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2005年12月19日 [ Mon ]

複数音声・字幕入りDVDを作る(詳細編)(1)

先日、「字幕入りDVD制作ツールのご紹介」という記事を書いたところ、予想外にこの記事へのアクセスが非常に多いので、前回省略した部分も含めて、5回に分けて少し詳しく整理しておきたいと思います。
療育とは直接関係のない話題になりますが、「映像に手作りの字幕を入れる」というのは教材作りなどで活用できるチャンスもあると思いますので、何かの機会に参考にしていただければと思います。

ご紹介するのは、「ビデオキャプチャーなどで取り込んだオリジナルのMPEG2ファイルを、字幕入りのDVDに仕上げる方法」です。
DVDをリッピングして字幕を差し替える・追加するといった方向性とは少し違いますので、その点はご理解ください。
また、ここで言っている「字幕」とは、安価なビデオ編集ソフトの機能としてついている「タイトルや文字の埋め込み」とは違って、市販のDVDに入っているのと同じ、表示したり消したり、あるいは複数の字幕を切り替えられるような、そういう「ちゃんとした」字幕です。
また、今回のDVDでトライした、「複数の音声を入れる」という部分についてもあわせて説明します。両方を組み合わせれば「字幕入り音声吹き替え映像」といったものも作れるはずですね。

1. オリジナルのMPEG2ファイルを用意する
 最初にキャプチャーするMPEG2ファイルは、できるだけ高ビットレート(高品質)であることが望ましいと思います。取り込んだMPEG2ファイルをそのまま機械的にDVDにする場合はそれほど高くなくてもいいと思いますが、字幕を入れるような「本格的な作品」を作るようなケースでは、恐らくタイトルを入れたり切り貼りをしたり色合いを調整したりといった「ビデオ編集」のプロセスが必要になると思います。
 そのビデオ編集の過程で、MPEG2の再エンコードが必要になり、画質が劣化します。その劣化を最小限にするために、オリジナルのMPEG2ファイルをできるだけ高画質で作っておきたいところです。
 ただし、できあがったMPEG2ファイルにコマ落ちがあると、映像と音声を分離して後で再結合したときに音ズレして使い物にならない可能性があるので、マシンパワーと相談して、コマ落ちしない範囲内での高画質を追求する必要があるでしょう。コマ落ちを避けるためには、以下のような方法があります。
 ・ハイパワーのPCを使う
 ・ハードウェアエンコードのキャプチャ機器を使う
 ・ハードディスクを高速なものにする
 ・ビットレートを下げる


2. ビデオ編集ソフトで編集する
 この部分は、やりたい内容によってそれぞれだと思います。編集ソフトには、字幕を入れる機能は必要ありません。ちなみに私は、今回のオリジナルDVDの素材編集のためにこのソフトを使いました。

ソースネクストPowerDirector EXPERT (説明扉付きスリムパッケージ版)
PowerDirector EXPERT
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税込2,970円

 字幕以外の映像の編集はこの段階で全部終わらせます。
 編集が終わった後、映像全体を再エンコードすることになると思いますが、条件次第ではDVD-Video規格を逸脱し、DVDプレイヤーで見られなくなることもあるので注意が必要です。大抵のビデオ編集ソフトにはDVD互換という設定があるのでそれを使うのが安全ですが、マニュアルで設定する場合は以下の点に注意してください。(下記の項目のうち、設定がない・できないものもあると思います)

 1) 映像形式・解像度
 形式はMPEG2、解像度は以下の二択です。もしかするとHalf D1では字幕がおかしくなるかもしれないので、Full D1が無難です。
  720×480(Full D1) / 352×480(Half D1)

 2) 映像ビットレート
 最大9.8Mbps。ただし、ぎりぎりに設定すると実際のエンコードでこれを上回る場合があったり、字幕が表示されなくなる可能性があるようなので、最大8Mbpsあたりに抑えるのが無難でしょう。加えて、DVD-RをDVDプレイヤーで再生すると読み取り速度が遅くなる場合があるので、それも考慮して「本当に安全」なのは、4Mbpsあたりまでかもしれません。
 また、音ズレ防止のためにはVBR(可変ビットレート)よりもCBR(固定ビットレート)の方が安全です。

 3) 音声形式とビットレート
 リニアPCM、ドルビーデジタル、MPEG Audioのいずれか。
 サンプリング周波数は48kHz(48000Hz)が標準ですが、44.1kHz(44100Hz)でも何とかなるようです。→12/23訂正。44.1kHzはダメなようです。ビットレートはリニアPCMが最大6.144Mbps(16/20/24bit)、ドルビーデジタルが最大448kbps、MPEG Audioが最大912kbpsとなっています。
 一般にビデオ編集ソフトが出力するのはMPEG Audioが多いと思うので、この後の話はMPEG Audioを使う前提で書きます。

 4) GOPサイズ
 Iフレームから次のIフレームの手前までの1GOPが最大36フィールド。標準は15〜18フィールドだそうです。

 5) フレームレート
 29.97fps。小数点以下の設定がない場合は30fps(コマ/秒)。

 6) フィールドオーダー
 上位フィールドが先(トップファースト)。

3. 映像と音声を分離する。
 ビデオ編集ソフトから出力されたMPEG2ファイルを、ばっちでまっくすで分離します。(「ばっちでまっくす」は、リンク先から「DVDAuthorGUI-J」のリンクをたどるとダウンロードできます。) TMPGEncを使われている方は、「MPEGツール」で分離することもできます。
 これにより、映像のみの .m2vファイルと、音声のみの .mp2ファイル(音声形式が違う場合は他の形式のファイル)ができます。

