9. メニューの作成
前回の8-1...8-5のオーサリングの準備の手順がひととおり終わった後に、次のような手順でメニューを設定します。
9-1 静止画を動画フォーマットに変換する
メニューの[メニュー]→[静止画ストリーム(m2v)を生成]を選択し、メニュー用に作成した静止画を読み込み、動画フォーマットであるm2v形式に変換して保存します。
9-2 ボタンの設定
「ボタンの設定」とは、メニュー上でクリックできる場所の設定という意味で、ボタンの形をしていない文字などでも、クリックして選択できる場所はすべてここで設定する必要があります。
「メニュー」ボタンの「タイトルセット・メニューの追加」をクリックしてください。ダイアログが現れますので、先ほど作成したm2v形式の静止画を選びます。次に「オーディオストリームの選択」というダイアログが現れますが、ここではキャンセルを押します。

①の「ボタンの追加」を押し、クリックできるようにしたい場所(ボタンの絵や文字など)を囲うように、画像の周りのスクロールバーと「縦サイズ」「横サイズ」のグリッド(②)をうまく調整してください。さらに、「詳細」ボタンを押して③の「線の太さ」をやや太くし、ハイライト(カーソルがある時の枠の色)とセレクト(選択した後の枠の色)を設定します。(④)
場所や枠の色が決まったら、「動作」を設定します。⑤の設定で、そのボタンを押した場合の動きが決まります。例えば:
jump title 1 chapter xx ... 特定のチャプターにジャンプ
resume ... メニュー選択前の状態に戻る
exit ... DVD再生終了
jump menu xx ... 別のメニューにジャンプ(複数メニューがある場合)
さらに、⑥で音声が、⑦で字幕が選択できます。
すべてのボタンが設定できれば、OKボタンを押して終了です。
10. ナビコマンドの設定
DVDを再生したときに、いきなり動画を再生するかメニューに入るか、最後まで再生した場合に終了するかメニューに戻るか、といった設定ができます。「ナビ・コマンド」ボタンを押してください。
ここで設定できるのは、「ファーストプレイ」(画面左下)と「ポストコマンド」(画面中央)です。
「ファーストプレイ」とは、DVDを最初に再生した時の動作を示しており、ここが初期設定の
メニューがない場合・・・最初から再生
メニューがある場合・・・メニューを表示
という動作になります。メニューがあってもそれを表示せず、いきなり再生開始してほしい場合は、ここを「jump title 1」に変更してください。
一方「ポストコマンド」とは、DVDを最後まで再生した後の動作を示しており、初期設定のexitのままだと再生終了となります。ここを「jump title 1」とするとまた最初から再生するので無限ループとなり、「call menu」とすると、メニューに戻ります。
11. ISOファイルを作成する
これは前回のオーサリングで紹介しませんでしたが、ぜひとも設定したい項目です。
メニューの[ファイル]→[オーサリング後にisoファイルを生成する]にチェックを入れてください。
これにより、DVDのISOイメージと呼ばれるファイルができます(拡張子.iso)。実際にDVDを焼くときには、このISOイメージを使って焼かないと、パソコンでは再生できても、DVDプレイヤーでは再生できないといったことが起こりますので、注意してください。
12. xmlファイルの編集
これは非常にマニアックになりますので、飛ばしてもらってもOKです。
メニューの[ファイル]→[オーサリング前にxmlファイルを編集する]にチェックを入れておくと、オーサリングの直前(オーサリングボタンを押した後)に、xmlファイルが開き、編集することができるようになります。

xmlファイルのイメージと簡単な解説
このxmlファイルは、DVDの動作を非常に詳細にプログラミングできる言語のようなもので、先に説明した「ナビ・コマンド」をさらに拡張したようなものになります。
xmlファイルの文法詳細については、こちらに記述があります。
私がxmlファイルを編集しようと思ったのは、そのままオーサリングしたDVDでは字幕が任意表示になってしまい、ほとんどのDVDプレイヤーでいちいちメニューで字幕表示をオンにしなければならない状態になっていたことが原因です。
可能であれば、ある程度発達の進んだお子さんなら自分でDVDを再生できるようにしたい、そのためには余計な手順はできるだけ省きたい、そう思ったので、字幕を強制表示にすることにしました。
そのための(字幕強制表示の)コマンドは、<pre> subtitle=64; </pre>となります。これを、<titles>のあとの<pgc>と<vob file=...>の間に行挿入して書き加えます。(ブラウザの誤動作回避のため「<」「>」を全角文字で書いていますが、実際はもちろん半角です。)