話の内容としては、
「つなぎ融資を受けてほしい」
という話でした。
それに対するこちらの最初の回答は、
「話が違う」
でした。
もともと、銀行の(建物用の)住宅ローンが、建物の引き渡し時にしか下りないタイプのもので、一方でビルダーのほうの当初の主張では、建築請負契約の時点から段階を追って(請負契約時、着工時、引き渡し時)分割で払ってほしいと言われていたので、最初の契約時にその点でもめた経緯がありました。(それについては既にこのシリーズ記事の最初の方で書きました)
結局、当時のビルダーの店長が本社にかけあってくれて、契約金額を引き渡し時に一括後払いでOK、という話になっていました。
それを前提に「契約金支払いスケジュール」も作成されお互いに印鑑を押し、実際に建築請負契約締結時には支払いを行なっていなかったわけです。
ところが今回、ビルダーからは「着工時には当社ルールに従った所定の割合を支払ってほしい。そうしないと社内決裁が下りない」と言われたのです。
私「そんなこと言われても、銀行のローンが引き渡しまで下りないです」
ビルダー店長「当社の提携するつなぎ融資を受けていただこうと思っています」
私「契約書に、支払いは最後の一括でいいと書いてありますよね」
店長「はい。…そうなんですが、どうしても着工の時点でまったくいただけないというのでは本社の決裁が通らないということになっておりまして」
私「それは、まったく話が違うということになりませんか?」
店長「申し訳ありません。ただ、前任の店長がどういう経緯でこういう契約書になったか分からないのですが、通常、当社ではこういう一括払いというのは考えられないのですよ」
…そうなのです。
実は、契約の時点からまだ半年もたっていなかったのですが、ビルダー事務所のメンバーはほとんど全員替わってしまっていたのです。
店長も、担当営業マンも、仕様打ち合わせの担当社員も、現場を担当するはずだった工事責任者も、全員別の人になってしまっていました。
この業界、仕方のないことなのかもしれませんが、社員の定着率が悪すぎてこの点は苦労させられました。
なので、「当時約束した話」も、口頭レベルのものは全部消えてしまっていました。「無償での仕様変更の約束」など、出来る限り書面に残すように意識していたことで、相当助かりました。
新店長「ですので、こちらにも落ち度がありますので、つなぎ融資の金利と保証料は当社で負担します。お客様にはお送りする書面に記入して返送いただければ、それ以上ご負担をおかけすることはありません」
ということで、結局説得されて、つなぎ融資の実行をOKすることになりました。
これで、ようやく着工に向けてすべてが動き出すことになりました。