2016年01月25日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(53)

そんなわけで、ローコスト系工務店が我が家の家づくりのパートナー候補の本命となっていったのですが、パートナー選びの大きな流れは、だいたいこんな感じになりました。

1.工務店の情報を得て、資料を請求。
 このとき、情報を得る手段として、(1)住まい系のネットポータル、(2)注文住宅系の家づくり雑誌、(3)某大手住宅情報誌が運営している家づくりカウンター、(4)土地を仲介してくれた不動産屋の紹介、という大きく4種類のものを活用しました。

2.資料を見て、気に入った工務店に連絡をとり、買った土地の図面と希望する間取り条件などを伝え、間取りを提案してもらう。
 建築事務所とかだとこの段階ですでに設計料などが発生してきますが、工務店の場合はこの段階はまだ無料です。
 ただ、もちろん相手方にはコストが発生することなので、あまり安易に手を広げず、本当にここだったら条件次第で契約してもいい、と思えた業者に厳選してプランニングの依頼をするようにしました。(とはいえ、依頼した工務店の数としては10業者くらいにはなってしまいましたが…)

3.出てきたプランの間取り、費用見積もりなどを見て、業者を絞り込み。
 この段階で、半分くらいの業者は「見積もりが高すぎ」で落選していきました。
 私の希望する間取りは、グルニエを非常に広くとったり、浴室を大型化したり、断熱材を補強することを求めたりなど、それなりにコストのかかるものになっているため、業者が想定する標準プランからはかなり外れたものになることが多かったです。その「カスタマイズ部分」のコストが高い業者の場合、パンフレットなどで宣伝している坪単価の倍以上になってしまったりすることがあり、そういう業者はこの段階で外しました。
 また、設計のスキルが弱い工務店もあり、そういう工務店の出してくるプランは私が希望する条件が満たされていませんでした。そういう業者も当然外すことになりました。

4.絞り込んだ業者とは実際に会ってみて、さらにプランを詳細化。
 業者が出してきたプランが優秀な場合は、そのプランを前提により細かい希望を出して、見積もりを最終化していきました。
 一方、業者のプランがいまいちだった場合は、私があらかじめ作成した間取りを見せて、こちらをベースにプランを作り直してもらうように依頼することにしました。
 だいたい、業者のプランで進めたケースが半分、私のプランで引き直してもらったケースが半分くらいでした。
 この段階でも、やはり希望する間取りがどうしても入らない業者や、希望を細かく伝えていくとどんどん値段が上がっていく業者があったので、そういったところは外していきました。

5.最終プランが揃ったところで、最終判断。
 この段階まで残った業者は、だいたい3社くらいでした。業者側からもこのあたりで「そろそろ決めてもらわないと、これ以上は無料での提案はできない」といった話が出てくる段階です。
 ここで、最終提案のプランの

(1)スペック(柱や梁の材質、断熱性能、構造、外壁、屋根性能など)
(2)間取りのクオリティ(希望がすべて満たされているか、動線は整理されているか、日照はいいか、無駄な空間はないか等)
(3)コスト(スペックに対して割安感があるか)


 といった要素を総合的に考慮して、家造りのパートナーを絞り込みました。
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2016年01月18日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(52)

さて、当初考えていたパワービルダー(建売業者の注文住宅部門)による家づくりですが、

・カスタマイズの余地が少なく、カスタマイズすると割高になる。
・建材や断熱材が建売クオリティで明らかに注文住宅のなかでは劣る。
・そもそもあまり営業活動をやっていないので、話を聞きたいと思ってもなかなかアクセスできない。


といったことがネックになり、結局選ぶことができませんでした。

ここで急浮上してきたのが、「ローコスト工務店」です。
一般的に、ネットなどで「注文住宅」で検索して山のように出てきて、パンフレットとかもたくさん集められるのは、実はこの「ローコスト系工務店」だったりします。

ハウスメーカーについてはネットで検索というよりは「住宅展示場に行く」というのが王道のアクセス方法でしょうし、建築事務所は「まずは会ってお話を」「これまでの作品を気に入っていただけたら、契約を結んで(お金も払って)それからプランニングを」といった流れになることが多く、どちらかというと「指名買い」に近くなると思います。

それに対して、ローコスト系工務店は、だいたいそれぞれの業者が自分たちなりにブランド名をつけて、パッケージ化された家づくりプランを売り込んでおり、それにあわせてパンフレットなどもちゃんと用意されています。そこには、柱やはり、外壁や断熱材にどのようなものを使うのかといった「品質」についてのスペックシートのようなものや、(実はあまり信用できないのですが)坪単価やモデルプランの費用なども明記されていて、複数の業者を比較検討することも可能です。
ネットで資料請求をすれば、そういったパンフレットを簡単にたくさん入手することができるでしょう。

私も、まずはネットを使って、買った土地が施工エリアに入っているローコスト系の工務店の資料をいくつか取り寄せました。
そして、特に気に入った業者にはこちらから連絡をとり、土地の情報や希望間取りなどを送って、面談をしたり見積もりを作ってもらったりという活動を開始しました。