→12/23加筆。ここで、ビデオ編集ソフトが吐き出した音声ファイルのサンプリングレートが44.1kHzだと、後で再結合しDVDを作ったときに音がおかしくなるようなので、その場合はサンプリングレートを48kHzに変更しなければなりません。やりかたはいろいろあると思います。一番確実そうなのは、TMPGEncを使う方法です。ちなみに私がやったのは、ffmpegというコマンドラインツール(携帯動画変換君というソフトのcoresフォルダにある)を使って、ffmpeg -i mp2ファイル名.mp2 -ar 48000 変換後wavファイル名.wav と48kHzのwavファイルを作るやりかたでした。

(次回に続きます。)

posted by そらパパ at 23:59 はてなブックマーク | コメント(6) | トラックバック(0) | 雑記
この記事へのコメント
はじめまして九州に住むさくら猫です。
手話を勉強し始めてろう者の方と友達になったのをきっかけに字幕付の貸し出しビデオリストを見て情報の少なさと不便さを改めて知りました。その時自分でも作れないかと思い検索してここにたどりきました。音楽の編集などが好きでよくオリジナルCDやmp3CDを作って楽しんでいましたが、VHSビデオテープのDVD編集を最近始めたばかりでいろいろ勉強になることがたくさん書かれていて感激しています。まだ全部呼んでいないのでじっくり読ませていただきたいと思います。もし解らないことがあったときには質問させていただいてもよろしいでしょうか?手話で知り合った友達の一人には重度の障害を持つお子さんのいる方もいて、私には子供がいないのでわからないことも多く自分なりにしてあげられることが無いかと思っています。ここにはいろんな情報があってとても勉強になります。
Posted by さくら猫 at 2006年03月31日 14:35
さくら猫さんこんにちは。

字幕入りDVD、なかなか作るのは大変ですが、「DVDAuthorGUI」を使えば、コストだけは非常に安く抑えられます。

もし分からないことがあれば教えてください。分かる範囲であればお答えしようと思います。
Posted by そらパパ at 2006年03月31日 22:16
そらパパさんありがとうございます。
先日、手話養成講座入門を終了し、今度基礎課程に進みます。終了式の後、先生方と生徒一同でファミレスに行き打ち上げ〔?〕をしました。先生は聾の方と健聴者の方といらっしゃいますが、健聴者の先生が言われた言葉が印象的で、忘れてはいけないと思いました。それは『手話の勉強が大変だといって健聴者の私たちはやめる事が出来ても、聾唖者の人は止める事が出来ないんだからそう思って頑張って下さいね』と。亀のような速度でも、人と同じと気張らずに無理しないで自分の出来ることをして行こうと思っています。聴覚障害者向けの字幕付ビデオが、どのような形で字幕が入っているのかわからないので、ろう者の方に聞いて字幕付DVD作成挑戦してみます。今日はろう者の方を交えての夜桜花見宴会です。
Posted by さくら猫 at 2006年04月01日 11:27
さくら猫さん、

お花見はどうでしたか? 今日は全国的に雨も降らずお花見日和だったのではないでしょうか?

手話のお話は私たちにとってもまったく同じですね。

自閉症児の療育は頭も体もフル回転させる必要があるので親は大変ですが、だからといって親が努力をやめてしまっては、子どもは自分が「伸びていく道」を失ってしまうわけですよね。
私たちも、そのことを忘れてはいけないと改めて感じました。
Posted by そらパパ at 2006年04月01日 23:33
こんばんは、いつも丁寧にコメントくださって有難うございます。
お花見は残念ながら午後4時くらいから雨が降り出し近くの倉庫を借りて焼肉宴会しました。とっても楽しかったです。
9時までそこで宴会で、その後近くのファミレスで12時位までお話して帰りました。後日いつもはあまり話しをしないのに飲んだら手話〔超初心者〕もスムーズで楽しくてよかったと言われました〔聾者の方にです〕が、私としてはとっても恥ずかしかったです。私自身もいろいろあったので久しぶりに楽しい時間を過ごし、少し羽目を外してしまいました。

私は聴覚障害関連について知らないことが多くて、それなりに知ってるかもしれない人と話していると知っているなら早く教えてくれればいいのにとか、早く教えてよとか思ってしまいました。自分なりに調べたことが無駄だったり恥ずかしいと思うようなことだったり温度差があってなんで???と思いましたが、今まで疑問を感じなかったことが健聴者〔健常者〕だと思いました。

字幕付DVDは挑戦中ですがまだまだ一筋縄ではいかないようですが、頑張ってやろうと悪戦苦闘中です。たぶん近いうちに質問すると思います。入り口でつまずいている不器用ものですので……でも、絶対出来ないと思うまでは出来る人がいるから自分も出来るはずと思っている無謀な挑戦者なのでがんばってみます。

IT無料講習というものに参加してパソコンを始めたのでわからないことも多いですし、掲示板とブログの違いもよくわからないのでご迷惑をかけるかもしれませんがその時はご容赦ください。

ここは聴覚障害についてのブログ〔でよいのでしょうか?〕では無いのに場違いの話ですみません。
Posted by さくら猫 at 2006年04月06日 01:02
お花見は雨が降ってしまいましたか。
でも楽しい時間になったようでよかったですね。

場違いな話ではまったくないですのでご安心ください。
確かにこのブログは自閉症の療育をテーマにしてはいますが、自閉症の療育やそれにまつわる働きかけを通じて、あらゆることを考えていきたいという趣旨でやっていますので、こういったお話もとても勉強になります。

字幕つきDVDは、パソコンのスキルでは中級くらいのものが求められますので、たしかに一筋縄ではいかないかもしれませんが、どうしようもなく難しいというものでもありませんので、いろいろトライしてみてください。
陰ながら応援しています。
Posted by そらパパ at 2006年04月06日 22:33


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