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2009年01月30日 [ Fri ]

ケガをしましたが、元気です。

妻のブログにも書かれていましたが、昨日の夜、ケガをしてしまいました。
(以下、ケガの描写が含まれますので、そういうのが苦手な方は読まないでください)

カッターナイフでタッパーを切るという、まあムチャといえばムチャな作業をしていて、右手でタッパーを押さえながら左手でゴリゴリと押し切りをしていたら、なかなか切れずに満身の力と体重をかけたところで突然全部切れてしまって、さらにその先で押さえていた右手の人差し指の第1関節のところも切って、さらにその先まで行って作業台にカッターナイフの刃が刺さって止まりました。

切れた右手の人差し指は、ちょうど第1関節の折り目の部分、手の平側のほぼ端から端まで、深さで2mmくらいザクッといって、傷口が開いてプラプラして・・・当然、次の瞬間には激痛と同時に血が大量にあふれてきました。

キズの深さと長さを考えると自然に止まるとは思いにくいし、もしかすると手術が必要かもしれず、それができる病院がどこかも分からなかった(行って対応不可だと目も当てられない)ので、救急車を呼びました。

案の定、行った先の病院で8針縫って、包帯ぐるぐる巻きで帰ってきました。
縫ってもらった救急の医師には「毎日消毒のために通院してもらうことになりそうだ」と言われたんですが、今日実際に外来にいって診てもらったら、運良く既に止血していて治りがいいので、このままなら来週あと1回だけ消毒にいって、その後は抜糸まで通院せずに済みそうな感じです。

前の日の夜に包帯巻きだった指も、巨大なばんそうこうに変わって、かなりすっきりしました。このばんそうこうが汚れたら、自分で外して水洗いして(消毒液は使うなと言われました)市販の普通のばんそうこうに替えてしまっていいそうです。

まあそんなわけで、とりあえず元気です。痛いのは痛いんですが、それもそんなにひどくはありません。
皆さんも、ケガには注意してください。

posted by そらパパ at 23:08 はてなブックマーク | コメント(23) | トラックバック(0) | 日々の話
この記事へのコメント
そらパパさん

夜中の作業中に大変でしたね。でも治りそうということで良かったです。お大事になさってください。
作業課題とか支援ツールの作製でしょうか。私も男親なのでそういう工作を夜にやったりしますから気をつけることにします。キーボードを打つのも大変でしょうから、お返事などは無理しないで下さい。(あっちの議論ももうすぐ終わりますから(笑)。)
Posted by かずみ at 2009年01月31日 10:24
8針!!!
それは大変なことでしたね。
でも、切り口がきれいだったから経過が良かったのですね。

私も課題作りをしていて、思いっきり切ってしまったことがあります。
切れ味のいい工作専用のカッターでしたので、そりゃ〜もう良く切れて。
それ以降、箱ばっかり使っています。

しばらくご不自由されるかと思いますが、どうかお大事にしてください。
Posted by こうまま at 2009年01月31日 12:12
なんという偶然。わが娘も昨日保育園でけがをして耳の後ろを2針縫いました。
お風呂とかも大変ですね。お大事にしてください。

Posted by tanx2 at 2009年01月31日 18:35
お大事にしてください。

自分が7年前に、風呂で背中をタオルで洗っていた時に、すっぽ抜けた左手が勢いあまって棚に乗せていたT型髭剃りにあたり、人差し指第2関節の皮を深く削ってしまったことを思い出しました。

絆創膏をあてて出社したのですが出血が止まらず、医者に行ったら「本当は労災ではないのですか? 保険証を使うのは違法ですよ」と言われ、弁明に苦慮したことを思い出しました。

不自由も多いと思いますが、イライラを貯めないようにしてくださいね。
Posted by はじめ at 2009年01月31日 21:00
けがをされて大変でしたでしょうが、治りつつあるとの事で、まずはよかったですね。無事きれいに治りますように。

