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2015年09月28日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(37)

娘のこれからの人生を考えたとき、「徒歩圏の安全性と利便性」というのが土地探し(物件探し)におけるとても重要な要素になると考えましたが、これは実は簡単なことではありません。

それは、土地に設定される「用途地域」の制限に関わることだからです。

既に過去のエントリで触れたとおり、パニックを起こすことがあったり玄関を出るとそのまま飛び出してしまったりする娘と、安心・安全に暮らすためにも、また2台以上の車の駐車スペースを敷地内に合理的に確保するためにも、引っ越す先の家は(これまでの家と同じく)、周囲との空間が広く取られた2階建までの低層住宅しか考えられませんでした。

このような家を建てられる地域は、「低層住居専用地域」と呼ばれ、いわゆる「閑静な住宅地」のエリアがこの指定を受けています(というとりも、そういう指定がある地域だからこそ、建てられる家が制限されて「閑静な住宅地」になっていくわけです)。

これに対して、ショッピングモールのような巨大商業施設を建てることができるエリアは「商業地域」や工場跡地のような「工業地域」という指定を受けているエリアになり、これらは「低層住居地域」とは対極の位置づけとなるエリアとなります。

ここで「対極」というのは、両者の間に「中間」があるということを意味しています。
もっとも規制が厳しい「低層住居地域」の次に、3階建の住宅や4〜10階建くらいのマンションが建つ「中高層住居地域」「住居地域」などがあり、その次に「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」といった、店舗や事務所が立ち並ぶエリアが続き、最後に最も規制が緩い「工業地域」が位置づけられます。

ここでポイントは、これらの用途地域は、駅前や幹線道路沿いなどから離れていくに従ってグラデーションのように配置されていることが多い、ということです。
例えば、賑やかな駅前は「商業地域」、駅から離れていくにしたがって「近隣商業地域」になり、それらから道を1本入ると「中高層住居地域」が続き、さらに駅から離れていくと「低層住居地域」になる、といった具合です。

これはつまり、どういうことかというと、

「ショッピングモールに安全に歩いていける2階建の家」

というのは、

「商業地域に近接した低層住居地域」

ということを意味しており、そんなエリアは簡単には見つからない、ということになるのです。

商業施設に近いだけの土地はたくさんありますが、マンションや店の立ち並ぶ隙間にあるような、住環境面で問題のある土地が多くなります。

環境のいい、2階建の家が立ち並ぶような閑静な住宅街もたくさんありますが、そういうエリアはえてして商業施設からは遠く、そういう施設に行くためにはかなり長い距離を、信号で大通りを渡って行かなければならないような土地ばかりです。

もちろん、「商業地域に隣接した中高層住居地域にさらに最短距離で隣接しているような、条件を満たした低層住居地域」は存在しますが、都合よくそういうエリアに「条件のいい土地」が出ることは滅多にない、というわけです。

posted by そらパパ at 20:23 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | 療育一般

2015年09月21日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(36)

今回、長女の今後の生活を意識して土地探しをしたわけですが、何より強く意識したのが、「徒歩圏の利便性と安全性」でした。

どこに住むにしても、私たちは住む家そのものだけでなく、その家の周囲にあるさまざまな施設や社会的リソースを利用して暮らしています。
家の周囲でどのような社会的リソースにアクセスできるかということが、その土地に住む価値を決定づけると言っていいと思います。

この「周囲の生活圏」、通常は最寄り駅からどんなターミナル駅にどのくらいの時間で行けるかとか、自転車や車でどんな店に行けるかといったことが「評価の基準」になり、実際、私や妻にとってはそのとおりなのですが、こと長女については状況が大幅に異なります。

長女にとっては、「徒歩で安全に行ける範囲」だけが自分自身の意思で利用できる可能性のある主たる「生活圏」であり、その外側は「介助があって初めて利用できる生活圏」となり、利用価値は一段も二段も落ちると考えられます。

