2016年04月25日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(65)

そんなわけで、ローンについてのゴタゴタの話がまとまらないうちに、建物の建築請負契約の時間になってしまいました。

とはいえ、これで話が頓挫した、というわけではありません。
分割融資やつなぎ融資(場合によっては系列ノンバンク経由になる場合もあるようですが)のできる銀行もあることはわかっていますし、ローンの審査についても、万一通らなかった場合には建物の契約を白紙撤回できる「ローン条項」というのが、建築請負契約にもついているのが一般的なので。

A社のモデルハウスに着き、契約手続き前の雑談のときに、相手方にこの話をしました。

「実は住宅ローンが最終一括融資オンリーだということが分かり、分割融資前提のAさんとは組み合わせられないということになったので、キャンセルの連絡を入れたところです。これから融資先を探し直すことになるので、ちょっと大変なんですが」

すると、A社から新たな提案がありました。

「そういう事情なら、こちらで社内と銀行とで調整して、支払いを最終一括とすることはできる。つなぎ融資も不要とできるかもしれないが、この部分については当社提携のつなぎ融資の利用もありうることは承諾してほしい」

これは、いいお話です。
改めていまからローン申込をするリスクを考えれば、間違いなくその提案に乗ったほうがいいだろう、ということで、その場で銀行に電話を入れ、ローンのキャンセルを撤回し、同じ銀行で建物のローンを組む(方向で今後、銀行、A社、私の3者間で調整する)ということになりました。
時間的にももう8時前でしたが、幸いローンの担当者と電話がつながったので、話を整理することができました。新しいローンの調整を始めてくれていた不動産業者にも連絡を入れました。

これで、ローンの心配がほぼなくなったので、安心して建築請負契約に進むことができます。
契約書については、本当は事前にもらっておいて読むつもりでしたが、前回訪問したときにその話をするのをうっかり忘れてしまっていたので、その場で慌てて読み込むことになりました。
といっても、業界統一の標準契約書が使われているということも確認し、個人的に一番気になっていた建築中の建物損害についての賠償責任の条項が特段不利に書かれていないことが確認できたので、契約の読み込みには10分も時間をかけず、契約締結に進みました。
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2016年04月18日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(64)

そんなわけで、家造りのパートナーはローコスト系ハウスメーカーであるA社に決まり、いよいよ建築請負契約締結の当日を迎えました。
諸々の事情があり、だいたい家づくりに関する契約を締結するときは土日ではなく平日が指定されます。この建築請負契約の締結もとある平日の夜に決まり、仕事を早めに切り上げて職場から直接モデルハウスに向かうことになりました。

ここで、この日の午後、たまたま土地の住宅ローンを融資してくれた銀行の融資担当者から電話で連絡がありました。
もともと、建物の融資もここでやってもらう前提で、この担当者からは2週間に1回ほど「建物の契約はどうなりそうですか」という電話が入っていて、この日も同じようなリマインダーの電話だったのですが、当然私の方からは「実は今日の夜に契約を締結することになりましたので、今後の手続きについて教えてください」という話をしました。

すると、こちらの想定とはまったく異なる返事が返ってきて、びっくりすることになりました。
A社の建築請負契約をみると、建築費用については、まず契約締結時に着手金として一部を、次に上棟時に中間金としてさらに一部を、そして完成時に残額を全部支払い、全額が支払われた後に引き渡し、という流れになっていました。
このうち、着手金についてはいったん手持ちの現金で建て替え、そのうえで銀行からのローンを分割融資してもらって埋め合わせ、中間金はローンの分割融資で、そして引き渡し前の残額精算は分割融資もしくはつなぎ融資で支払うことを想定していました。
ところが、銀行としては分割融資もつなぎ融資も扱っておらず、引き渡し後の一括全額融資しか取り扱っていない、という話だったのです。さらに、ローンの審査ももう一度やり直しになるので、そもそも融資できるというお約束もできない、との話で、なんかそれまで言ってたことと違う、という口論みたいなものになってしまいました。

建物の契約では「請負金が全額払われなければ引き渡さない」となっており、ローンの側が「引き渡されなければ融資しない」と言っているわけですから、シンプルに「詰み」です。

やむを得ず、この銀行を紹介してくれた不動産業者とも連絡をとり、あらためて別の(分割融資・つなぎ融資に対応できる)銀行を探して、そちらの審査を受けてそちらでローンを組むこととして、土地のローンを融資してくれた銀行には「建物のローンはキャンセルします」という連絡をとりました。

そしてローンの話がここまで進んだところで、建物の契約締結の時間になってしまいました。
posted by そらパパ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年04月11日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(63)