うちの子は多動がひどくて、目が離せない状態で何が起こるか分からなかったので、万が一の時に対応できるよう、小児救急の講習に夫婦で出た事があります。

幸いこれまではその技術を使わずに済んでいますが、、、、
Posted by あやぱぱ at 2009年01月31日 23:06
手をやっちゃうとしばらく生活が不自由になりますね。右手で押えて、ってそらパパさんサウスポーなんでしょうか。どうかご自愛ください。
友人は缶詰のパッ缶の蓋でザックリやったことがあるみたいです。どうかパッ缶にもご注意ください。

救急車は、子どもの交通事故(飛び出し)で2回出動してもらったことがあります。こういう体験はあまり重ねたくないものですね〜。
Posted by めえめえ at 2009年02月01日 14:05
おケガ大丈夫ですか?気をつけてお大事になさってくださいね
数日前のblogの雇用問題―私も気になりながら新聞やニュースを見てました
以前、職安(ハローワーク)でカウンセラーしていたので余計身近に感じます
今、ジョブコーチもしていますが本当に障害の有無に関係なく会社の存続に関わる不況になっていて沢山の方の雇用は緊迫していると感じます
Posted by くままゆ at 2009年02月01日 22:31
皆さん、コメントありがとうございます。
以下、個別のレスでなく、まとめレスになってしまってすみません。

今回は直接支援ツール作りをしていたわけではないのですが、ある「支援ツール」を作っている過程で余ったタッパーを使った工作でした。(めえめえさんのおっしゃるとおり、私は左利きです。ですので、右手が不自由でも、けっこう何とかなる場面が多いです)

で、こんな目にもあったのもひとつのきっかけかもしれないと感じたので、明日の月曜日、その「支援ツール」の記事を、予定を繰り上げて掲載することにしました。

ケガのほうは、素人目には順調によくなっているように見えます。最近は消毒してガーゼ、ではなく、水道水で洗って密閉というのがケガの治療の基本のようですね。
今回、病院でもそういう風に指導されたので、毎日風呂上りに水道水でよく洗って防水ばんそうこうをかっちりと貼りなおしています。

最後にくままゆさんから雇用についてのコメントがありましたが、いま第3四半期の決算で大揺れに揺れていますが、今年の3月の決算はこれどころでは済まないでしょう。
我々自身の雇用も危なくなってくると思います。
でも、そんなときでもやはり「選択肢のない人」をどうするかというのは、まったく別の問題として考えなければならないんだと思っています。
Posted by そらパパ at 2009年02月01日 22:58
そらパパさん、大変でしたね。お大事にしてください。(コメントは結構ですので...)
Posted by ピッカリママ at 2009年02月02日 20:20
こんにちは。おけがのお加減はいかがですか?無理をなさらず…はやくよくなるといいですね。
Posted by 鈴蘭 at 2009年02月03日 02:56
お怪我をされたとのこと、くれぐれも、お大事にされてくださいね。…実は、こういう、ブログとかに、コメントを書くのは初めてで、どこに書いたら良いのか解らず、唐突かと思ったのですが、ご一読頂けたら幸いです。…そらまめさんのファンで、良く読ませて頂いています。特にブックレビューが大好きで、話題の本を一刀両断されるご説に快感を感じながら、いつもふむふむと納得させられている自分がおります。そこでお願いなのですが、もし、先々週、早川書房から出版されたばかりの「ぼくは考える木」(常識を覆す自閉症療育を発見した母のノンフィクション、アメリカでの現在進行形の実話)をすでにお読みでしたら、是非ともブックレビューにて、ご感想をお聞かせ頂けないでしょうか?私はたった今、読み終わったところで、正直ものすごい衝撃を受けています。子供が自閉症であろうと発覚した10年近く前、キャサリン・モーリスの本に出会ったとき以来、(もしかしたらそれ以上)の衝撃です。この「ぼくは考える木」はジュリア・ロバーツが主演で映画化されることが決まっていると帯に書いてありました。映画化されたら、それこそ、日本の自閉症療育業界も革命の渦に巻き込まれていくことは容易に想像がつきます。その革命は、正しいのか、正しくないのか、冷静で理知的で、常に知性がほとばしるそらまめさんに、是非とも解説していただきたいと思っています。
Posted by せつな at 2009年02月03日 19:48
ピッカリママさん、鈴蘭さん、

