2017年03月27日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(109)

さて、内装の色ということでは、次に残る大物として「壁紙」があります。
壁紙については、建売の家で最初に貼られていた壁紙が安物ですぐにだめになったこともあって2回ほど張り替えていましたし、その後購入したリゾートマンションでも壁紙交換のリフォームをやっていたこともあり、「我が家にとって壁紙に何を求めるのか」というのは割とはっきりとわかっていました。
それは、

・耐久性

です。

いま、壁紙にはさまざまな種別があり、高いお金を払ってもいいのであれば、ラメの入ったキラキラした壁紙や樹脂製のパネルのように見える壁紙、でこぼこした塗り壁のような立体的な壁紙など、強烈な個性を発揮させることも可能です。
ただ、我が家にとって重要なのは、多少こすっても破れたりせず、例えば汚れがついたときに洗剤やアルコール(あるいはただの水拭き)でこすれば汚れが落ちてすぐに壁紙がだめになってしまったりしない、子どもがぶつかったり、パニックでゴンゴンやったりして石膏ボードが割れて壁が凹んでしまったとき、一般的な修復業者が安い値段で修理できて、壁紙交換も修復箇所の周囲だけで住む(壁一面の交換が必要とならない)といった、メンテナンスの容易さです。

壁紙メーカーのカタログを見れば、ビルダーが標準価格で施行してくれる安い壁紙の中でも、1割くらいは「高耐久性壁紙」といった名前がついていて、上記のような希望に合致する強さとメンテの容易さを備えています。
ですから、そういった壁紙の中から選ぶことにしました。

壁紙を選ぶ際、カタログを見ているとどうしても「平凡すぎるものはつまらない」といった意識が働いて、ちょっと色がついていたり、模様が強めに入っていたりするものを選びたくなりますが、実際に住んで以降のことを考えると、そういった凝った壁紙は避けて、シンプルでプレーンなものを選んだほうが飽きがこないと思います。
色についても、余計な色を意識させない、プレーンな白のほうが、部屋に広さを感じさせる効果があると思います。

また、部屋ごとに壁紙を変えてみたい、といった気持ちも出てくると思いますが、たとえば何らの事情(汚れ、凹み、穴開き、エアコンの取り付け等)などで部分的な壁紙の交換が必要になったとき、部屋ごとに壁紙が違うと、それぞれの壁紙を用意しなければならなくなったりしてとても不便です。
メーカーが壁紙のラインナップを入れ替えて、同じデザインの壁紙が手に入らなくなったりということも少なくありません。
なので、部屋ごとに壁紙を変えることも必要最小限にして、かつ、ビルダーに話をつけて、余った壁紙を少し分けてもらって物置などに保管しておくようにするのがいいと思います。

そんなわけで、我が家で最終的に採用した壁紙のラインナップは、だいたいこんな感じになりました。

・トイレ以外の全部屋の壁:高耐久、ベージュ系の落ち着いた白、ファブリック系のプレーンな模様ありの壁紙
・トイレの壁:高耐久、小さな花の柄の入った白の壁紙
・天井:コンクリート的な真っ白でやや光沢性のある壁紙(天井の壁紙が破れる・汚れることはほとんどないので、高耐久ではなく、部屋の広さを感じさせてくれる色を選びました)
・梁型:木目


この中では、最後の「梁型」のところに工夫を盛り込んだのですが、それについては次回触れたいと思います。
posted by そらパパ at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2017年03月20日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(108)

内装仕様の続きです。
建材のメーカー(ブランド)を決めたあと、今度はそのブランド内でのオプション設定を決めていかなければなりません。

その最たるものが「色」になりますが、実はここで若干の夫婦での対立?がありました(笑)。
妻は、建材をダークブラウン系にしたいと考えていました。そのほうが追いついた雰囲気があっていい、ということでした。
一方、私はナチュラルウッド系の明るい茶色にしたいと考えていました。
濃い色はおちたホコリなどの汚れが目立ちやすいということと、視覚的に圧迫感を与えて部屋を狭く見せてしまうということを気にしていたわけです。

