以前も書いたとおり、売れ残っている土地の1つの典型例として「中途半端に広すぎる土地」というのがあります。
これは、例えば低層住宅地域での140m2とか150m2といった土地のことを指します。
150m2くらいだと、半分に割ると狭すぎてまともな家が建たないのでそのまま分割せずに売るしかありませんが、じゃあ適度な広さの100m2の土地の1.5倍で売れるかといえば、絶対に売れません。100m2の土地相場が5000万円だったとして、150m2の土地は7500万円では絶対に売れず、せいぜい6500万円、さらにそういう「広い土地」は古い住宅地の奥まったところにありがちですから、そういう条件の悪さが重なると下手をすると6000万円前後でしか売れないかもしれません。
でも、もしその土地に二世帯住宅を建てようとすると、割安な土地に、大きさぴったりの広めの家を建てることができるかもしれません。これを狙ったわけです。
現在、郊外に住んでいる妻の実家の家族を呼んで、いわゆる分離型の二世帯住宅を建てれば、適度なプライバシーを維持しつつ、娘や妻に何かあったときにはすぐに助けてもらえて、「療育」の観点からもいい協力体制がしけるのではないかと考えたわけです。
その条件(広めで割安)で土地を探してみると、やはり古い住宅地には大量に物件が存在しました。
そして、かなり多くの現場を回って研究したのですが、結論としては、やはりやめておこう、という話になりました。
その理由は、
・該当する土地はだいたい古い家の跡地で、撤去に金の掛かりそうな古家や大木、井戸などがあったり、水道などのインフラが入っておらずしかも私道からの引込みで私道所有者の許可が必要だったり、とにかく「面倒そうな土地」のオンパレードだったこと。
・物件が古い住宅地の奥にあることが多く、「徒歩圏の利便性」や「通勤の便」が悪い物件ばかりだったこと。
・最終的に、妻の実家の両親も、実家を引き払って引っ越すことに抵抗感があったこと。
といったことでした。
というわけで、やはりまたもや、土地探しは振り出しに戻ってしまったわけです。
この頃は、探しても探してもいい物件が見つからないことに、だんだん諦めのムードが漂ってきていました。