ここで、ふと思いついたので、ここで当ブログでよく売れている商品をランキング形式でご紹介してみたいと思います。(集計期間:2007年9月18日~2008年9月18日、金額ベース)
※ちょっと恥ずかしいので拙著は除きました。もし含めたとすると、一応2冊ともベスト10には入っていました。
第1位
認知発達治療の実践マニュアル―自閉症のStage別発達課題 自閉症治療の到達点2
著:太田 昌孝、永井 洋子
日本文化科学社(レビュー記事)
第1位は、実はこれです。高価な本ですが、コンスタントに売れています。金額ベースだけでなく、件数ベースで集計しても第13位に入ってきます。家庭の療育にも活用できる「課題の事典」です。著者が日本人なので翻訳文でなく読みやすい、というのもポイントかもしれません。
第2位
発達障害のある子とお母さん・先生のための思いっきり支援ツール―ポジティブにいこう!
著:武蔵 博文・高畑 庄蔵
エンパワメント研究所(レビュー記事)
件数ベースだとダントツの1位なのがこちらになります。これも紹介して2年たちますが、ペースがまったく衰えません。こちらは日々の療育にすぐ活用できる「療育ツールの事典と活用法」になります。ボリュームに対して値段も良心的。当ブログ殿堂入り。
第3位
自閉症児と絵カードでコミュニケーション -PECSとAAC-
著:アンディ・ボンディ ロリ・フロスト
二瓶社(レビュー記事)
第3位は、絵カード療育法の1つであるPECSの入門書です。私はこの本は訳が出る前から原書で読んでいました。本書はやや日本語訳に難があるのですが、こちらに私が作成した訳の修正案をまとめてありますので、あわせて活用されることをおすすめします。当ブログ殿堂入り。
第4位
自閉症の子どもたちの生活を支える―すぐに役立つ絵カード作成用データ集
監修:服巻 繁、編:藤田 理恵子、和田 恵子
エンパワメント研究所(レビュー記事)
こうやって見ると、「実践的ですぐに役立つ」本が支持されていることがよく分かりますね。こちらは、「手順をあらわす絵カード」を作るときに役立つ画像データ集です。本当に「画像データ」しか入っていませんので、こちらでA4サイズの紙(または名刺シート)に簡単に印刷して絵カードを作れる自作テンプレートをご提供しています。
第5位
あなたが育てる自閉症のことば 2歳からはじめる自閉症児の言語訓練―子どもの世界マップから生まれる伝え方の工夫
著:藤原 加奈江
診断と治療社(レビュー記事)
この本も長く支持されています。レビュー記事でも書いているとおり、この本は「音声言語を訓練する本」ではなく、「ことばの前提となるコミュニケーションのための環境をつくる本」であって、本を読んで頑張るのはどちらかというとお子さんではなく親御さんのほう、というちょっと変わった本です。そのことを理解したうえで読むなら、非常に有益な本でしょう。当ブログ殿堂入り。
第6位
たのしい手あそびうたDVDブック
うた:井上あずみ
宝島社(レビュー記事)
これは自閉症の本ではなく、「DVDつきの手あそび歌の本」ですが、「DVDを見せてことばの療育」という目的に活用できます。類書がいろいろ出ましたが、この本(とDVD)が一番完成度が高いです。「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」などの宮崎アニメ映画の主題歌を歌った、井上あずみさんが歌っているという、ある意味とても豪華な本。当ブログ殿堂入り。
第7位
自閉症のすべてがわかる本
佐々木 正美
講談社(レビュー記事)
TEACCHを日本に広めた佐々木先生が監修した、自閉症の入門書。発売されてから2年あまりたちましたが、現時点でもベストの「はじめて自閉症を学ぶ本」だと思います。イラスト中心ですぐに読めて、内容も手堅い良書です。当ブログ殿堂入り。
第8位
みんなの自立支援を目指すやさしい応用行動分析学―「支援ツール」による特別支援教育から福祉、小・中学校通常教育への提案
高畑 庄蔵
明治図書出版(レビュー記事)
ABAを教育現場で活用するための本ですが、理論を超えて「ABAを実践する」ということがどういうことなのかが実感を込めてよく分かる、類書にない魅力をもった良書です。初版は若干用語の誤用が目立ちましたが(参考記事)、増刷の際にかなり修正されている模様です。
第9位
自閉症の特性理解と支援―TEACCHに学びながら
著:藤岡 宏
ぶどう社(レビュー記事)
