※2013年4月14日追記:本電子タイマーのキットですが、既に最後の在庫まで申込みをいただいています。ただ、キャンセルが発生する可能性がありますので、「キャンセル待ち」のご連絡をいただければ、最後の1台をお送りできるかもしれません。すべて売り切れました。
既にシリーズ記事でご案内しているとおり、当ブログでは、64個のLED(発光ダイオード)とPICマイコンを使った、自閉症児の時間の構造化・視覚支援に役立つ電子式の多機能タイマー、「そらまめ式電子タイマー・マルチランプ64」を開発しました。
そして、ご希望の方に、この電子タイマーを自作できる「製作キット」を頒布しております。
これまで、制作キットの頒布について、最終的なランニングテストを兼ねた「ベータ頒布」と位置づけてきましたが、この記事の公開をもって、製作キットの頒布を「正式リリース」に切り替えさせていただくこととします。
※現在既にお申込み受付中・手続き中の方は、原則として「ベータ頒布」の条件にて取扱いさせていただきますが、正式リリース扱いをご希望の方はお申し出ください。
※正式頒布への移行とあわせ、PICマイコンのプログラムが、ベータ頒布時の「バージョン2.55」から「バージョン2.61」にバージョンアップし、「一時停止機能」が追加されました。詳しくは本記事の「7.ベータ頒布関連」を参照ください。
【そらまめ式電子タイマー ・マルチランプ64 製作キット頒布 実施要領】
1.電子タイマーの概要
電子タイマーの外観、主要機能等の概要については、下記の動画をご覧ください。
ただし、この紹介動画の内容はやや古くなっていて、現在はこの動画以上の機能が盛り込まれています。機能の詳細については、下記の「操作マニュアル」をご覧ください。
また、ご利用いただいた方の感想については、ベータ頒布時の記事のコメントとして、たくさんのご報告をいただいています。あわせて参照ください。
2.お申込方法
製作キットをご希望の方は、まずは私宛(

なお、恐れ入りますが発送は日本国内に限らせていただきます。
(1)あて先の郵便番号、住所、氏名
(2)頒布代金のお支払い方法(Amazonギフト券または銀行振込)
(3)お申込みの品物リスト ※電子タイマー以外のパーツ等を追加でご希望の方は明記願います。
3.キット頒布代金
製作に必要なパーツ一式を、タイマーのケースとしても使えるタッパーに入れた「製作キット」は、頒布代金として1900円を申し受けます。
それ以外に、梱包・配送手数料として500円を申し受けますので、製作キット1セットのみを注文する場合の代金は、総額で2400円ということになります。
製作キットを複数注文したり、一部のパーツや工具類についても注文いただくことが可能です。その場合の代金の計算は、下記を参照ください。
製作キット
電子タイマー製作キット :1900円売切れ
追加キット(詳しくはこちら)
薄型化キット :300円売切れ
閉じたまま操作キット :300円売切れ
閉じたまま&薄型化キット :400円売切れ
キットに含まれない電池・工具等
006Pマンガン電池 :100円売切れ
はんだ吸い取り線 約30cm:100円 在庫あり
ソルダーアシスト(フォーク):300円 在庫あり
キットに含まれるパーツの追加購入
PICマイコン(プログラム済) :600円売切れ
マトリックスLED :500円売切れ
マトリックスLED用アクリルカバー:200円 在庫あり
圧電ブザー :200円売切れ
スズメッキ線 約1.4m :200円売切れ
※製作キットには、上記パーツはすべて1セットずつ含まれています。「追加で必要な方だけ」上記追加パーツをお求めください。
※その他のパーツは入手容易な汎用品がほとんどですが、必要であればご相談に乗ります。
梱包・発送費
1回の発送につき500円
ただし、製作キット複数注文の場合に限り、2点め以降1点追加ごとに100円を追加
(例えば、製作キット3点注文の場合、梱包・発送費は500円+100円×2=700円となります)
※上記はすべて税込です。
※原則として定形外郵便にて発送します。簡易包装にてお送りしますので、送付の際のケースの若干のコスレや汚れ、性能に影響しないキズ等についてはご容赦願います。
4.代金のお支払について
お支払い方法は、Amazonギフト券(手数料なし)または銀行振込(手数料あり)のいずれかとなります。
(1)Amazonギフト券
こちらのリンクからAmazonギフト券を購入し、私のメールアドレス(