例えば、「歩いて安全に行ける範囲」にコンビニがあれば、娘が大人になったとき、通所施設などに行った帰りに、歩いてコンビニに寄って好きなものを買って帰る、という「楽しみ」を、娘の人生に加えることができるかもしれません。
さらに「歩いて安全にいける範囲」にフードコート形式で利用できるレストランがあれば、やはり将来、そこに歩いて立ち寄って、好物を食べながらフードコートのテーブルでタブレットでも楽しんで時間をつぶす、そんなこともできるようになるかもしれません。少なくとも、週1回とか定期的に、ヘルパーさん等の(もしくは私たち親の)支援を受けて、(可能な限り自力で)フードコートに遊びにいく、というイベントを、安全に作り出すことは可能になるだろうと思います。

これに対し、家を出て最初に車道を渡る信号が登場し、その信号を渡らなければどこにも出ることができない、という立地があったとしたらどうでしょう。
いくらその先すぐ近くに娘が独力で利用可能なお店や施設があったとしても、それを利用するためには安全のために必ず誰かがついていかなければならなくなり、娘が本当の意味で「自由意志で」外部のリソースを気軽に利用することはできなくなってしまいます。
もちろん、「それを利用したいという意思をいつでも周囲に示せるようになればいい」、というのもそうかもしれませんが、その「ワンクッション」がない形で外部リソースが利用できる(という可能性がちゃんとある)ことが、娘の社会へのかかわりという視点からは、非常に意義深いことであるように思われました。

せっかく土地から探して新しい家をつくるなら、家を出ていきなり信号があるような土地は絶対に選ばずに、逆に大きな信号なしで数分歩けば娘の毎日の楽しみになるような施設にたどりつけるような場所を選びたい、と強く感じたわけです。

でも、この希望は(土地の用途について詳しい方なら想像できると思いますが)、決して簡単にかなうものではありません

posted by そらパパ at 20:28 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | そらまめ式

2015年09月14日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(35)

さて、ここまで、実際の家探しのプロセスを詳しく書いてきましたが、その物件探しの前提として「どういった立地の土地に、どんな間取りの家を建てたいのか」という「家造りコンセプト」とでもいったものを整理していきました。

このコンセプト作りにおいては、長女の今後の生活のQOLと、それとも関連する家族の暮らしやすさを高めていくという「療育的視点」が多分に含まれていましたので、そのあたりについて書いていきたいと思います。

まず、立地について強く意識したことが、

徒歩圏の利便性と安全性

ということでした。

言うまでもないことですが、日常生活というのは家の中だけで完結するものではありません。
「家の外」にある、さまざまな外的環境、社会的リソースまで含めて、私たちの日常生活は成り立っています。
そして、「家の外」に何がどんな風に存在しているのか、ということは、「その土地にどんな価値があるのか」ということとほとんどイコールだと言っていいでしょう。

例えば「渋谷まで直通10分、吉祥寺まで直通15分という、井の頭線のとある駅まで徒歩5分」という立地を選んで住んだとします。
そうするとこれは、渋谷なり吉祥寺にあるさまざまな施設やリソースを、「20分以内の徒歩+電車による移動」というコストで「自分の日常生活の一部」として取り込んで利用することができる環境を選択した、ということに他ならないわけです。
その人は、その「家の外に延長された、それらの社会的リソース(が自分の生活圏にあるものとして手に入ること)」にそれだけの価値があると判断したからこそ、その立地に住むことのコストを支払うことに納得できるわけです。

さて、そういった考え方をふまえて「療育」という視点から我が家にとっての物件探しをすると、「周辺環境」への考え方は、一般的に考えられるものとは少し違ったものになります。

障害のある長女にとって、現実的な意味で自由に利用できる移動手段は、徒歩だけです。
空いている電車なら乗ることはできますが、1人で目的地を選んでそこの向かうことはできず、いろいろな意味で介助が必要です。
また、徒歩といっても自分で信号の色を判断してひとりで信号待ちをし、また交差点をわたるのはかなり難しいといえますので、やはり一定の介助が必要だと言わざるを得ないでしょう。