そして、いろいろ話し合った結果、間をとって(?)ツートンカラーで行けないだろうか、というところに落ち着きました。
具体的には、フローリングは(ホコリの目立たなさと部屋を広く見せる視覚的効果を期待して)ナチュラルウッド系の色、ドアは雰囲気重視でダークブラウン系の色、という組み合わせにするということです。
それ以外の建材についても、「地面に対して水平な建材はナチュラルウッド系」「地面に対して垂直に立っている建材はダークブラウン系」という基本的な整理をつけて、どちらかの色に振り分けて色を指定することにしました。
ビルダーに聞いてみると、「2色までは複数の色の組み合わせでも無料でできます」ということだったので、この方向でいくことに決めました。

とはいえ、実際に色を指定していこうとすると、このツートンカラーの指定はいくつか苦しい点もありました。

ドアについては、ドア自身はダークブラウンでいいのですが、ドアを囲むドア枠について、開き戸だと床面だけ枠のない三方枠なので全部ダークブラウンでいいのですが、引き戸の場合レールのある下の枠もあります。
これをダークブラウンにしてしまうと、ナチュラルウッドの床材に対して非常に違和感があるので、(本来はできないそうですが)無理をいって下のレールだけナチュラルウッド、残り三方はダークブラウンという色の組み合わせにしました。

また、「窓枠」についてはガラスもセットになったサッシということでノダの建材ではなくLIXILのサッシ扱いで、こちらは複数の色が指定できませんでした。室内側と室外側で別の色が指定できるということで、室外側は外壁にあわせてグレーで簡単に決まったのですが、問題は室内側です。
外断熱のため窓枠の奥行きがかなりあり、全部の窓枠が出窓みたいになっていることもあり、「水平性」が強いという判断から、ダークブラウン系ではなくナチュラル系の色に決めました。

ところが、そうすると今度は、「勝手口ドアがナチュラルウッド」という問題が生じました。
勝手口ドアだけは、内装建材ではなくサッシ扱いだったので、他のドアが全部ダークブラウンなのに、勝手口だけナチュラルウッドになってしまいました。ここはビルダーから「(色の変更は)お金を追加してもらってもちょっと無理」と言われたのでそのままナチュラルウッド系のドアになりましたが、ちょっと失敗したなと思っているポイントではあります。

それ以外では、階段は手すりもふくめてナチュラルウッド、巾木は「垂直」ではあるもののダークブラウンにすると明るい床と白い壁紙の間で主張しすぎるということでナチュラルウッドにしたので、概ね「ドアとドア枠以外はだいたいナチュラルウッド」という色になりました。
一方で、キッチンのシンクや食器棚のパネルの色や、オープンスペースに設置した本棚や収納棚などはすべてダークブラウンで統一したので、「ぱっと周りを見渡したときに感じる色」としては、意外とダークブラウンが強くもなっています。
(ちなみに、この色味の組み合わせで、私も妻もどちらも満足できたので、その点は大成功でした。)
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2017年03月13日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(107)

内装については、大きく「無垢フローリング(1階)」と「窓枠四方枠と巾木あり」の2点の仕様変更を行なったうえで、それ以外の部分について、ハウスメーカーの指定する範囲で仕様を選んでいきました。

今回、内装一式を選べるメーカー・ブランドは、5つくらいありましたが、まず注目したのはフローリングの材質です。
1階こそ無垢フローリングになりますが、2階とグルニエについては標準仕様のフローリングになります。そして、標準仕様のフローリングというのは合板になりますが、その表面の木の厚みや材質が、建材ブランドによって意外に大きく違ってくるのです。
まずここで外したのが、そもそも表面に木を使っておらず、木繊維を混ぜ込んだ樹脂を使っているもの
実際に実物も見てみましたが、表面の光沢が不自然で人工的で、またネットなどでの評判も悪かったので、まずこのタイプを外しました。

そのうえで、今度はネットで建材カタログを読み込んで、引き戸の価格を調べました。
というのも、室内ドアについては、追加コストなしでつけられるのはプレーンな開き戸のみで、引き戸や折れ戸などそれ以外のドアはすべて追加コストが発生してしまうからです。(しかも、そのコストが意外にも高いのです。)