ご心配くださりありがとうございます。
おかげさまで、もうほとんどよくなって、抜糸の日程を検討できるくらいになってきました。

せつなさん、

コメントありがとうございます。
その本については、別の記事のコメントでちょっとだけ触れていますね。

http://soramame-shiki.seesaa.net/article/110130045.html

軽く立ち読みもしてみたのですが、その範囲では、「ただのFCの『奇跡本』」だとしか感じられず、それであの厚さはとても読みきれないだろうと思ってそのままにしてあります。
多少ジャーナリスティックな書かれかたはされているようですが、だからといって、例えば「医者がすすめる代替療法」が有効とはいえないのと同じように、「ジャーナリスティックなFC本」が信憑性が高いとは思えないというのが現時点での評価ですね。

もちろん、もし本当に「革命」のようなことが起こってきたら、その「現象」に対しては、何か考えなければならないと思います。(それはちょうど、東田さんの「奇跡」に対するのと同じような意味で、です。)
Posted by そらパパ at 2009年02月03日 23:01
早速ご回答頂き、本当にありがとうございます。感激です。私も実は、最初書店で本を手にしたとき、単なる一連のFC本、東田君シリーズや、日木瑠奈(?)君の本と変わらない眉唾奇跡物語だろうと思ったのです。でも、ついつい買ってしまったのは、パラパラめくると、著者がロバースやテンプル=グランデン、ラマチャンドラン、マイク=マーゼニックなど、本当にそうそうたる方々とつながっいたので、単なる業界ミーハー的な感覚で、読み物として楽しめそうだと思い、買ってしまったのですね。その時点では、正直内容については、ほとんど期待していませんでした。(というか、むしろ、道場破りしてやろう、位の懐疑的な目線で読み始めたのです)でも、実際読んでみると、明らかに、単なるFC本や東田君シリーズとは違ってると私には感じられました。以下違っていた点です。@マイク・マーゼニックなど、そうそうたる顔ぶれの科学者が検査など科学的なアプローチに関わっている。もし、偽物やトリックであれば、彼らが見抜けない訳がないし、科学者生命に関わるようなリスクを犯してまで検査を引き受けるのだろうかA本書で描かれている様々な検査によって、自閉症児の感覚処理に関して、これまで知られなていなかった新な事実や示唆が数多くあり、その部分だけでも、非常に興味深いB日木君にしても、東田君にしても、これまでのFC奇跡本は、母親など、常に決まった人間が強力に介在しない限り成り立たないが、本書では、特定の人間ではなく、誰もが使用できるメソッドの構築と般化の可能性を明らかにしている…などです。この本の分厚さの意味も、科学的な検証に行きつくまでの道のりを正解に伝えるために必要な分量だと、私は精読するうちに納得しました。…結論を言うと、私の僅かな知性を持ってしては、今回は道場破りは叶いませんでした…。そして、説明できないモヤモヤ感だけが残っています。…映画化されたときは、いろいろ議論が巻き起こるでしょう。そのときに、そらぱぱさんにまた、解説して頂いて、すっきりさせて頂けたら幸いです。長くなってしまいすみませんでした。お体お大事にして、これからもがんばってくださいね。



