時間がたっぷりあったこともあって、ボリューム的にも相当大きなお話になりましたが、ご参加いただいた皆さんにも最後までお付き合いいただき、私としても大変意義深い時間を過ごすことができました。
(また、当日はサプライズなお客様が会場におみえになりました。本当にびっくりしました。こんな拙い講演に足を運んでくださり、本当にありがとうございました)
準備・運営にご尽力いただいた奈良県自閉症協会の皆様ならびに関連各位に感謝申し上げます。
また、慣れない講演で、時間も不足気味になってしまい、機関銃のように話す形になってしまいました。お越しいただいた皆さんにお聞き苦しいところがあったとしたら、大変申しわけなく思います。
今回の講演のレジメを公開しておきます。(内容はわずかに修正されています)
全部で52ページあります。
内容としては、拙著「自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト」に概ね準拠したものになっています(講演時間の関係もありますので、かなり圧縮したものにはなっていますが)。
レジメだけを読んでも、私の考える「自閉症療育」の全体像がざっと分かるような構成にしてありますので、自閉症の療育に関心のある方には興味深く読んでいただける資料になっているんじゃないかな、と思います。
ところで今回も、前回と同様、交通費等の実費のみ主催者側に負担いただいて、講演そのものは無償で行なわせていただきました。
以前も書きましたが、私は現在、サラリーマンですので、営利を目的とした講演は行ないません。
逆に、参加無料もしくは最低限の資料実費のみで参加できるような講演会・勉強会等で、私のお話がお役に立てるような場があるのであれば、ご相談ください。
会の趣旨に私として賛同できて、日程の調整がつけば、移動等にかかる経費のみで馳せ参じたいと存じます。
とても分かりやすくて良いですね。
応用行動分析の説明も下記文でずっと引き締まったと思います。
> 「自閉症児の行動を修正して、『あるべき姿』に近づけていく」
テレビドラマに見られるABA例を
親の会ブログに記載紹介しました。
よかったら、見てみて下さい。
http://angel.ap.teacup.com/tsumiki-niigata/204.html
今そらパパさんの幸せプロジェクトを読んでいます。いつもサポートしてくれる長男と、すごいねぇ・・・といいながら。
転勤職種で奈良にも9年間下りました。今いる県はなかなかこういった講演会がなく、奈良まで行きたいくらいでしたが、行けず、レジメを読ませていただきます。
ブログもとても参考にすることが多く、戻れるなら、障害がわかった時点にもどって、育てなおしたいです。息子ももっと安定しながら、成長できたでしょうに・・・
コメントありがとうございます。
レジメはかなり気合を入れて作りました。後半は時間が不足気味でかなり駆け足になってしまったんですが、何とか最後まで話をまとめることができました。
ABAについては、今回の講演では、高く評価しつつ、若干距離を置くようなトーンでまとめています。
(リンクいただいた記事、ちょっと面白いですね。私は「のだめ」は見たことがありませんので、実際の場面は想像できないのですが(^^;))
リリーさん、
はじめまして、コメントありがとうございます。
私も、遠くまででかけていって話すというのは今回が初めてでした。わざわざに呼ばれて話をするということで、身が引き締まる重いでした。
レジメも、読んでいただけて嬉しく思います。
「育てなおし」、確かに、私も少しそう思うこともあります。
でも、初めての経験に悪戦苦闘するのも、それも療育そのものなんだと最近思ったりもします。療育というのは子どもだけでなく、親も育てられていく営みなんだと思うわけです。
これからもよろしくお願いします。
ごぶさたしております、初代です。
奈良での講演、お疲れ様でした。
私、関西在住でございまして、行けなかったこととても残念に思っております。
介護福祉士を取ってから、次の目標を自閉症スペクトラム支援士にと動き始めておりました。
丁度その日がそちらの近畿・中国支部資格認定講座と重なっており、どうしても外せなかったもので。
奈良での講演の告知を見た時、何でこの日やねん…と。(笑)
何もなければ、参加させていただいていたはずです。
3時間ってのは、これまたスゴイですね。しかも、しゃべりまくりの時間不足とは。(笑×2)
今回はレジュメを読ませていただきました。
ついでに近況報告。
先日、療育手帳の更新に行ってきました。
前回言われていたことだったのですが、検査結果が良ければ次の更新が危ないよ…と。
子供の成長・発達が更に順調で、恐れていた(笑)ことに、今回の結果が知的障害の基準を越えてしまいました。
学習面では、算数が飛び抜けて良く出来て、国語では漢字が得意で文章理解が苦手という、ある種典型的な特徴があります。
これでは手帳の更新はできないのですが…ということで、話を聞いていただくことに。
自閉症であることは全く考慮されませんか? との問いに、ここではされないとのこと。
出来ることと出来ないことのギャップ、生活上の不安を具体的に幾つか、何よりも手帳がなければ来年から予定しているサービスの利用が出来ないことを強く訴えました。