今回、引き戸は3か所に使うことにしました。
1つは、1階のトイレです。
こちらは療育に関係があり、介助の際にドアが邪魔にならず、おおきく開口部を作るために、引き戸を採用することは必須でした
もう1つは、こちらも以前子育ての方針を踏まえた間取り、というところで触れた、子ども部屋と親の寝室となる和室との間を仕切る間仕切り壁がわりの扉です。
これも扉の性格上、引き戸しかありえません。しかも1.5間分を間仕切る、かなり大きな(それだけ高価な)引き戸になります。
あともう1つは、ウォークインクローゼットの扉です(これを開き戸にすると著しく収納力が落ちるため)。

これを調べた結果、メーカー・ブランドによっては、引き戸の価格(特に2階に設定しようとしている巨大な引き戸)がびっくりするほど高かったり、あるいは希望するような構成の引き戸がそもそもなかったりして、検討対象から外れていきました。

そして最後に、フローリングに使われている合板の表面の木の厚みができるだけ厚いもの、室内ドアの外観の好みといったものを考慮して、メーカーを絞り込みました。
ちなみに最終的に選んだのは、ノダのビノイエになりました。
今回使おうと思っている引き戸の価格が比較的安かったこと、フリーリングの表面材の材質の印象が良かったこと、標準仕様のドアのつくりが他のブランドに比べて立体的で重厚感があったこと、開き戸のつなぎに蝶番ではなくピボットが選べたことなどが主な理由です。
浅草橋のノダのショールームにも複数回足を運んで、ドアやフローリングの材質感を確認したり、色味のオプションを決めたりしました。

posted by そらパパ at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2017年03月06日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(106)

間取り以外の家の「仕様」の選定について、主要なところから、水回り、外観と書いてきました。
残るは、内装関連とその他マイナーな決定項目になります。

内装については、フローリング、室内ドア、窓枠、階段と手すりなどの「内装建材一式」をセットでまずどのメーカー・ブランドにするかを選び、そのうえで、そのブランド内でドアの模様や内装の色などを選んでいくという2つのステップを経ることになります。

ただ、ここでベースとなる内装を選ぶ前に、追加コストを払って仕様を変更した点が2つありました。

1つは、1階のフローリングを無垢フローリングとすること

注文住宅を建てるとき、おそらく多くの方が無垢フローリングを検討されると思います。
我が家も、これから大きくなる下の子が気持ちよく歩き回れるため、また私たち大人も気持ちよく生活できるため、見た目も足の踏み心地もいい無垢フローリングの採用をずっと検討していました。
ただ、だいたいどのハウスメーカーも、見積もりをとると最低でも50万円くらいはかかってしまう(1階だけで)ので、ちょっと予算的に厳しいかな、と思っていました。
ところが、今回契約したハウスメーカーにはオプションメニューで「無垢フローリングへの変更」というのがあり、材質にもよりますが、1階全部を無垢フローリングにしても10万円台と格安だったのです。
そこで、1階全部(キッチン含む)を栗の無垢フローリングに仕様変更しました。
実際に住んでみると、木目のはっきりした無垢フローリングは視覚的にもとても映えますし、足ざわりもまったく違い、裸足で歩くのがとても快適です。傷はつきやすいですが、ついても目立たないので、傷がつくこと自体を気にしないのであれば特に気にはなりません。

あと、もう1つの仕様変更は、いわゆる「内装の基本仕様」を保守的なほうにシフトすることです。

今回のハウスメーカーも、最近のトレンドに漏れず、窓枠は三方クロス巻き(下だけ木枠で、上と左右は枠を設けずにクロスを張るだけ)、巾木(内壁の下部分、床との境目に回す板)なし、廻縁(壁の上部分、天井との境目に回す木)なし、という、いわゆる「なしなし仕様」でした。
これもまたモダン志向の標準仕様なわけですが、やはり建物の耐久性を悪化させ、壁紙も汚れやすくなるということで、

・窓枠は四方枠(上下左右すべてに木枠を入れる)
・巾木あり
・廻縁はなし


という仕様に変更しました。
廻縁だけは、壁紙張りの精度さえ高ければ、あまり耐久性には影響しなさそう(あと、天井が多少なりとも高く見える)ということで、「なし」のままにしました。
この仕様変更も、それなりの追加コストになりましたが、これは譲れないところです。
とはいえ、この仕様変更は契約前の見積もり条件に入れていましたので想定内で、契約後にコスト増になったわけではないです。
posted by そらパパ at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
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