Posted by せつな at 2009年02月04日 11:21
せつなさん、

立ち読みでも、せつなさんがおっしゃるような志向性をもった本であることは分かりました。
でも、それでも、少なくとも立ち読みの範囲では、私には「よくあるFC本」にしか見えなかったわけです。
いずれにせよ、機会があるか必要だと感じたら、読んでレビューしてみたいと思います。
Posted by そらパパ at 2009年02月05日 21:47
ありがとうございますexclamation×2そんな機会がありますこと、楽しみにしています。よろしくお願いします。
Posted by せつな at 2009年02月06日 10:08
追記です。

この本については、アメリカのAmazon.comのレビュー欄がけっこう面白い展開になっていますね。
http://www.amazon.com/review/1594482721/

レビュー欄のトップがいきなり「ティト本人」と称する人からのこの本への批判になっています(評価は★1つ)。なんか内輪もめ的なものを感じさせる状況です。別のレビューで「This book should be named "The Hollywood Way About Autism"」と書かれていますが、私も立ち読みの範囲でも「ハリウッド的に演出されたストーリーに見えるなあ」と感じました。

それにしても、Amazon.comのレビューは肯定的なレビューと否定的なレビューが入り乱れていて読み応えがありますね。
対して、日本で同様の「自閉症の奇跡」系の本のAmazon.co.jpのレビューは賛辞一色で、否定的なレビューを拒むような雰囲気でなんか気持ち悪いなあ、と感じています。(これは、いわゆるFC系・代替療法系だけでなくて、「ハードなABA」系の本でも感じるところです。)
Posted by そらパパ at 2009年02月17日 22:11
ちょっと雑談コメントです。
おかげさまで指のケガはすっかりよくなりましたが、こんな技術が開発されているんですね。

http://japanese.engadget.com/2009/02/17/laser-healing/
針と糸よりも速いレーザー+染料で怪我を治療

傷口に染料を塗り、そこにレーザーを照射することで傷口の皮膚組織を活性化して傷口をくっつけるという手術が実用化されつつあるそうです。
これができれば、傷口に雑菌が入り込めないような「密閉状態」を簡単につくることができそうですし、抜糸の手間もありませんね。
Posted by そらパパ at 2009年02月19日 21:46
お怪我、良くなられたみたいでなによりです。それから、例の本に関する新たなコメント、ありがとうございます。私はというと、読後かなりの日数を経て、相当クールダウンしちゃいました(笑)。ざっくり言うと、自閉版ダ・ヴィンチコードってな、感じでしょうか?読み始めるととてもフィクションとは思えなくなっちゃう…。でも、ダ・ヴィンチコードは正真正銘、小説だったわけで。この本の信憑性については、本当に良くわからないけど、自閉版ダ・ヴィンチコードだと思って読むと、読み物としては、とても楽しめました(笑)。ただ、今でも、細部については、いろいろと興味深い点があって、あれこれ思いをめぐらせています。例えば、テンプルグランデンと重度自閉症のティトの感覚処理方法が検査によって、全く違っていたというデータが出たところなどなど。テンプルの手記は、「自閉症の窓」として、重度の自閉症児も、テンプル同様、全て視覚優位であり、どの子にとっても、同時処理的な対応が最善であるという考え方の根拠のひとつになろうかと思いますが、このデータが本当だとすると、必ずしもそうとも言えないのかなという、根源的な疑問にぶつかるのですよね。実際、いわゆる「軽度発達障害」といわれるアスペや高機能PDDなどの子供たちにK-ABCなどのアセスメントを行うと、同時処理ではなく、継時処理に優位を示すお子さんが少なからずいるのはご存知の通りかと思います。軽度発達障害に関して言うと、特別支援教育が進んでいる学校現場では、このK-ABCのアセスメントに基づいて、同時処理タイプか継時処理タイプかを確認した上で、学業面の指導方法などを変えているのは、珍しくはないですよね。だとすると、重度の子供の中にも、実は同時処理タイプではなく、継時処理タイプの子供が存在していると仮定すると、この本に出てくる検査結果もなるほどと思えてくるし、この本の中に出てくるメソッドなるものも、考えてみれば実に継時的だし…。なんか新たなベクトルが見えてくるような気がするのですが、やっぱり、それって錯覚ですかねえ。というのも、私自身がこれまで歩いた子供との療育生活とそこでともに過ごした療育友達とそのお子さんの経過を振り返ると、みな、早期に療育に繋がった方々ばかりなのに、そして、療育スタート時点ではみんな似たり寄ったりの発達像だったのに、同じ療育を続けても劇的に伸びて行くお子さんのグループと、そうでないお子さんのグループがあるのは何でなんだろう?って疑問がずっと残っていたのですね。もし、この感覚処理の違いが絡んでいるとすると、腑に落ちるような…。つまり、あるグループのお子さんにとっては、その感覚処理のタイプに即した方法ではなかったからなのかな?と。全くの素人考えなのですが、何となく、その答えのヒントをこの本に見たような漠たる思いだけは、いまだに拭えないのは事実です。なんか、支離滅裂の文章ですみません。全て、ど素人の根拠なき思いつきというのは、自分でもよくわかっている(笑)ので、どうぞ、流してくださいね。長々失礼しました。ここまでお読み頂き、ありがとうございました。