それに加えて、某大手情報誌が運営している住まいの情報カウンターにも顔を出して、話を聞いていくつかの業者を紹介してもらいました。

結局、資料を請求したり検討対象にした工務店は50業者ほど、そのうちこちらから連絡をとったのは15業者ほど、ある程度話に折り合いがついて、間取りを引いてもらったり見積もりを作ってもらったりしたのが10業者ほど(残り5業者ほどは、話を聞いてみるとローコストではなかったり、アポが取れずに話が流れてしまったりした業者)となりました。
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2016年01月11日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(51)

さて、ここまで、一般の個人が注文住宅でローコストに家を建てる場合に想定できるパートナーをまとめてきました。

我が家も、だいたいこれらのパートナーに順にあたっていくことになったのですが、実は最終的に選んだのは、ここでご紹介した1)〜4)のどれにも該当しないところでした

そのあたりについても、順を追ってお話ししていきたいと思います。

今回、家を買う予算について、当初の想定からすると予算オーバーを何度も何度も繰り返すことになりました。
もともと安い建売を買うことを想定していたので、土地から買うことにした時点でいちど予算を引き上げていますし、さらに買う土地についても、条件のいい分譲地を選んだことで、さらに予算が上がってしまいました

ですからここは、建物を建てるコストを可能な限り抑えることで、トータル予算をできるだけ圧縮しなければならないわけです。

そんなわけで、パートナーとして当初想定していたのは、言うまでもなく一番安い「パワービルダー」でした。
建売をたくさん建てている業者の、注文住宅部門ということですね。

そこで、情報を集めようとしたのですが、当時、パワービルダー系で広告を出したりパンフ等を作成したりして一般ユーザー向けに広く門戸を開いていたのは、1社程度しかありませんでした。
それ以外は、どちらかというと不動産屋を介して見積もりなどを取ってもらう(そのうえで、気に入ったら不動産屋から紹介してもらう)といった、あまりオープンではないチャネルしかないような感じでした。

そして、唯一の詳しいパンフを作っていた業者については、「屋根の形状が決まっていて、私が希望する広いグルニエが作れない」ということが分かったのでパートナー候補から除外、それ以外の業者については不動産屋を介して出てくる間取り案・見積もりが不明瞭なうえ、やはり「標準仕様」からカスタマイズする部分を増やしていくとあっという間にコストが跳ね上がっていくということが分かり、実は私のイメージするような(いくつかこだわりのある)家を建てる場合、パワービルダーというのはあまり向いていないということがだんだん分かってきました。

いちおう、それでもコストは最低レベルだったので、不動産屋を通じていくつかの業者とのパイプはしばらく維持していたのですが、最終的には別の業者でよりいい提案が出てきたので、パワービルダーに頼むということはやめることにしました。(まあ、これによってさらに当初の想定よりも予算が上がっていく結果にはなってしまったのですが…)
posted by そらパパ at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2016年01月04日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(50)

一般の消費者が個人向けの注文住宅を建てる際のパートナーとなるビルダーについて書いています。

4)有名ハウスメーカー

なんとかハウスとかなんとかホームとかなんとか住宅みたいな、テレビコマーシャルを打っていて、全国の住宅展示場にモデルハウスを建てていて、そのモデルハウスに訪問して商談する、といったスタイルで家を建てるパターンです。

注文住宅について特に研究しなくても、こういったモデルハウスに行けば家を建ててもらえることは誰もが知っていますから、家を建てようと思い当たったときに最初にイメージするのが、こういった有名ハウスメーカーでしょう。

有名ハウスメーカーで家を建てる場合、まず住宅展示場に行くところから始まり、建物が気に入ったメーカーの営業マンと話をして見積もりを作ってもらう…といった流れになります
実際に建っている家の外観・内装を見ることができるので、どんな雰囲気の家が建つかのイメージはしやすい一方で、モデルハウスはだいたいそのメーカーが建てる最高級グレードで建てられているため、標準仕様で建ててみたらまったく印象が違った、ということも起こると思います。

ところで、こういった有名どころで家を建てる場合の最大のデメリットですが、他の選択肢と比べ、コスト的にかなり値が張ることがあげられます。
おそらく、3)でご紹介したローコスト系の建築事務所に頼むよりも高くなるでしょう。
また、それでも無理をしてコストをおさえて家を建てようとすると、ハウスメーカーがあらかじめ用意している間取りパターンから間取りを選んで、そこから大きくアレンジできない(アレンジするとコストが上がっていくため)といった事態が起こりがちで、注文住宅で家を建てるメリットがかなり薄くなります。

あえていうなら、各ハウスメーカーが喧伝している独自の工法による品質の高さと、基本的にはなんでもおまかせにしておくことができる安心感がメリットになると思いますが、やはり「ローコストで家を建てる」という視点からは、有名ハウスメーカーはコスト面から脱落せざるを得ないというのが、率直な印象です。
posted by そらパパ at 20:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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