の子どもとともに生きる
第2章 子どもの個性と向き合う
第3章 子どもの潜在能力を活かす
第4章 子どもの自立を支える
第5章 よりよい社会生活を送るために
発達障害に関連する著作を数多く出している榊原氏の書いた(まあ、この手の入門書は、実際には限りなく「監修」に近いのだと思いますが)、自閉症についての手堅い入門書です。
(今回「立ち読み」レビューになっているのは、内容が明確に初心者むけで、さすがに私が読んでも新たに得るものがなさそうだということと、後述の、同じ著者・同じ出版社の入門書を既に持っているというのが理由です。)
実は、同じ著者、同じ出版社で、「図解 よくわかる自閉症」という本が既に出ています。当然ながら、書いてある内容にはそれほど違いはありませんが、あえて違いを見つけるとするなら、
・今回の本のほうがより初心者向け
・今回の本には、具体的な療育テクニックなどはあまり書かれていない。あくまで紹介のみ
ただし、ABA、TEACCH、絵カードという「現代の3大療育法」が網羅されていて、まとめ方はうまいです。
・こちらの本のほうがサイズが小さく軽い
・どちらもイラスト豊富だが、「図解」のほうは「イラスト中心」なのに対して、こちらは「文章中心」
・文章中心なので、ボリューム的にはむしろ「図解」よりもこちらのほうが多いかも
・社会とのかかわりについての記述が多めで、割と「中度~高機能以上の自閉症児むけ」の内容が多いイメージ
といったところでしょうか。
この中で、個人的には(ちょっと意外かもしれませんが)「サイズが小さく軽い」点を高く評価したいと思います。
本書のサイズは「四六版」と呼ばれる、新書より一回り大きい(単行本としては最小の)サイズ(19cm×13cm程度)で、手軽に携帯でき、片手で楽々と保持できる軽さです。
ですから、この本はカバンに入れておいて、通勤電車のなかで気軽に読むことができると思います。
私自身、読書の95%は通勤電車の移動中なので、あまり大きかったり重かったりする本は読むのが難しくなります。
なぜかこれまで、「自閉症についてのわかりやすい入門書」は、どれもサイズが巨大だったり、紙厚が厚手で重かったりで、家で読むのは良くても電車で読むのは難しいものが多かったのです。(新書の「発達障害の子どもたち」はいい本ですが、これは自閉症だけを話題にしているわけではないですし、知的な障害の軽い子どもの話題が中心です。)
そんな中、本書はタイトルどおり「はじめて読む入門書」として必要十分かつ信頼に足る内容が含まれていて、かつサイズ的に通勤電車で読みやすい本になっています。
本書をとおして読めば、自閉症とはどんな障害で、子どもにどのように接したらいいか、各種支援はどのように受ければいいか、社会とのかかわりをどう作っていけばいいか、そういう重要な「全体の見通し」が、ひととおり、すっきり見えてくるようになると思います。
子どもが自閉症だと知り、自閉症について勉強しておきたいが、ふだん本を読む時間がない(でも通勤時間になら何とかなる)サラリーマンのお父さんが最初に手に取る本としては、なかなかいい条件を満たしているんじゃないかな、と思います。
※その他のブックレビューはこちら。
発達障害児の3歳の男の子の母親です。
息子のために何かしてあげたい。
息子のことを知りたい、とネットでいろいろ見ていたら、こちらにたどり着きました。
まだ何も知識もない手探り状態なので、
先輩の親御さんのご意見や知識を拝見することができてとても感謝しています。
発達障害について私の周りの人にも知ってほしいので、育児ブログにこちらをリンクさせていただきたいと思い御挨拶のコメントしました。
リンクフリーとありましたが、私もブログは日が浅く、ネットの常識に疎いので。
このコメントがもし場違いでご迷惑なら、削除をおねがいいたします。
コメントありがとうございます。
当ブログでは、自閉症やその療育についての話題を幅広く取り扱っていますので、よろしければあちこちご覧になっていただければと思います。
初めてお越しいただいた方には、ブックレビューなどを活用されている方が多いように思います。
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/13520995.html
リンクについては、既に書かれているとおり、まったくリンクフリーですのでご自由にどうぞ。
コメントも、お気軽に書いていただければと思います。
これからもよろしくお願いします!