検査結果にその聴き取り分もプラスして上げていただき、今回は何とか更新ゲットとなりました。
ですが、次こそは本当に手帳がなくなることを想定して備えていかなくてはなりませんね。
また、関西に来てください。
必ず馳せ参じますから。
講演資料の公開ありがとうございます。
こちらの県内の福祉関係者のSNSや、私のブログでも紹介させていいただきます。
現在、私が支援させていただいている子ども達は、それぞれの進路に悩んでいるところです。特別支援学級か養護学校か・・・など。
幼稚園保育園の選択もそうですが・・・。
就学時健康診断では、事前に検査を受ける学校と情報交換や事前の学校見学など、対応していたケースでは順調でした。
そらパパさんが書かれているように、障害の受容と家庭療育の捉え方が大きなポイントになるようです。
私も日々の療育や保護者の支援で、そらパパさんのブログや書籍を引用させていただいています。
親の意識や関わりが変わると、子どもの安定にも変化が見られます。このような捉え方の変革が子どもだけでなく家族の将来も大きく変えていくと思います。
「そらまめちゃん」の存在、ご両親の取り組みで多くの方々がどれほど助かっていることでしょう。深く感謝しています。ありがとうございます。
今後もブログを楽しみに読ませていただきます。
少し気になった点がありますが,メルアドが分らないのでここに書き込むことにします。長文になりそうです。すみません。
1)スライド#3と#44の「対処療法」は「対症療法」ですね。病気そのものではなく症状を標的にした治療。symptomatic therapyです。
2)スライド#23で,自閉症は「環境とかかわって,学んでいくことの障害」と言われましたが,これは「知的障害」でも言えることではないでしょうか?極論すると,かかわり方や学び方が偏っているのが自閉症で,遅れているのが知的障害だと思います。
3)スライド#25の最初の2行が変な感じがします。「知覚・認知レベルの困難」が「環境とかかわることの困難」すなわち「ことばや社会性の障害といった『行動レベルの症状』」を引き起こしているのではないでしょうか?
4)スライド#30で「できないことをさせるのではなく,できることを伸ばす」は誤解されかねないです。TEACCHでは,環境をわかりやすくすることで,できないことができるようになることはいくらでもありますから。相対的に「できることを伸ばす」方に重点が置かれるのだと思います。もっとも私はTEACCHを完全に理解しているわけではありません。
5)スライド#31での,「絵カード療育法」はPECSとイクオールではないですよね。PECSは「絵カード療育法」のうちの1つですよね。PECSの最大の特徴は,自発的コミュニケーションを教えることですから。
以上が気になった点です。それ以外のご講演内容には「まったく同感!」で,お仕事の傍らよくここまで勉強されるなあと感心すると同時に,私も,専門家と呼ばれるものの端くれとして努力が足りないと反省しました。
コメントありがとうございます。
療育手帳については、うちも更新の年(今年6歳)ですが、とりあえず就学が決まった後に考えようと思っています。
我が家の場合、手帳そのものがなくなることは考えられませんが、度数は変わる(よくなる)可能性もありそうです。良くなることは嬉しいことですが、それによって期待していたサービスが受けられないといった側面もありますので、痛し痒しといったところですね。
また、親が子どもの障害を受容できていて、「空気のように」自然な療育的環境を家庭に作れていることが、自閉症児の心身の発達にはとても大切なことだと思っています。
今回のお話でも、そういった部分に特に力を入れて話をさせていただいたつもりです。
機会があれば(お声がかかれば)全国どこででもお話をさせていただきたいと思っています。
私自身も、またそういった機会がもてればいいな、と思っています。
(ブログにいただいたコメントは削除するか公開するかしか選べないようになっています。今回、他の方にも有用だと思われる指摘をいただきましたので、少し迷ったのですが公開させていただきました。もし問題あるようならすぐ削除しますので、おっしゃってくださればと存じます)
また、当日は、奈良までお越しくださいまして、本当にありがとうございました。
講演後もご挨拶をする機会を逸してしまい、失礼いたしました。
また、レジメについてのご指摘、ありがとうございます。
1)「対症療法」については、ご指摘のとおりで私の誤用でした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E7%97%87%E7%99%82%E6%B3%95
2)「環境とかかわって、学んでいくことの障害」というのは、自閉症に関しては、該当する脳の「仕組み」が損傷されている状態を考えています。それに対して知的障害というのは、全体の情報処理能力が低いけれども、「仕組み」はある、という状態のことになると思います。ですから、おっしゃっているとおり「偏り」と「遅れ」という対比でも表現できると思います。(この辺りは、拙著の1冊めで書いていることと、私の考えかたとしては変わっていませんが、分かりやすさのためにラフな言い方になってしまっています。)