ですから長女にとって、少なくとも現時点で自分だけで利用することが可能(であるかもしれない)な社会的リソースというのは、「危険な交差点を渡らないで済む範囲の、ごく狭い徒歩圏」のなかのそれに限られる、ということになります。

その、「安全に歩いて行ける範囲」に何があるか。
それが、娘にとっては、大げさにいえば「日々の世界のすべて」に近いといっても過言ではないのではないか
、そんな風に思いました。

posted by そらパパ at 20:35 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | 療育一般

2015年09月07日 [ Mon ]

恋愛ハウツー本をリリースしました。(少しだけ療育に関連があります)

1つ前のエントリで、昔書いた小説をKindleでリリースしました、という記事を書いていますが、それに引き続いて、Kindleでもう1冊電子書籍をリリースしました。


婚活パーティではじめる 出会いのビギナーコース:
僕のカップリング率を0%から113%に変えた「恋愛認知アプローチ」
sora y.d.
Kindle版

内容としては、恋愛経験の浅い男性をターゲットにして、「婚活パーティ」を活用して恋愛スキルをアップさせ、いい出会いにつなげていきましょう、という本です。

※ちなみに、恋愛本を出すようなキャラだとは思わなかった、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際には、姉妹ブログなどをご覧になっても分かるとおり、あらゆることに関心を持って、分析的にアプローチして文章をたくさん書くのが好き、というのが私の本来のキャラクターですので、独身時代、出会いを探していたころはやはり、その「出会い」についても同様に「分析的にアプローチして文章をたくさん書いて」いたわけです。今回の本は、そのころに書き溜めたものを再校正し、大幅に加筆して書いたものになります。

AmazonのHP用に、内容紹介の文章を書いていますので、それをこちらにも貼っておきたいと思います。

続きがあります・・・

posted by そらパパ at 21:17 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | 療育一般

2015年09月02日 [ Wed ]

Kindleで小説をリリースしました。

療育とは関係ない話題ですが、お知らせです。

私が学生の頃に書いたSF長編小説を、Kindleダイレクト・パブリッシングを通じて、電子書籍としてリリースしました。


違次元の細い糸 in 1985 [Kindle版]
sora y.d. (著)

気軽に読めるライトノベル風の作品です。
無料サンプルで最初の1割くらいが読めるようになっていますので、もし興味をお持ちいただけたら、チェックしてみてください。

(以下、別のブログに書いた内容の転載です)
この作品は、高校のころにベース部分を書き(最初は原稿用紙に、途中で黎明期のワープロを手に入れたので打ち直してワープロ文書に)、それを大学時代にPCに移して、大幅に改稿して完成させたものです。
高校時代に、かつて好きだった同級生と一度だけ偶然再会したことをきっかけに着想して、当時愛読していた赤川次郎のような「軽い」文体で長編小説を書いてみよう、ということで生まれた作品です。
当たり前の学校生活を送る高校生たちが、「次元のゆらぎ」という架空の物理概念を導入することで生まれた「ちょっと不思議な世界」を舞台にして、出会い、悩み、恋をして、そして事件に巻き込まれていくという、学園もののSF長編小説となっています。

ただ、書いたのが高校生の頃ですから、すでに最初のバージョンからは30年近くがたっていることになり、例えば携帯電話やスマホの代わりに公衆電話や固定電話、トランシーバーが登場するといった時代感を感じさせるストーリーにもなっています。
その部分を修正しようとすると、物語の根幹が変わってしまうということもあり、いろいろ考えた結果、タイトルに「時代」を示すための年代を入れることにしました。
そうして生まれたのが、「違次元の細い糸 in 1985」という本書のタイトルになります。
「違」次元ではなく「異」次元ではないか、という疑問も出るかと思いますが、これは作品内容と連動した意図的なものなので、よかったら作品を読んでその意味を確認いただければと思います。

作品は、書いた当時の感性のようなものは残したかったので抜本的な手を入れることはしませんでしたが、いま読んでみてあまりに稚拙な部分については一定の修正を加えました。

posted by そらパパ at 23:01 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | 雑記

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