2017年02月27日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(105)

さて、屋根に関連して一つ、これは間取りについて書いていたときに触れても良かったのですが、もう1つ考えていたのが、

軒と庇

についてです。

軒というのは、簡単にいうと屋根が建物から出っ張っている部分のことです。これをさらに分けて、屋根の傾斜に対して同じ方向(雨水が落ちていく方向)の出っ張りを「軒先」、直角の方向(雨水が落ちない方向)の出っ張りを「ケラバ」ということもあるようです。

この軒ですが、最近の家づくり、特に都心部などでは、建築面積の狭さやコストダウン、そしてデザイン的な見た目の美しさなどから、軒をまったく作らなかったり、非常に短い軒にしたりすることが多くなっています。
実際、今回、最初にビルダーが作ってきた図面では、ベランダの上の「軒先」が25cm程度、「ケラバ」にいたっては10cmほどしかありませんでした。

でも私は、木造の家には軒は絶対に必要だと思っています。
軒があることで建物の外壁に直接雨が当たることが避けられ、また真夏の強烈な日差しが外壁を劣化させることも防げ、木造建物の耐久性を大幅に向上させることができると考えているからです。
それだけでなく、窓からの真夏の日差しや雨が入り込むことを防ぐ効果も期待できます。

ですから、その図面を見て、私は即座に「軒先とケラバをもっと伸ばしてほしい」とお願いしました。
ただ、どちらについても、あまり伸ばすと土地の斜線制限などに引っかかるため、間取りや配置を変えずに可能な範囲で伸ばすように依頼しました。
その結果、軒先もケラバも45cm(1/4間)とすることになりました。

そのうえで、さらに窓からの雨の侵入やサッシ周りの耐久性向上のために、原則、家のすべての窓の上にアルミ製の「庇(小さな屋根)」をつけることにしました。(2階やグルニエで、軒やケラバが庇の機能を果たせる窓についてはつけませんでした)
こちらは追加のオプションで庇1つあたり2〜3万円でつけることができたので、たくさんつけた割にはそれほどのコストアップにはなりませんでした。
また、玄関のドアの上のアルミ庇もオプションだったので、これもつけました(これだけはサイズが巨大だったので10万円以上しました)。

これらの軒と庇、そして横滑りだし窓の配置などのおかげで、新しい家は、どの窓を開けても雨の入り込みが少なく、小雨程度なら気にせずに窓を開けて換気できるようになりました
外観的には、最近のモダン住宅っぽい凹凸の少ない無機質な箱的なところからはやや外れ、屋根の軒が伸び庇があちこちについたことで「屋根っぽいものの出っ張り」が強調された家になりましたが、それはそれでありかな、と思っています。
そして、そういうこともあるので、今回の家のデザインのベースはいわゆるベーシックなシンプルモダンに置きつつも、建物だけでなく外構も含めて、あまり無機質さを強調せずにディテールでいろいろな表情をつけることを意識するようにしました。
posted by そらパパ at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2017年02月20日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(104)

さて、外壁に続いて、外観の仕様上重要な選択となるのが「屋根」です。

そもそも、屋根については、大きく分けると次の3つの選択肢があります。

・瓦(陶器)
・スレート(セメント板)
・金属板


今回のハウスメーカーでは、この3つのいずれも、希望すれば選ぶことができましたが、標準プランで選べるのは「スレート」だけで、それ以外はゼロからの見積もりになるため大幅な(数十万以上の)コストアップになります。

実際のところ、瓦は重くて家の耐震性を弱めますし、金属板は最近は「ガルバリウム鋼板」というのが流行っていますが実際に使っている家を見ると個人的には「トタン屋根」にしか見えず安っぽい印象しかない(個人の感想です)ので、どちらも選ぶ理由がありません。

