3.絵カードを作る(続き)
(4)画像と文字の印刷
前回、(3)で解説した手順で、テキストとイメージを必要なだけ入力します。
ちなみに、「実際に何の絵カードを作ればいいのか?」という疑問については、順番が逆になってしまいますが、今後の記事で解説することになります。とりあえず試験的に作ってみる場合は、子どもの好物の絵カード(おやつとかジュースとか)を数枚、作ってみるのがいいと思います。(そらまめ式絵カード療育法では、基本的に絵カードは子どもからの要求を表現するために使います。)
テキストとイメージの入力が終わったら、ウインドウ左の「印刷」タブをクリックして印刷モードに入り、プリンタで印刷します。

↑今回のテンプレートで印刷した絵カード原紙の例
今回ご紹介したテンプレートを使った場合、薄い灰色で切り取り用の枠線(約55ミリ角です)が印刷されるように設定してありますので、印刷された絵カードをその枠線に沿って切り取ります。
きれいに切り取ると、ちょうど名刺サイズのラミネートフィルムにはさめる大きさになっているはずですので、カードをラミネートフィルムの奥まで差し込んで、ラミネーターに通してフィルムを固着します。

↑ラミネートフィルムにはさんで・・・

↑ラミネーターを通して圧着します。
名刺の長辺側の余ったベロの部分は、はさみで角が丸くなるように切り落とします。

↑当然、ベロが残りますので、

↑ハサミで角が丸くなるようにベロを切り落とします。
(5)仕上げ
ここまでで、絵カードのベースはできあがりました。
ただ、このままでは壁面や盤面に固定できませんので、最後に、カードの裏に固定用のアタッチメントを貼り付けます。
貼り付けるアタッチメントは、その絵カードをどんな場所に貼り付けるかによって違ってきます。
(どこに貼り付けのがいいのかについても、今後の記事で説明します。簡単にいえば、「絵カードが示すアイテムがある場所の近く」に貼りつけることになります。)
a.冷蔵庫などの金属面に固定する場合
この場合、裏面にマグネットシートを貼り付けるのが一番便利です。
100円ショップや文具店などで売っているマグネットシートを2~3センチ角に切り、絵カードの裏に貼り付けます(粘着シートつきのものを使うか、両面テープを使って貼り付けます)。
b.バインダーや掲示板などの非金属面に固定する場合
この場合、絵カードと「貼り付ける側=バインダーや掲示板」の両方にマジックテープのオス・メスをそれぞれ張りつける必要があります。
マジックテープは、100円ショップ(手芸用品コーナー)や手芸用品店、ホームセンター(メートル売りしています)で手に入ります。最初から裏面に強力な両面テープがついていて、台紙からはがすだけで張りつけられるタイプのものが便利です。
先のマグネットシートの場合と同様に、絵カードの裏面には、2センチ角程度の大きさに切った(もしくは最初からそのくらいの大きさに切り分けられた)マジックテープを貼り付けます。
ちなみに、マグネットと比べると、マジックテープのほうが「強力に」貼りつきます。指先が不器用だったり、力の加減の調整が難しいお子さんの場合、マジックテープでがっちり貼り付いてしまうとはがすのが難しい場合があります。絵カード側のマジックテープはマグネットの場合よりも「やや小さめ」にするのがコツです。軽~くくっつけたいなら、1cm角かそれ以下位でもいいかもしれません。

↑マジックテープ貼り付け例。力の弱いお子さんの場合、このサイズだとちょっとはがし抵抗が強すぎるかもしれません。
一方、絵カードを貼り付けるバインダーや掲示板には、もっと大きな面積の、オスメスが逆のマジックテープを貼り付ける必要があります。
バインダーや掲示板に貼り付けるマジックテープを小さくしてしまうと、貼り付けられるエリアが狭くて扱いが難しくなります。ちょっともったいない気がするかもしれませんが、「貼られる側」のマジックテープは、思い切って広い範囲に貼ってしまいましょう。
簡単にまとめると、絵カード側のマジックテープは「点」で貼り付け、「貼られる側」、つまりバインダーや掲示板のほうのマジックテープは「面」で貼り付けるということです。
絵カードと掲示板側、どちらがオスでどちらがメスがいいか、というのは難しい問題ですが、我が家では絵カード側をメス(柔らかい布のような面)、掲示板側をオス(硬くてトゲトゲしている面)にしています。これは、絵カードをオスにしてみたところ、子どもが絵カード携帯中に服にひっかかって服に貼りついてしまうことがあったからです。ただ、「バインダー方式」にする場合、携帯するバインダーのマジックテープが「オス」だと逆に服を傷めたりして使いにくい可能性もありますので、実際に試してみて、どちらをオス・メスにするかを決めるのがいいでしょう。
c.透明ポケットなどに入れて固定する場合
絵カードをスケジュール表などに使う場合、このパターンになりますが、この場合、裏面には何も貼り付ける必要がありません。ただし、別途、絵カードがぴったり入るような透明ポケット等を用意する必要があります。
d.その他の方法
絵カードをクリップやせんたくばさみで止めたり、絵カードに穴をあけてフックにひっかけるといった方法もあります。
大切なことは、手順やスケジュールのようにこちらから一方的に情報を示す場合を除いて、「子ども自身で容易に付け外しできること」です。子どもにとって「使いにくい」方法を採用しないようにしましょう。
以上で、絵カードの作り方は終わりです。
次回からは実際に絵カードを使う方法をまとめていきます。
(次回に続きます。)