前回も書いたとおり、外構工事のなかでもフェンス・門塀工事というのは非常にコストのかかる工事なのですが、実際にプランを立てていくにあたっては、大きく2つの領域に分けることになると思います。
まず1つめは、道路に面する間口部分「以外」、つまり道路ではなく隣の土地に接している境界に対するフェンスです。
この部分というのは、大雑把にいえば、自宅の建物や他の家などに隠れてあまり目立たないため、それほどコストをかけなくても家全体の外観に大きなマイナスの影響を与えません。
一方で、隣地との境界があいまいなままでは、自転車や物置やゴミ箱といったものを越境して置かれてしまったりといったトラブルのもとになりますから、フェンスを立てずにオープン境界のままにするという選択は基本的にはなく、しっかりフェンスを立てて境界を明確にすることが必要です。
ですから、この「間口以外の境界」については、「機能性」を重視し、シンプルなフェンスを建てることで費用を抑えるのが基本戦略になるでしょう。
一方、道路に面する間口部分については、考え方の方向性がかなり異なります。
まず、間口部分というのは道路に面しているので、フェンス等で囲う必要が必ずしもありません。
それどころか、仮に間口をがっつり塀で囲ってしまったら、駐車スペースを作ることができなくなってしまいますし、玄関から入ることもできなくなってしまいます。
つまり、間口部分に作るべきは完全に囲ってしまう「塀」ではなく、囲ったとしてもそこから(人や車が)出入りできる「門」だ、ということになります。
また、そもそも間口部分はまったく門塀で囲わず、オープンにしてしまう「オープン外構」というのも、最近はごく一般的です。
オープン外構は明るく開放的になるのに加え、むしろ防犯面でも周囲の目に晒されるため安全だとも言われてます。
そして、間口を門塀で囲うのであれば、それは家全体の外観イメージに対して決定的な影響を与えます。
安っぽい化粧なしのブロックとスチールフェンスで囲うというのはあまりにもみすぼらしくて考えられません。
建物のテイストにも合致した、それなりにコストをかけた資材を選択することが、間口の門塀工事ではどうしても必要になります。