それに、実はハウスメーカーを決める前から、私には使いたい屋根材がありました。それは、

ケイミューの「コロニアル遮熱グラッサ

です。

もともと、屋根材の選択にあたって、最優先したのが遮熱性でした。
メーカー選びのときにも書いたとおり、それまでの家の最大の不満の1つが、まるで車の中のように、夏には60度を超えてしまい、プラスチックやゴムを使っているものを置くことができないグルニエでした。
新しい家を作るにあたっては、12畳を超えるような特大のグルニエを作るつもりでしたから、そのグルニエに何でも物が置けるよう(かつ、夏でも倒れずに中に入って荷物の出し入れができるよう)、あらゆる手段を講じるつもりでした。
その「手段」として、グルニエ全体に風が通るような窓の配置や、屋根にも外断熱を採用するハウスメーカーの選択などがあったわけですが、もう1つ、絶対に外せない対策として、遮熱性に優れた屋根材の採用というのがあったわけです。

そして、そんな希望に最も応えてくれそうだったのが、このケイミューの「コロニアル遮熱グラッサ」だったわけです。
まさに「遮熱性」に付加価値をつけたこの屋根材は、メーカーの説明によれば、屋根裏の気温を通常の屋根材よりも10度から最大20度近くも下げることができるということで、まさに「これしかない」という屋根材でした。
ちなみに、その遮熱性能は屋根材の色によって大きく変わり、最大の遮熱性能を発揮するのは「ホワイト」でした。
ですので、我が家の屋根の色は白になりました。
白い屋根というのはちょっとデザイン的に大丈夫かと心配でしたが、実物を見てみると白というよりはシルバーっぽいグレーでしたし、家全体がモノトーンなので不自然さがないし、下から見ると屋根はほとんど見えないくらいだったので、全然問題ありませんでした。

この屋根材、標準プランで選べるものよりはやはりワンランク上のグレードでしたが、これについては契約前の見積もりの時点から組み込んでいた話だったので、契約後にコストがアップするということはありませんでした。

そして、建った後に実際に確認してみると、真夏で外が40度近くの猛暑になっても、グルニエは外より気温の低い30度台にとどまり、エアコンをかけない2階とまったく同じ気温までしか上がりませんでした
屋根裏としての熱のこもり、上昇がまったくなかったわけです。もちろん、エアコンなどをかけない状態での室温です。
これは、期待以上の結果でした。

コロニアル遮熱グラッサ(ホワイト)と屋根外断熱工法の組み合わせは、おすすめですよ。
posted by そらパパ at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(103)

外壁について、サイディングを採用しつつ、サイディングでは避けられない「シーリング剤によってデザインが断絶して『板を並べて張ってます感』が出てしまう」ことを避けるためにやったこと、それは、

シーリングがデザインを断絶させないようなデザインのサイディングを選ぶこと。

でした。

シーリングというのは、サイディングの切れ目を縦横に格子状に横切っていき、かつその部分は立体的にはサイディングの「凹んだ部分」の高さになります。
だとすれば、サイディング自体も「縦横に規則的に凹みが走っていて、ちょうどシーリングが来る場所はパターン的に『凹みライン』となるようなデザインであれば、シーリングがサイディングのデザインを分断しないことになるので、目立たなくなるはずなわけです。

実際、たくさん見たサイディングの家の中で、いくつかの家の外壁はそのようなデザインのサイディングを採用していて、サイディングの境目のシーリングが非常に目立たない、遠目にはどこで切れているかまったくわからないものがありました。
そういった家を参考にして、使えそうなデザインパターンのサイディングを絞り込み、一部はメーカーのショールームに行って、一部はビルダーのモデルハウスの中の仕様ルーム(仕様の打ち合わせのために使う部屋で、部屋に入る範囲で建材のサンプルやカタログなどが置いてある)で実物を見て、採用するサイディングを決めていきました。

ちなみに、このような条件に合致するサイディングのデザインパターンは、大きく分けると2種類です。

1つは、正方形のタイルのようなパターンが規則的に並ぶもの
もう1つは、細長い石を規則的にはめ込んだようなパターン
いずれも、タイルや石がはめ込まれていない隙間部分が格子状になり、それとサイディングの切れ目のシーリング部分がシームレスにつながるようなパターンになっています。