Posted by せつな at 2009年02月21日 10:54
せつなさん、はじめまして。
横から失礼します。アスペルガー当事者でPDD児の母です。

> 重度の自閉症児も、テンプル同様、全て視覚優位であり、どの子にとっても、同時処理的な対応が最善であるという考え方

不勉強なので教えていただきたいのですが、このような考え方は一般的なのでしょうか?
ちなみにうちの子はK-ABCの結果、同時処理が継時処理能力を上回っていますが、下位項目のばらつきがかなりあり短期記憶も弱いため、むしろ継時処理タイプに向けた療育をしていただいていると思います。個々の子どもにより得手不得手を生かしたカスタムメイドの療育である必要があると思っていたのですが…
また、自分の感覚を省みても、同時処理と視覚優位とは直結せず、別の問題ではないかと思います。しかしワタシも素人考えなのでよくわかりません。
何かご教示いただければ幸いです。
Posted by めえめえ at 2009年02月22日 14:50
すみません。何しろど素人なので、用語をいろいろ誤用しているかもしれません。私が言いたかったのは「一口に重度自閉症といっても、感覚処理の仕方が、全て視覚優位という言葉でくくれない全く異なるグループが存在するのではないか」という示唆をこの本から感じたということを感想として申し上げたかったまでです。それから、K-ABCの結果に基づいてカスタマイズされた療育を行うのは、当然のことだと思いますが。そのためのアセスメントなのですから。(私も、そう書いたつもりですが…。)あなた様のお考えは、何も間違っていないと思いますが。


Posted by せつな at 2009年02月23日 19:17
せつなさん、めえめえさん、

コメントありがとうございます。

一般論としてですが、結論がトンデモな著述物については、その結論にいたるプロセスもトンデモである可能性が高いと眉につばをつけて考えたほうがいい、と思います。
もしも、著名な科学者が本当にちゃんと「実験」してくれたのなら、その実験が別途学術論文として発表されているはずですので、「ハリウッド風」に脚色されたストーリーを追うよりは、そういった、少なくとも「査読」という客観的なプロセスを通っている文献をあたったほうがいいと思います。
(もしもそういった「論文」が存在しないのなら、その「実験」は、いくら著名な科学者がかかわっていたとしても、それは「本気の実験」ではないと考えるべきでしょう。)

また、療育によって伸びた子と伸びない子がいる、と考える「視点」そのものが、もしかするとちょっと危ういとも考えることができます。
なぜなら、それらの子はもしかすると「何もしなくても同じように伸びたもしくは伸びなかったかもしれない」からです。
こちらの働きかけによって子どもが変化しているのだ、という「因果関係」を安易に見ないことが、残酷かもしれませんが実は大切な視点なのだと思っています。
そのあたりは、過去のこれらの記事とコメントでの議論もご覧ください。

