自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト ~お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育
著:そらパパ
ぶどう社
私のブログをご覧になったという方のつてで、ぶどう社さんと最初に会ったのは去年でした。
その時点では、まだ前の本を出してからそれほど日がたっていなかったこともあり(私なりに、前の本で、その時点で書けることは全部書いた、という気持ちでいたので)、もう1冊本を書くという具体的なイメージがなかなかわかず、雑談をする程度で終わりました。
でも、その後少しして、「療育をプロジェクトとしてとらえて、家族の役割を再定義する」というコンセプトをひらめきました。このテーマなら、面白い本が書けるかもしれないし、まだ自分自身にも書きたいことが(本を1冊書けそうなくらい)たくさんある、と思ったわけです。
そこで、さっそくコンセプトを簡単にまとめた企画書を作り、ちょうど話をいただいていたぶどう社さんに送ってみることにしました。
その企画書をベースに具体的な話が始まりましたので、本書は、最初のきっかけはぶどう社さんのほうから作ってもらったのですが、実際には私からの企画の持ち込みに近いんじゃないかと思っています。(企画を採用していただいたぶどう社さんに感謝、です。)
最初に書きあがったのが第2章、第3章、第6章あたりで、そこから全体の構成を考えて第1章、第4章、第7章を追加し、最後に後半の実践編を大幅改訂したときに、第5章を書き加えました。
ボリューム感をほとんど意識せずに書き進めていったので、当初の原稿のボリュームは、いまの最終的な姿の倍近くあったと思います。そこから、思い切ってばっさばっさとカットして現在のA5版・192ページの分量にまで絞りこみました。相当苦労して削って現在の姿になっていますので、文章の密度としてはかなり濃いものになっているのではないかと思っています。
原稿の完成が見えてきたあたりから、こんどはそれを「本」という形にするための作業が始まります。
まずタイトルですが、「自閉症」ということばで始める、ということが最初に決まりました。
これは主としてマーケティング的な観点によるものです。この本は、自閉症に関心のある人が想定読者になりますから、例えばネット書店で「自閉症」で検索してちゃんと出てくるとか、リアル書店で間違いなく「自閉症」のコーナーに置いてもらうとか、実際に書店で並んでいるときに「自閉症」という文字が目に入りやすい、といった理由から、「自閉症」というキーワードで始まることはかなり重要になってくるわけです。
加えて、私は「プロジェクト」ということばを入れたい、と思っていました。
何より、「自閉症の療育は家族の一大プロジェクトだ」という考えが本書の出発点になっているので、そのニュアンスが少しでも伝わる書名にしたかったからです。
そういった要素を考えながら、いろいろ検討した結果、このタイトルになりました。
当ブログとの「つながり」を明示するために、サブタイトルには当ブログの名前を入れることにしましたが、「お父さんの(自閉症療育)」と言い切ってしまうと読者を限定しすぎてしまうし、そもそもこの本はお父さんのためだけのものではないので、「お父さん『も』がんばる!」と、少し表現を変えました。(むしろ、当ブログの名前もこっちに変えてしまったほうがいいような気もしています(笑)。)
本のタイトルに「そらまめ式」という名前が入ったので、カバーのデザインも「そらまめ的」になりました(笑)。
デザインということでいうと、当ブログでずっとイメージキャラクター?として頑張っている「そらまめちゃん」(ブログの右上にいます)も、今回登場しています。
今回も文章中心の本になったので、各章のトビラなどにアクセントとしてイラストを入れたい、というぶどう社さんの意向もあり、「もしかしたらこれが使えるかも」と、昔、妻に書いてもらった「そらまめちゃん」のイラストを引っ張り出してきたわけです。
このイラストを妻に描いてもらったのはもう2年半も前になりますが、当時描いてもらってデッドストックになっていた、いろいろな表情の「そらまめちゃん」を、ぶどう社さんのほうで改めてイラストとして描きおこしてもらって使うことになりました。ちなみに、表紙で使っている家族3人のイラストは、ぶどう社さんに新たに描いてもらったものです。実は、私はふだんメガネをしておらず、妻はしているので、このイラストとは逆になるのですが、「イメージ」としては確かにこっちのほうがしっくりくるということで、こうなっています。
本のカバーの折り返しの紹介文も、自分で書きました。内容の参考になると思うので、以下に引用させていただきます。
この本は-
これから自閉症児への取組みを
進めていこうという親御さんにとって
必要な知識とその実践方法を、
雑多な知見の寄せ集めではない、
本当に役に立つ情報・指針として
提案するものです。
重度の自閉症児の父親として、
子どもと家族のために
試行錯誤を繰り返してきた経験と、
認定心理士として学んだ
心理学の知識とを活かし、
私自身が、子どもの障害を
初めて知った当時、
「こんな本があったらいいのに」と
願っていた、まさに「そんな本」に
なることをめざしました。
仕事で忙しいお父さんも無理なく
自閉症児の子育てに参画できる、
新しい家族の役割モデルを、
当事者ならではの視点から
明快に示し、家族の幸せづくりを
お手伝いします。
子育て・療育のための
支援を求めている親御さんに
的確なアドバイスをしたいと
考えている専門家の方にも、
ぜひ。
今回、面白いなあと思ったのは、前著の新曜社さんと、今回のぶどう社さんで、本の作りかたが全然違ったことですね。
新曜社さんは、基本的に全部こちらに任せてもらっていて、原稿のやりとりや打ち合わせも基本的にe-mailで行なっていた(最後の赤入れも宅急便)のですが、ぶどう社さんの場合は、対面での打ち合わせを重視されていて、実際に何度もオフィスに足を運ばせていただきました。
内容についても、細部にいたるまで読み込んでいただき、鋭い指摘を受けながら進んでいったので、原稿を仕上げるのは大変でしたが、学ぶところも大変多かったです。そういった指摘をいただいたおかげで、本書の構成も当初のものから一皮むけて、より完成度の高いものに仕上げることができたと感謝しています。
情報です!!
このたび、ぶどう社さんの新聞広告が、8/24の朝日新聞一面(西日本については、8/27)に掲載され、そこでこの本も紹介されることになりました!
朝日新聞を購読されている方は、よろしければぜひご覧ください。