これは必要な方だけになりますが、私の場合、3.で分離した音声ファイル(.mp2)を加工し、ノイズを除去したりエコーをかけたり、モノラルにダウンミックスしたりという作業が必要でした。キャプチャー時に普通の機材でマルチトラック音声を収録するため、左チャンネルに声のみ、右チャンネルに伴奏のみという録音をしたので、どうしても加工が必要だったのです。
音声の加工に使ったのは、Audacityというフリーソフトです。言語設定が日本語だとダウンロードページにうまく進めないので、英語のページからダウンロードします。ここから、Audacity本体と、外部エフェクトを使うための「VST Enabler」をダウンロードします。
音に反響をつけるためのリバーブエフェクトとして、FreeVerb2(VST version)を入手し、VST EnablerとFreeVerbの両方を、AudacityがインストールされたプログラムフォルダのPlug-Inフォルダの中に入れます。
(私が使った時点でのバージョン1.2.3では派手に日本語が文字化けしていたのですが、現在の1.2.4では改善されているようです。)
これで、Audacityの準備は終わりです。
Audacity
Audacityはmp2ファイルを扱えないので、mp2ファイルをwavファイルに変換します。これには、MPx2WAV32Gを使います。このソフトで、3.で分離した音声ファイル(.mp2)をwavに変換し、Audacityで編集します。
ちなみに私の場合は、こんな作業を行ないました。
1) 左右のトラック(声と伴奏)を別トラックに分離。
2) それぞれのトラックをモノラルトラックに設定。
3) 声のトラックにノイズ除去フィルタを適用。
4) 声と音声のトラックそれぞれにダイナミックレンジ圧縮を適用。
5) 声のトラックにFreeVerbを適用、エコーをかける。
6) 両トラックの音量を調整し、モノラル音声として保存。
次に、加工後のwavファイルを再度mp2ファイルに戻します(戻さなくてもリニアPCMとして使えるかもしれませんが、確認していません)。
これには、TMPGEncを使います。これ以外のツールだと、DVDにしたときに音がおかしくなってしまいました。起動後、ES(Audioのみ)というモードを選択し、wavファイルを読み込んで必要な設定をした上で「圧縮開始」ボタンを押すと、mp2ファイルが書き出されます。
TMPGEnc Plus 2.5:MPEG編集ソフト
複数の音声ファイルを作った場合は、全部がまったく同じサイズになっていることを確認してください。違うものがある場合、ほぼ確実に完成したDVDがおかしな音声になります。
6. チャプタデータを作成する
市販のDVDオーサリングツールだと、簡単にチャプタを作成する機能がついていることが多いと思いますが、残念ながら、字幕入りDVDを作るために使うDVDAuthorGUI-Jはあまり親切ではありません。チャプタ設定は手作業でテキストファイルとして用意します。DVDAuthorGUI-Jにもビジュアルなチャプタエディタがついているのですが、少なくとも私の環境では正しく動作しなかったので、こちらの方法を推奨します。
テキストエディタ(メモ帳など)とビデオ編集ソフトの両方を立ち上げ、ビデオ編集ソフトで、今回の素材のプロジェクトファイルを開き、チャプタを設定したいタイミングをチェックし、テキストファイルに、以下のフォーマットで打ち込んでいきます。
HH:MM:SS.mm
HH 時間(00~99?)
MM 分(00~59)
SS 秒(00~59)
mm 100分秒(00~99)
具体的にはこんな感じです。
ちなみに、先に紹介した「PowerDirector Expert」内での表示は、mmにあたる部分が00~29となっているので、3.3333倍した数値を指定する必要があります。
(次回に続きます。)