ただ、実際に実物を見てみると、「細長い石」のパターンは、サイディング内の「石のない部分」の隙間が狭く、シーリングによって生まれる格子パターンとは完全に溶け込まないことが分かったのでやめました。
一方、タイルパターンについては「隙間」が広くてシーリングの格子パターンと完全一致させることが可能とわかり、こちらを選ぶことにしました

残った問題は、「色」です。
今回の家は、外観をグレーを基調にしたモノトーンでまとめることにしていたのですが、タイルパターンのサイディングはハウスメーカーの標準プランの範囲では選べるバリエーションが少なく、オプションで若干の追加コストを払ってワンランク上のサイディングを選ばないと、イメージに近いモノトーンの外壁にならないことが分かりました。
少し検討した結果、やはり外壁は外観の超重要な要素なので安易な妥協はしたくないし、また上のグレードのサイディングだと耐久性などが上がるメリットもあるので、追加コストを払ってオプションの上位グレードのサイディングを選ぶことにしました
posted by そらパパ at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2017年02月06日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(102)

ホームビルダーの設定する「標準プラン」で、ユーザーが選べる「オプション」が設定されているものとしては、これまでに触れた、キッチン・浴室・洗面台・トイレという「4大水回り」がその筆頭に挙げられますが、それに続く大きなものとして、外壁・内装があげられるでしょう。

外壁については、ローコストビルダーで選択できるのはほぼほぼサイディングに限定されると思います。
ごくまれに吹き付けタイル等のモルタル外壁を選ぶことができますが、メンテナンスの容易さとデザインの自由度としては圧倒的にサイディングのほうが進化しているように思います。耐火性能もサイディングのほうが上だと言えると思います。
サイディングについては、シールのゴムの劣化が言われますが、それをいうならモルタル塗装は当たり前に亀裂があちこちに発生しますから、「全体的にメンテ」が必要なモルタルよりは、「シールに気をつけて定期的にメンテすればあとはメンテフリー」なサイディングのほうが分かりやすいと思います。
それ以外には、タイル貼りというのもありますが、まず値段がものすごく高いし、外壁が重くなって耐震性に悪い影響があるし、メリットを感じませんでした。(それなら、「タイル風のサイディング」のほうがいいんじゃないかと思います。)

ところで、サイディングについては、超ローコストビルダーの場合、サイディングの厚みが薄く(14mmなど)、かつサイディング自体を直接柱に釘打ちする手法を採用しているところがありますが、耐久性、防水性、メンテ性も劣ることになるのでそういうビルダーは避けたほうがいいです。
そこそこ以上のローコストビルダーなら、ちゃんとした(16mm以上の)厚みのサイディングを専用の金具を使って取り付ける手法を採用していますので、そういうビルダーなら大丈夫です。

そんなわけで、我が家の場合、16mmの金具工法のサイディングのなかから選ぶことになったのですが、6つくらいのメーカー・ブランドのなかで、さらに様々なデザインから選べたので、選択肢は相当広かったです。
そんななかで、デザイン選択にあたってこだわったのが、

シーリング目地の目立たないデザインにする。

ということでした。
あちこちにあるサイディングを採用した戸建てを見ていていつも思っていたのが、「どんなに洗練されたデザインのサイディングでも、シーリングのラインが見えてしまうと、『長方形の板が並べて張ってあるな』ということが分かってしまって安っぽく見えてしまう」ということです。

もちろん、シーリングにもいろいろな色があって、サイディングの色に近い色のシーリング剤を使うことで色味的には目立たない工夫がされているのですが、そもそもサイディングの切れ目でデザインが断絶して、デザインの流れと無関係な長方形のラインが走ってしまうわけで、これだけはどうしても避けられません。
でも個人的には、それをどうしても避けたかったわけです。
posted by そらパパ at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
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