ハードウェアの設計はとりあえず完成、ソフトウェアも一旦完成したのですが、さらに機能追加をしているところです。このタイマーを自作できる「電子タイマー製作キット」についても、急ぎ準備をすすめています。製作キット頒布については、記事の最後で簡単に触れます。
まずはこの電子タイマーがどんなものか、見ていただいたほうが早いと思いましたので、紹介動画を制作してみました。
↑注!動画では「製作キット紹介中」になってますが、現在、大幅な機能アップを行なっており、頒布はまだです(動作中の画面も、この動画とはちょっと違ったものになります)。遅れてしまいすみません。
このタイマーは、LEDを合計64個(8個×8行)搭載し、006P電池1個で駆動する「マイコン制御の電子タイマー」です。
プログラムのほうを頑張って、思いつく限りのさまざまな機能(下記参照)を盛り込んでいるので、市販されているどんなタイマーよりも多機能になったと思います。キッチンタイマーとかの一般用途にも使えるかもしれません。
1. 設定できる時間
1分、2分、3分、5分~120分(5分きざみ)の時間が設定できます。
2.アラーム音・クリック音
設定した時間が到来したときに、アラーム音が鳴ります。また、ボタン操作時と1分経過ごとに、カチッという小さな音(クリック音)が鳴ります。
3.LEDの点滅
点灯しているLEDのうち、現在の時間を示しているLEDが1秒に1回のスピードでチカチカと点滅します。
4.毎分ごとの残り時間表示
標準設定ではオフになっていますが、設定変更すると、1分経過ごとに残り時間がデジタル表示されるようにできます。
5.3分以下モード
設定時間が1分、2分、3分のときは、3秒あたり1つのLEDが割り当てられます。これによって、「LEDが見ている間にも次々と消えていく」ような動きのタイマーとなり、「時間が流れている様子」を視覚的に表現します。
6.4分~40分モード
設定時間が4分から40分までの場合は、8列あるLEDのうち左の5列だけを使って、1行あたり5分という区切りのいいパターンでLEDが点灯します。
7.45分以上モード 設定時間が45分以上のときは、8列のLEDすべてを使って、1分につき1個のLEDを割り当てて時間を表します。ただし、60分超の部分(61分~120分)については、15分につき1個のLEDが割り当てられます。
8.特殊な点灯モード
特殊な点灯モードとして、以下の7つのモードが用意されています。
(1)設定した時間にかかわらず、64個すべてのLEDが点灯した状態から始まり、設定時間経過時にちょうど全LEDが消える「フルLEDモード」
(2)逆に全消灯の状態から始まり、設定時間経過時にちょうど全点灯となる「フルLED・リバースモード」
(3)上半分で点灯しているLEDが徐々に「落下」していき、全部下に落ちるとアラームが鳴る「砂時計モード」
(4)通常のデジタルタイマーのように、残り数字が表示される「デジタルタイマーモード」
(5)通常のデジタルタイマーのように、経過数字が表示される「デジタルタイマー・リバースモード」
(6)円形に配置されたLEDが時計回りに順に消えていく、「アナログタイマーモード」
(7)4本の縦方向に伸びる「ポール」が8進数で伸び縮みして残り時間を表示する「トーテムポールモード」
9.カスタマイズ機能
以下の項目についてユーザーが自由にカスタマイズできます。そのための設定画面(GUI)も用意されていて、LEDの表示を見て確認しながら設定を変更できます。変更した設定は、マイコンのフラッシュメモリに書き込まれますので、電源を切ったり電池を外したりしても消えません。
通常の操作ではこのカスタマイズモードには入りませんので、普段はこれらの設定を意識することなく、シンプルな操作で使用できます。
(1)アラーム音とクリック音の有無
(2)起動時のタイマー設定時間の初期値(1分~120分)
(3)3分以下モード、5分~40分モード、45分以上モード、それぞれのLED点灯パターン
(4)特殊な点灯モードの設定
(5)LEDの点滅の有無
(6)1分経過ごとの残り時間のデジタル表示の有無
(7)タイマーのスピードの微調整(最大±12.5%、32段階)
このタイマーを作るために必要な情報やりソース(回路図や配線図、プログラム等)はすべて公開します。ですので、それらを活用して自分でタイマーを製作していただくことも可能です。
製作に必要な手順は大体こんな感じです。
(1)必要な部品を買い集める。
(2)PICマイコンに書き込むための機械を準備する。
(3)PICマイコンに書き込むためのアプリケーションをPCにインストールする。
(4)PCから、書き込み機を通して、PICマイコンにプログラムを書き込む。
(5)部品を組み立てる。
ですが、これを全部やろうとすると、それこそ秋葉原の部品屋さん巡りのようなことが必要になりますし、(2)の書き込み機も結構高価だったりしますので、上記の手順のうち(1)から(4)までを省いて、いきなり(5)の製作に取りかかることができるように、「プログラム書き込み済のPICマイコン」を含む「製作に必要なパーツ一式」をセットにした「製作キット」を、私のほうで用意させていただくことにしました。
製作に必要なプログラムのソースコード等のリソースと、製作キット頒布についての情報は、次回の記事(来週以降、ソフトの追い込みが完了次第、公開の予定です)でまとめたいと思います。
(次回に続きます。)
私の息子が自閉症と診断を受けた直後から、そらパパさんのブログから療育に対しての考え方など勉強させていただいていました。幸せプロジェクトも購入させていただきました(増刷おめでとうございます)数多くの自閉症関連本が出版されていますが、ピリオドゼロの真っ只中は特に混乱状態ですし焦るばかりで何をすべきかわからない、そんな迷える親御さん達へ一筋の光をもたらし、そして道しるべになる良著だと感じました。勿論私のように診断から数年経過している者も勉強になる内容であるのは、物事の捉え方や考え方も含めて順を追って丁寧に書かれている所だと感じています。
すみません、スレ違いの話題が長くなってしまいましたが
動画見ました。今までずっとこういう物を望んでいました。タイムタイマーだと「触りたい」という衝動を抑えきれず…で残念ながら我が家にはマッチせずキッチンタイマーを活用しているのですが突然鳴るという点で、例えばDSをやっている時なんかに問題になることが多かったので(ゲームの切れ目の問題で)見える形での時間提示はゲームだけではなく家庭学習時や苦手なことに取り組まなければならない時なども含めて生活の中で大いに活用できそうです。ただ、夫婦ともにはんだづけの経験がないので、そこだけがとても不安なのですが…
完成を楽しみにしております。
そらパパさんが用意してくださるのですね!!