こちらはTEACCHの入門と実践の書です。TEACCHについてはシステムとして語る本が多くて、それはそれで大切なことだと思うのですが、この本の場合、「実践」をとおしてTEACCHの本質が透けて見えてくるという、とても稀有な存在になっています。療育の方向性に悩んだりしているときに読むと、得るものがある本なんじゃないかと思います。
第10位
おかあさん☆おとうさんのための行動科学
著:石田 淳
フォレスト出版(レビュー記事)
ご紹介したばかりのこの本が10位にすべり込んできました。今とても注目されている本だと言えます。自閉症児の療育に欠かせないABA(応用行動分析)の「入口」に立つための、本当にやさしい入門書です。当ブログ殿堂入り。
あまりうまく書けないかもしれませんが、感想などを。
全体的に、テーマごとに比較的短いコラムの集合で構成されていて読みやすく、理解しやすい内容になっていると思いました。プロジェクトマネージメントについての説明もわかりやすく書かれていると思います。はじめて見る人はとっつきにくいかも知れませんが、何度か読めばわかる程度の内容になっていると感じました。私自身、仕事で(新米)プロジェクトリーダーになったりすることもあるのですが、仕事上でもよく課題に挙がる内容(チームメンバーのモチベーションコントロールなど)があり、それに対する対策が明確に書かれているあたりで、そらパパさん本職のやり手ぶりを想像してしましました。また、明日から出来る療育のアイディアの章は妻にも読んでもらっています。我が家の娘は言葉のコミュニケーションはほどほどに(2~3語文)できるのですが、文字、数字はさっぱりなので(文字や数字を教えようとすると嫌がって逃げてしまうもので・・・)、絵カードを取り入れられたらいいかなあと考えているところです。
私自身、娘の療育を「プロジェクト」と捉える視点はなかったので、我が家に取り入れられることがあれば、うまく取り入れていきたいと思います。仕事の数ヶ月単位の小さいプロジェクトと比べれば、とても長期間のプロジェクトなので、家族で良い形で成功させるように、娘にとっても家族にとっても大きな負担にならない程度にがんばろうと思います。
コメントありがとうございます。
また、拙著をご購入&お読みいただきありがとうございます。
私は、いまはプロジェクトの担当ではありませんが、キャリアのなかではそういった仕事をしていた時期もけっこうあります。まあ、うまくやれていたかどうかは分からないですが、いつも痛感していたのは、プロジェクトマネジメントというのは自分以外の力=リソースをどううまくやりくりして、最大限の結果に結び付けていくかだなあ、ということでした。
私は、療育を「プロジェクト」ととらえることで、逆に家族や自分自身がラクになるはずだ、と確信しています。それは、言い換えると、「ムダなことをしない」「うまく時間を余らせて、自分たちの楽しみにも使う」、そういったことだと考えています。
これからもよろしくお願いします。
10位の本を除いて、すべて持っているんです(10位の本もまもなく購入予定です)。
私は本の購入を検討する場合、やはり実践的で、すぐに、もしくは時機に役立つ内容の本をと
思い検討、購入しています。
皆さんが必要としているテーマや情報というものは同じになるものなのだなと改めて思いました。
コメントありがとうございます。
みのじさんがおっしゃっていることが、そのままこのランキングを掲載してみようと思った理由の一番大きなものです。
このベスト10の本はもちろん私もすべて持っていますが(レビューを書いているから当たり前なんですが)、どれも「はずれ」がなくて良書揃いだと思います。
ですから、このランキングも一種の「ブックガイド」として活用してもらえたらいいな、と思っています。
ベスト10、興味深く拝見しました。
幾つか こちらでも買わせていただきましたが、
今夜、また欲しいなぁと思う本も できてしまいました。笑
そらまめパパさんの本、ベスト10に入ってるのなら、ぜひ お入れになれば良かったのに・・。
皆が選んだベスト10のうちの2冊なのですから(^^)
コメントありがとうございます。また、当ブログのリンクを使っていただいてありがとうございます。
このベスト10に登場している本は、半分以上が殿堂入りしている本ですし、ハズレのない良書ぞろいだと思います。
自分の本を外したのは、そういういい本をより多く紹介したかったから、ということもありますね。
ちなみに、ランクはたしか4位くらいと8位くらいだったと思います。(どっちがどっちだったかは忘れました。)