Amazonギフト券をご利用の場合、お支払いのための手数料はかかりません。
(2)銀行振込
銀行振込ご希望の方には振込先口座をメールにてお知らせしますので、そちらに代金を振り込んでください。
なお、銀行振込の際には手数料がかかります。手数料についてはご負担願います。
5.製作リソース
製作の際に必要となるであろう各種資料等のリソースです。閲覧、印刷には、Adobe Readerが必要です。(いくつかの資料は、ベータ頒布時の資料から改訂されています)

↑回路図・部品配置図・配線図
電子タイマーの回路図と、ユニバーサル基板にどのように部品を配置しどう配線すればいいかの実体図です。製作にあたっての最重要資料です。
※追加資料として、原寸大裏面配線図も用意しましたので、ご活用ください。
※2012年1月配布分より、キットに含まれる圧電ブザーの外観が変わります。詳しくはこちらをご覧ください。

↑製作マニュアル
タイマーの製作の手順やコツを掲載しています。もちろんこの手順に固執する必要はなく、作りやすい手順で製作いただければと思います。

↑操作マニュアル(version 2.61用)
完成後のタイマーの操作方法を掲載しています。このタイマーの機能の全体像が分かりますので、興味をお持ちの方は一度ご覧下さい。

↑ソースコードとバイナリファイル (version 2.61)
自分でPICマイコンに書き込むときに使います。製作キットではPICマイコンは書き込み済みですので、これを使うことはありません。
テクニカルノート v1.20
やや高度な技術系の話題を掲載しています。電源系などを改造したりする際はご覧ください。
これらの製作リソースについては、著作権を主張できるものについてはそれを留保させていただきます。また、これらを利用したことによる損害に対して、私は一切の責任を負わないものとさせていただきます。
6.製作キットについてのFAQ(ありそうな質問)
(1)製作キット以外に用意するものはありますか?
006P電池と、透明な両面テープは別途用意してください。ケースについては、キットをお送りする際のタッパーがそのまま使えますが、もっといいものを別途用意してもいいと思います。また、工具については、絶対に必要なのは、はんだごて、はんだ、ニッパー、ラジオペンチ、油性マーカー(赤と黒)です。それ以外にあったほうがいいのは、はんだ吸い取り線、はんだづけの際に配線を押さえて固定する工具(ソルダーアシストか小型のマイナスドライバー)、デジタルマルチメーター(テスター)などです。
工具のうち、はんだごては、電子工作用のワット数の小さいもの(20~30ワット程度)のもので、こての先端がとがっているものが使いやすいと思います。ニクロム線式、セラミック式、どちらでも大丈夫です。(セラミック式のほうが高級品です)
はんだは、電子工作用の針金状になっている安価なものを選べば、特に問題ないでしょう。無鉛はんだのほうが環境に優しいと言われますが、扱いやすいのは有鉛はんだです。
ニッパー・ラジオペンチは、100円ショップで売っている小型の安物で十分です。
ちなみに、下記の商品は、はんだごて(30Wニクロム線式)、こて台、はんだ、はんだ吸い取り線、ソルダーアシストが全部入っているので、現時点で工具をお持ちでない方には、ホームセンター等で揃えるよりもお買い得で便利だと思います。
電子工作用はんだこてセット X-2000E
太洋電機
(2)製作キットに説明書が入っていません!
製作マニュアルや配線図等は分量が多いため同梱していません。この記事の上記5.からダウンロードして使ってください。
(3)製作の難易度はどれくらいですか?
部品の取り付けは通常の電子工作キットよりも易しいレベル、裏面の配線はある程度はんだづけに慣れていないとやや厳しいレベルだと言えます。全体として、今までに市販の電子工作キットの製作経験があり、はんだづけ作業に抵抗がない方であれば製作可能な難易度でしょう。逆に、これまで一度もはんだごてを握ったことがない、電子工作がどんなものかよく分からない、という方には、ちょっと大変だとは思います。ただし、上の「製作マニュアル」は、そういった方も対象にして書かせていただいているつもりではあります。
(4)製作の作業時間はどれくらいですか?
電子工作に慣れている方で4時間程度、そうでない方で10時間以内といったところだと思われます。
ユニバーサル基板上に部品配置や配線をマーカーで書き込むのに30分~1時間、部品の配置には10分程度、残りの時間は裏面を中心とする配線作業になります。
一番時間がかかるのが裏面の配線なので、その部分のはんだづけ作業の効率次第で作業時間は大きく変わります。
(5)組み立てたのですが、動きません。
恐らく、どこかの配線が間違っているか、はんだづけ不良でしょう。まずはテスターを使って、PICマイコンの1番と20番ピンの間に5Vがかかっていることを確認してください。次に、配線図と見比べて配線に間違いがないかを確認し、すべてのはんだづけポイントをチェックしていってください。部品が焼けたりしていなければ、配線さえ正しくできれば動くはずです。
(6)一部のパーツを壊してしまいました。
メールにてご相談ください。部品代+送料で、壊れたパーツを再送します。ただし、秋葉原のパーツ屋等で買うのよりは割高になると思いますので、自分でパーツを探せる方は、そうしていただくほうがいいです。また、万一在庫が手元にない場合はご容赦ください。
(7)一部のパーツが最初から動作不良だったようです。
個人的に買い集めたパーツをお譲りしていますので、申し訳ないのですが、パーツの初期不良の無償交換等のサポートは難しいです。パーツの交換については、理由にかかわらず、上記(6)と同等の有償対応とさせてください。
(8)製作キットをたくさん譲ってください。
在庫のある限りにおいて、製作キットはいくつでもお申し込みいただけます。ただし、それほど在庫がたくさんあるわけではないことをご了承ください。
(9)私が製作屋さんになって、完成品を売ってみたいです。
ご相談ください。基本的には、私は製作キットをお配りするだけですので、それを製作して転売されても、特に問題はありません。
ただし、その「完成品」についてのサポートは、製作された方の責任において行なっていただくことになりますので、その点はご確認ください。
(10)キットのベータ頒布は終わったのですか?
終わりました。現在はこの記事にある条件にてお譲りしています。
(11)上記以外の質問があります。
お気軽にメール(

