中古で3000円前後で買えるキャノンのPowerShot S30やペンタックスのOptio 33L(この2機種が、最終的に私的ベストでした)ですが、かなり本格的にいろいろ遊べます。
今回は、私が面白がって遊んでいる使いかたをいくつか紹介してみたいと思います。
1.RAW現像
やはり「デジカメで本格的に遊ぶ」となると、まずはこれでしょう。
通常、デジカメの画像は一般的な「JPEG」というフォーマットで保存されますが、これはデジカメの中で、撮影した生データをJPEGに変換して作られています。RAWデータというのは、この「加工」を行なう前の、より映像情報が多く含まれた「生データ」のことで、「現像ソフト」という専用のソフトで手作業でJPEGなどの画像ファイルに変換(このことを「RAW現像」というわけです)します。RAW現像を行なうと、JPEGで出力するより細かい画質の調整ができます。
このRAW現像は、PowerShot S30で遊べます(こんな安く買えるデジカメでRAW現像で遊べるのは、本当に魅力的です)。現像ソフトとしては、フリーのSilkyPixなどが使えます。

↑SilpyPixのフリー版でRAW現像した写真を再掲。(クリックで拡大します)
2.3D写真
少しだけ左右にずれた2枚の写真を撮り、それを左右の目で別々に見ることで「立体視」をするという楽しみかたです。Optio 33Lの「3D写真機能」を使うと、簡単に3D写真を撮ることができます。
撮った画像は、フリーソフトの「ステレオフォトメーカー」を使うと、簡単にアナグリフ(赤青立体メガネで見ることができる立体画像)などに変換して楽しむことができます。
先日アップしたアナグリフ写真を再掲しておきます。

↑Optio 33Lの3D写真機能で撮った写真から作成したアナグリフ。
3.HDR写真
HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)写真というのは、通常、デジカメでは写しきることができないような、非常に明るい領域から非常に暗い領域までが描写された、ちょっと現実離れした不思議な印象をもった写真のことです。さまざまなHDR写真のサンプルは、例えばこちらやこちらをご覧ください。
このような不思議なHDR写真を作るためには、同じ場所、同じ構図で、露出(撮影する明るさ)を変えた複数の写真を撮る必要があります。そして、暗い露出の写真から明るい部分を、明るい露出の写真から暗い部分を取り出して合成することで、暗いところも明るいところもちゃんと描写されたHDR写真を完成させるわけです。
ここでは、露出を変えた複数の写真を自動的に撮影してくれる「オートブラケット」というデジカメの機能が不可欠です。しかも、できるだけ露出の範囲を広げるために、「±2EV」の範囲でオートブラケットできる機種が欲しいところですが、PowerShot S30、Optio 33Lのいずれもが、この±2EVの範囲でのオートブラケットに対応しています。実はこれって最近のコンデジではほとんどありません。
HDR写真合成ソフトとしては、Photomatixというのがあります。無料でダウンロードできる試用版でも機能制限はなく、透かしが入るだけで全機能が使えます。また、RAWで記録した写真なら、1枚の写真からHDR画像が作れます。
私も、この無料試用版を使ってHDR写真を作ってみました。


↑自作HDR写真2枚。夕刻の秋葉原の普通のスナップを、HDR写真に仕上げてみました。(クリックで拡大します)
(次回に続きます。)