さらに、K-ABCのいう「同時」あるいは「継次」というのも、ある種の知能テストの因子分析から導き出された「構成概念」ですので、それが脳の中に実在する情報処理モジュールであるかのような議論をすると本質を見誤る危険性があります。因子分析というのは、たとえばアサヒビールがスーパードライを出すとき、広告代理店がマーケットリサーチによってビールの味の評価軸が「コク」と「キレ」であると分析し、それを活用して「コクがあるのにキレがある」というキャッチコピーで大成功したときの「コク軸」や「キレ軸」を見つける分析手法のことです。因子分析は、複雑な事象をよりコンパクトに説明することはできますが、それは必ずしもその事象の内部(構造)を正しく解析していることにはなりません。個人的には、知能検査を目的としたK-ABCを、必要「以上」に自閉症療育に応用することは、多少危険かな、という印象は持ちます。「分かりやすい」ことは、「真理に近い」ことと常にイコールではないですから。
Posted by そらパパ at 2009年02月24日 21:55
せつなさん、レスポンスありがとうございます。
そらパパさんのコメントで納得いただけたかとは思いますが、付け加えさせていただきます。

この本を見ないことには話に齟齬が生じると思ったので立ち読みしてみました。せつなさんが感覚処理の部分を気になさったのは、ティト君が聴覚優位であることが強調されて書いてあるからではないでしょうか。
しかし実際には、自閉症児・者といえども必ずしも視覚優位の対処法が有効であるとは限らない、ということは経験的に療育・教育現場では知られているのではないかと思います。
幼児期の療育をうちは受けませんでしたが、経験豊かな療育機関での実践を見聞きしますと、「全て視覚優位という言葉でくく」る療育はむしろ例外で、さまざまなアプローチの蓄積があるようです。(もちろん、それでも合わないとして辞めていく親子もいるそうです)

この本が映画化されるのでしたら、むしろ著者が息子に対し、”言葉による意思疎通が困難だからといって、見聞きしたことを全く理解していないと想定してた”自分の認識に気付き、”今までわかってあげられなくてごめんね”と涙するシーンがクローズアップされるといいな、と願ってます。
なぜなら、これは発達段階・知的障がい・疾病等理由は異なっても、発語困難で一見意思疎通の難しいあらゆる子ども・大人たちの人権擁護につながる重要な問題だからです。
Posted by めえめえ at 2009年02月26日 15:03
そらパパさん
解りやすい解説、ありがとうございます。他のブックレビューでもおっしゃっておられましたが、「ミイラとりがミイラにならないよう」気を付けますね(笑)。それと、K-ABCのデータなども、あくまでも「子どもを楽に学ばせる」ためのツールとして利用するという立ち位置に止まるよう注意したいと思います。
めえめえさん
いろいろ教えて頂き、ありがとうございます。(通級など、いわゆる軽度発達障害児に対する特別支援教育の現場は別として、)少なくとも、無言語だったり、一語文のみと言った重度自閉症児者には「視覚優位」を前提として療育が行われているとばかり、思い込んでいました。(これは、私の周囲ではそうだったということに過ぎないのでしょうね。)重度の方々にも視覚優位でないうというアプローチで療育が行われる場合もあること、そもそも、重度の方々に対して「始めから視覚優位ありき」で組み立てる療育の方が珍しいとのこと、いやー、驚きました。私は、重度自閉症児者の方々については「視覚優位が杖」として、常識のように思い込んでいたので、その常識と思っていたことが非常識だったなんて、自分の無知を恥じ入るばかりです。貴重な、現場のお話、本当にありがとうございました。
それと、例の本が映画化されたとき、世間一般の方々が、めえめえさんのおっしゃっているような視点で映画をご覧になって頂けたら、それはそれで、とっても素敵なことだと思いました。

Posted by せつな at 2009年02月27日 11:05


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