3)も同じですね。「環境とかかわる」というのは、そういう行動のことをいっているのではなくて、そういう脳の情報処理の「仕組み」のことを指しているつもりでした。ですから、位置づけとしては「認知・知覚レベル」になるわけです。でも確かに分かりにくいかもしれません。
4)TEACCHが、「できることを伸ばす」というのは、ABAとの違いを際立たせるための表現だったのですが、確かに誤解を招きやすい表現でした。私の中では、「できる」こと、というのを、潜在的なものも含めて相当広くイメージしているのですが、そうではなくて目の前に現れているものだけという狭い範囲でとらえると、これだとすごくネガティブなイメージになってしまうかもしれないな、と改めて思いました。
ここで言いたかったことをより正確にいうならば「自閉症児者にとって極めて困難なことは無理にやらせようとはしない」といったものになるでしょうか。
ABAには、どこまで行っても「矯正」というニュアンスがついて回るのですが、TEACCHにはそういう思想は薄い、ということを伝えられれば、と思っています。
5)まったくそのとおりです。私自身も「絵カード=PECS」という「誤解」をされないよう、意識しているつもりではいます・・・。(拙著2冊めでも、強く意識してこの2者を区別して書きましたし、今後それに関連するシリーズ記事を用意しています。)
最後になりますが、過分な激励のことばをいただき、恐縮です。
子どもが自閉症だと知ってから、自分なりにいろいろなことを考え、いろいろなことに取り組んできました。
これまで(そしてこれからも)数多くの方に助けられてきましたので、今度は自分が少しでも社会に還元できればいいな、と思って、今回の奈良県自閉症協会さんからのお話も受けさせていただきました。
もともと「障害」というのは本人のみならず周囲の人間にも大きな影響を与えるものですが、特に自閉症については、「親と子の家族関係」という一番根っこのところにいきなり高いハードルができやすい障害だと思います。ですから、何よりまず親である私たちが障害について知り、適切な働きかけを学んで実践していかなければならない障害なんだと思うわけです。
ですから、私が当事者として、親として試行錯誤してきたことを、これから同じ課題に挑戦していく親御さんに伝えていければ、と思っています。
改めて、ありがとうございました。
今後ともご支援のほど、よろしくお願いします。
いえいえ、そんな格好のいいことではないですよ。
記事にも書いているとおり、サラリーマンとしてプライベートの活動としてやっているので無償でやらせていただいている、ということにすぎません。
もし私がフリーランスだったら、むしろ積極的に「適正な対価」をいただくべきなんじゃないか、とさえ思っています。
(頑張っている人が経済的にも報われる、というのは、福祉・療育の世界でも私は正しいことだ、と思っていますので)
ですから、対価を受け取っている方に対して何かいうつもりもないんですね。
ともあれ、私は割と話をしたりするのも好きなほうですから、今後もお声がかかるような機会があれば、前向きに検討していきたいと思っています。
コメントありがとうございます。
また、当日は会場までお越しくださいましてありがとうございました。
質問をされた方ですね。
質問というのは、あらかじめ準備できる原稿読みと違って、その場その場での真剣勝負なので、答えるほうも緊張します。
私としては、あまりいいお答えになっていなかったかなあ、と思っていました。(^^;)
当日、療育関係者の方が多かったということは必ずしもなかったと思います。私の印象としては、逆にほとんどの方が親御さんだったんじゃないかと感じているのですが、これは主催された方でないと実際のところは分からないですね。
うちもけんかはしょっちゅうです。
けんかをするくらい、ちゃんと気持ちがぶつかっているほうが夫婦の関係としては健全なのかもしれません。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします!
そらパパさん、すみません。以前もそう返信されてましたよね。
ABA具体例としては、下記の方が誰もが知っているので適切かも知れません。
http://angel.ap.teacup.com/tsumiki-niigata/124.html
相手の力(好きなものに飛びつく力)を利用して、行動をコントロールする。
神話の時代から伝承されるこの技法。
武術では、合気道として日本から発信され世界で認知されました。
優れた子育て方法としても我が国で定着するといいですね。
コメントありがとうございます。
より「厳密に」応用行動分析的に語るとすれば、「好奇心」という「内面の概念」を行動に還元して定義しなければいけないかな、とは思いますが、面白いお話ですね(^^)。
相手がもともともっている力をうまく引き出して伸ばす(つまり、こちらのやることは、「相手の持っている力を引き出すこと」だ)、という考え方は、TEACCH的な働きかけにも通じると思います。