そのお心意気に感謝、感激です☆
勇んで「チャレンジします」とコメントしたものの、
内心どうしよう・・と思っていましたので。(滝汗)
お手数をおかけしますが、楽しみにしています。
宜しくお願いいたします!!
はじめまして。
コメントありがとうございます。
また、拙著をお読みいただきありがとうございます。
タイマーですが、はんだづけについては、部品のはんだづけは大したことはありません。が、裏面の配線のはんだづけは量が多いので、ある程度はんだづけの経験がないと、「はんだづけがうまくいっているかどうか」を自分で判断するのが難しいかもしれません。
せっかくですので、来週以降公開するつもりの「製作キットのつくりかたマニュアル」を先行アップしておきます。
https://soramame-shiki.up.seesaa.net/PIC/PIC_Timer_Craft_Manual_v102.pdf
もしもはんだづけの練習をされるのであれば、通販などで電子工作キットを買ってみるのもいいかもしれませんね。
http://rpe-parts.co.jp/shop/64.html
http://akizukidenshi.com/catalog/c/cbiginkit/
のんままさん、
コメントありがとうございます。
このブログの取り組みの1つとして、「自分が作った療育グッズは、他の方にも使っていただけるよう、標準化して、使いやすい環境をととのえる」ということがあります。
今回もその一環で、せっかく自分で作ったので、皆さんにも使っていただいて、さらにご意見などをいただいて改良していけたらいいな、と思っています。
はんだづけのコツさえつかめれば、それ以外で難しいところはほとんどない電子工作になっていると思います。製作キットもまもなくリリースできると思いますので、ご期待ください。
すごっ!凄すぎます。たしかに、市販のものより高機能ですね。すばらしい!今年のATACに出展されてはいかがですか。
まわりにも紹介して、はんだづけの苦手なお母さんたちには、私が「はんだボランティア」でもしましょうかね?!
期待してます!
コメントありがとうございます。
最初はただ設定時間分のLEDが点いて消えていくだけのものだったのですが、だんだんPICマイコンのアセンブラが分かってくると、それだけでは満足できなくなって、次々と新しい機能を盛り込んでいった結果、こうなりました。
その副作用(?)として、デバッグに時間がかかっていて、こうやってコメントを書いているときも、すぐ脇で、デバッグ用に早回しで動くように設定したタイマーがいろいろなモードでせわしなく動いています(^^;)。
はんだづけについては、本当はプリント基板が用意できれば、それこそ誰にでも作れるくらい作業を簡単にできるはずなんですが、それをやってしまうと頒布の代金が倍以上に跳ね上がってしまいそうなので、やむを得ずユニバーサル基板を使っています。
ATACというのは知らなかったので先ほど検索して初めて知りましたが、まあ今回のタイマーはまだ「市販品の見よう見まね」なので、今後何かプラスアルファの付加価値が出せるような展開にならないと、という感じですね。
もうソフトもあらかた完成していて、実装状態でのデバッグ作業に入っているので、製作キットの頒布のタイミングは、どの時点でもって「デバッグ終了」と判断するかだけです。
発売直前になってデバッグ不足で大幅延期になったドラクエのようなことにならないようにしたいと思います。(^^;)
昨日、二男のママ友さんから(その方もこのブログの購読者です)、「JKLpapaさん、はんだ付け、お願いしていいかしら?」と、さっそくLED電子タイマの注文をいただきました。私の周辺では、結構「あれ、いいねぇ」という声が聞こえてきます。予想以上に反響大、のようです。
製作キット、首をなが~くしてお待ちしています(^^)
ありがとうございます。ちょっとプレッシャーですね(^^;)。
というのも、パソコン用のフリーソフトをリリースするのと違って、手離れするともう直せない組み込みなので、デバッグをどのくらい徹底すればいいのかが難しいなあ、と思っているんですね。
既に書きましたが、基本的にプログラムは完成しています。リリースの際の記事の原稿も書き終えています。
今はプログラムのソースファイルを眺めたり、実際に起動して動かしてみたりしてデバッグを続けています。
もう、普通に動かしていて変な挙動をすることはまったくなくなっていますが、マイナーなところにバグが潜んでいるかもしれないので、そこが悩ましいところです。
ご参考までに、現在の最終版直前のプログラムのソースファイルを公開しておきます。
https://soramame-shiki.up.seesaa.net/PIC/PIC_Timer_src_v254rc.pdf
注釈や改行を含めると2200行を超えています。これをじーっと眺めて頭の中で挙動をシミュレーションしていると、ちょっと別の世界にいけます(笑)。
そんなわけで、リリースはあともう少しお待ちください。お待たせしてすみません。