7.ベータ頒布関連
最後に、今回の正式頒布以前に、「ベータ頒布」にてキットをお申込みいただいた方への情報です。
(1)ベータ頒布キットからのバージョンアップについて
ベータ頒布させていただいた製作キットでは、PICマイコンのプログラム・バージョンは「2.55」となっておりました。
バージョン2.55には、現時点で重大なバグ(動作不具合)等は見つかっていませんが、今回の正式頒布では、PICマイコンのプログラムは「バージョン2.61」(2009年6月現在)にバージョンアップされており、以下の機能が追加されています。
・タイマー作動中にタクトスイッチを押すと一時停止する「一時停止機能」
追加機能の詳細については、上記「5.製作リソース」にある「操作マニュアル」もあわせてご覧ください。
(2)ベータ頒布をご利用いただいた方への特典
ベータ頒布でお申込みいただいた方には、最新のプログラムが書き込まれたPICマイコンを1個500円・発送費無料でご希望の方にお送りします。
現在、ICソケットに差し込まれているPICマイコンを引き抜き、新しいPICマイコンと差し替えることで、バージョンアップが可能です。
ご希望の方は、私宛のメールにてお申込みください。
なお、この特典はベータ頒布分1台につき1個・1回のみ権利行使できるものとします。
療育への活用ということももちろんですが、「趣味の電子工作」としても、チャレンジしがいのある面白いものになっていると思います。
はんだごてをにぎった経験のある方には、ぜひ挑戦していただければと思います。
また、PICマイコンへの書き込み環境をお持ちの方は、タイマープログラムを改造したり、ゲームなどの別のプログラムを書き込んでまったく違う使いかたをすることもできるはずです。(ただし、使っているPICマイコンが20ピンの比較的新しいものですので、書き込み機の対応状況についてはご確認ください。)
※2009/6/5追記:タイマーに名前をつけました。
2010/6/13追記:kingstone pageさんでご紹介いただきました。
いよいよ正式頒布ですね。本当にお疲れ様でした。
番外編的なモニターレポートですが・・・。
三男の通園している特別支援幼稚園(通所療育施設)にモニタをお願いしてベータ版を貸し出していますが、先日お伺いした際、「あのタイマー、保育所の保育士さんがもっていっちゃったんですよ!」とのこと。なんでも、運営元が同じ、「健常児さんの」保育所の保育士さんがいらっしゃったときに、このタイマーを見て、「これいい!障害児さんだけじゃもったいない。健常児さんにも使える!ちょっと貸してください。」と言われたそうです。
そうなんだよなぁ、とちょっと感慨深く感じました。構造化って、みんなにとって、わかりやすいんですよね。
話は変わって、そろそろこのタイマーに、名前をつけませんか?「そらまめタイマー1号」?
コメントありがとうございます。
また、今回の電子タイマーのリリースには、ベータ頒布の段階から全面的にご協力いただき、盛り上げていただいて、本当にありがとうございました。
今回、ベータ頒布でたくさんの声を聞かせていただいて、私がばくぜんと考えていた、「電子タイマーを作るんだったら、ランプは5個とか10個じゃなくて、何十個も使わないと、分かりやすいタイマーにはならないんじゃないかなあ」ということが、ある程度実証されたのかな、と感じています。
確かに、こういうタイマーが数千円程度で市販されていれば、健常のお子さんが最初に時間の感覚を身に付けるときにも役立つのかもしれませんから、どこかのメーカーが、そこまでをターゲットにして(つまり「知育玩具」という位置づけで)大量生産してくれたら、私もこんなキットを作らなくてよくなりますね。(笑)
それと、名前については、考えてなかったですね。
でも、確かに「PICタイマー」だったり「電子タイマー」だったりと、呼び方が多少混乱しているので、名前をつけるのはいいアイデアだと思いました。
