いちおう(笑)、この連載は「自閉症の子どもと暮らす」がテーマで、実際に今回の家づくりではそのことを常に考えながらやってきたので(記事としては脱線しまくりだったのですが)、最後に改めて、今回の家づくりで療育の観点から配慮したことと、実際に住んでみたあとでのその効果について振り返っていきたいと思います。
まず、土地選びの段階で考えていたこと。
1.都心ではなく、郊外の特別支援学校高等部に越境なしで通えるように、「住み替え」によって学区を変える。
もともと、住み替えを決意した大きな要因だったのが、前の家に住み続けていた場合、学区の関係上、長女が通うことになるであろう特別支援学校高等部が都心方面になり、かつ交通の便が異様に悪く、ラッシュアワーのなか乗り換えありの電車とバスを乗り継いで片道2時間近くかかってしまう(スクールバスもなし)という問題を解決することでした。
この件については、当然ですが、思ったとおり、学区を変えることで希望だった郊外の高等部に通わせることができています。(自力で電車通学はできないので妻が車で送迎していますが、広くてそれほど渋滞のない道路を片道15分くらいです)
一方で、これはちょっと想定外だったこととして、住み替えたのは長女が中学生のときだったのですが、そのときのスクールバスのバス停が1キロ近く先にしかなくて(前の家のときは100mほどだった)、バス停までの送迎の負担が大きかったことです。長女を送っていくだけではなく、下の子も連れて行かなければならなかったので(長女が中1〜中3の間、下の子は0歳〜3歳)、だっこしたりベビーカーに乗せたり自転車の子ども乗せに乗せて押したりと、苦労していました。
実際に転校してからでないと、スクールバスの情報などは学校も教えてくれないので、この点については事前に読めませんでしたね。
また、前の家での学区の特別支援学校高等部については、親からの要望が強くてスクールバスが走るようになったそうで、実は引っ越す必要なかったかな?という話にもなったのですが、よくよく聞いてみると、本数もルートも限られていて、前の家からはかなり使いにくそうだということが分かりました。
それに、実際のところ、スクールバスがあったとしても、いろいろな理由で直接学校に送っていったり迎えにいったりするケースもしばしばありますから、やはり問題は残っていただろうな、と思います。
ですので、「学区を変える」という目的については、当初のもくろみどおり達成されて、うまくいっていると結論できるでしょう。