さて、家づくりのパートナーをほぼほぼA社に絞り込んだところで、次に訪れたのは以前話を伺っていた建築事務所でした。

以前ここで話をしたとき、家づくりそのものを依頼するにはコストが見合わず断念したのですが、別のビルダーに決まったときに、そこが出してきた見積もりや図面を見てもらって、プロの建築家としてのアドバイスをもらう「セカンドオピニオン」のサービスを提供してもらうことをお願いしていたのです。

私の方からは、メールで図面等一式をスキャンして送り、また私の方で質問をいくつか出しておいたうえで、1週間ほど後に時間をとってもらって、A社の提案についての意見や、私が出しておいた質問に対するアドバイスなどをいただきました。
当然、コンサルティングフィーとして費用は(数万円のオーダーで)お支払いしています。

このセカンドオピニオンを受けたことで、

・A社の提案全体、提供された図面等の品質は十分に高いこと
・A社の構造、断熱などの水準はかなり高く、それをふまえると割安な見積もりになっていること
・見積もり項目の中に、おかしな上乗せ費目や、必要なのに省かれている項目などが特に見当たらないこと


など、A社の提案に大きな問題がないことが確認できました。
さらにそのうえで、よりプランの完成度を高めるためのいくつかマイナーな箇所の修正のアドバイスが得られたことや、こちらから質問していた収納不足の具体的な解消法や、間仕切り壁の防音化などについてヒントが得られたこともあり、このセカンドオピニオンを受けたことはかかった費用以上のメリットがありました。
あとでリフォームで直すことになるような箇所を1箇所でも減らすことができればそれだけで確実に数万円のコスト削減になるわけで、今回はそういった有益な指摘がいくつも得られただけでなく、リフォームでは直せないような構造面でのアドバイスもあったからです。

プランの修正については、A社に電話で連絡し、次の打ち合わせ時の図面に間に合わせて反映してもらうことになりました。
もうこれでA社を選ばない理由がなくなったので、この段階でI社にはお断りの連絡を入れ、A社に対してはその次のアポのときに「(このあとよほどのトラブルがない限り)御社と契約させていただきます」という話を出しました。

これで、家づくりについては、「土地」に加えて、「建物」のパートナーが決まり、建築請負契約を結べる段階に入ったわけですから、さらに大きく前進したことになります。

そして、2月の最終週の平日の夜、契約締結当日を迎えるのですが、ここで信じられない大どんでん返しが待っていました
posted by そらパパ at 21:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年04月04日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(62)

ここまでのエントリで書いたような検討をふまえ、私の中では家造りのパートナーはA社がナンバーワン候補だ、という判断が固まりました。

そこで、平日に有休をとって、娘が学校に行っている間に、妻を住宅展示場のA社のモデルハウスに連れて行くことにしました。
ちなみにこの頃、妻は妊娠7〜8か月でした。
なので、そうそういろんな場所に出かけるわけにもいかないので、ビルダー巡りなどはもっぱら私のほうが行ない、妻にはもらってきた資料などを見せてあとで話し合って意見交換をしたりしていたわけですが、最終結論を出すにあたって、やはりいちどモデルハウスは見てもらったほうがいいだろう、と思ったわけです。
(書き忘れていましたが、土地を選ぶ段階でも、最後に決める直前に、現地を見てもらっています。)

アポをとっていなかったので、特段営業マンもつかず、逆に自分たちのペースでのんびりとモデルハウス内を見て回ることができました。
また、外壁材、屋根材などのサンプルやカタログがおいてある「仕様決めの打ち合わせ部屋」(この部屋は家づくりの過程で何度も利用することになりました)がたまたま使われていなかったので、中に入らせてもらって妻と一緒にそれらサンプルを実際に見ることもでき、なかなか有意義な時間をすごすことができました。

妻の印象は、建物全体の印象も悪くないし、内装もしっかりしていて、構造や断熱(実物を使ったカットモデルみたいなものがおいてあって、外壁から内装の壁紙までの間にどんなものが入っているかが分かるようになっていました)も安心できるものだったので、ここに決めていいんじゃないかと思う、ということでした。

A社の動きはなかなか速く、この飛び込み訪問のあとの2回目の打ち合わせが、最初に飛びこみで行った次の週末だったにも関わらず、この時点ですでに現地の簡易測量を済ませ、自社の建築士によるかなり詳細な図面と詳細化された見積りまで出てきました。
A社は早期契約に持ち込む気満々です。
出てきた図面が私の作成した希望間取りをほぼ完全に取り入れたものになっていたことも、ポイントが高かったです。これまで、どの工務店の提案も、私の希望からはちょっと離れた間取りばかり提案してきていたので。

私からは、最初に見積もりをとった1月よりも、現在の2月に実施しているキャンペーンのほうが値引き幅が大きいことを指摘して、2月中に契約を締結することを条件として、2月のキャンペーンを適用してもらう確約もとりつけました。

これでA社を選ぶことがほぼ決まったのですが、その決断を完全なものにするため、もう一段階ステップを踏むことにしました
posted by そらパパ at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
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