・・・で、少し考えてみて、「そらまめ式・マルチランプタイマー64」という名前を思いつきました。
上にも書いたように、このタイマーのポイントは、「(普通より)ランプがたくさん使われている電子タイマー」だというところにあると考えているので、それをストレートに名前に反映させるのがいいかな、と考えました。「64」というのは、マトリックスLEDのLED数です。
ちょっと説明的ですけど、基本的に私は説明的なネーミングが好きなので(笑)。
私の環境は、PICライタは「ハーフマット」の自作RCDライタ(http://feng3.cool.ne.jp/rcd/)のキットを680円で購入して使いました。PICのプログラムソフトはフリーソフトのPICProg4u(http://feng3.cool.ne.jp/4u/index.html)を使いました。但しこの環境ですと書込み時にエラーが出てEPROMが書込めない事があるのですが、何度か書込みをすれば大丈夫だったのでそれでカバーしました。
(EPROMまでちゃんと書込めていないと起動して直ぐにバージョンを表す様な表示になり、以降動かなくなります。)
部品は地元の大阪日本橋で購入しました。
PIC 16F689が入手出来なかったので、16F690で代用しました。16F690を使う時は「そらパパ」さんが公開されているソースの始めの方に16F689とありますので、その部分を16F690に変更してMPLABでコンパイルする必要があるようです。
何度も「そらパパ」さんにはご迷惑をお掛けしましたが、何とか無事に自作する事ができました。大切に使わせて頂きます。ありがとうございました。
ご報告ありがとうございました。
タイマー、動作したということで、当方としても嬉しく思います。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
私は工業高校に通う3年生です。もうすぐ卒業です。
私は高校生活最後の一年間で実習の一部として課題研究という授業に取り組んできました。
それぞれが個人またはグループで好きな研究テーマに一年間取り組んでいくという授業です。
私たちのグループは学校の近くにある特別支援学校の小等部へ向けてなにか「ものづくり」をすることに決めました。
簡単に「ものづくり」といいましても、一体何を作ったら喜んでもらえるのか、生徒たちには何が必要なのか、どんなものを作ったらいいのか、私たちは計画の段階でとても悩んでいました。
私たちには特別支援学校と触れ合う機会がなく、何もわからないんだと思い知らされました。とても悔しかったです。
そんなとき、そらパパさんのこのページを見つけました。
これだ!
そう思い、作らせて頂きました。
各教室に置けるように、この電子タイマーを参考にさせていただき、マトリックスLEDの表示器を用いてLEDを接続するなどして拡大し、最終的に壁掛けの時計ほどの大きさまで大きくする事ができました。
特別支援学校にはグループ全員で直接作品を持っていきました。
職員の方々がとても喜んでくださり、また生徒達も嬉しそうな顔をしてくれました。
そらパパさんの電子タイマーを見つけていなかったら、この笑顔が見れなかったと思います。
ものづくりを通して、もっと福祉の方にも目を向けていきたいなと改めて思いました。
本当にありがとうございました。
これからも応援しています。
コメントありがとうございます。
また、こちらの電子タイマーの記事がお役に立ったということで、嬉しく思います。
私は電子工作はまったくの素人なので(笑)、この電子タイマーを大きくすることを試してみて失敗しているのですが(^^;)、大きなタイマーを製作することができたというお話をきいて、また改めて挑戦してみようかな、とも思ったりもしました。
ともあれ、ご報告ありがとうございました。
これからも、障害や福祉の世界に関心を持ち続けていただけたら、とても嬉しく思います。