2015年04月13日

自閉症の子どもと暮らす家づくり(15)

さて、そんなわけで、建売住宅というのは本質的に「企画物件」であって、「売れ筋」かつ「利回りがいい」企画だけが選ばれて量産される構造があるため、以下のような似たりよったりの物件が、エリアだけを変えてずらりと立ち並ぶという、バリエーションの少ない状態になっていることが分かりました。
(まあ、これは考えてみると割とマンションでも同じですね。)

1)3階建ての狭小住宅。



 60〜70m2程度の狭い土地に建てられる3階建てのプラン。
 1階がくり抜かれて車庫と玄関(広さによっては+納戸)になっていて、2階がリビングや水回りの生活空間、3階が子ども部屋や寝室になっている間取り。
 建物の床面積は90m2程度あるものも多く、土地の狭さとは裏腹に、実は2)よりも広い家が建つ。間取りは4LDKや3LDK+Sなど。2階のLDKには吹き抜けが設定されることが多い。
 いわゆる「えんぴつハウス」であり、縦に細長い家が数件並んで分譲されるイメージ。隣家との間隔は非常に狭く人が通れないほど。

2)土地100m2、建物80m2の低層2階建て住宅。



 2階建てまでの家しか建てられない「低層地域」に建てられる2階建て住宅。
 建ぺい率に余裕があるので、建物とは独立した1台分の駐車スペース+小さな庭などがあり、隣の家との間隔にも余裕がある。
 建物の広さが80m2までしかとれないので(容積率80%の場合)、間取りは3LDKが中心で4LDKだと各部屋が残念な広さになる。
 住宅街で相続のために売りに出された広い土地が2〜4分割されて建売り分譲されるようなイメージ。

建売りで売られているのは、ほぼほぼ上記の2つのどちらかか、さらにここからスペックを落として(=狭くして)格安物件として売られているかだという印象です。

逆に、このスペックよりも「上」で売られている建売住宅は、ほとんど見当たりません。
特に「駐車スペース2台分」というのは、およそ東京エリアの建売ではほとんどないと言っても過言ではないと思います。

建売住宅が、これほどまでに「ワンパターンの狭い企画」の範囲内だけで売られているとは、これまでまったく気づきませんでした。
前回、2004年にいまの建売りを買ったときはそういうことにまったく気付かなかったのですが、それは、当時私たちが探していた物件の条件がちょうど建売の「売れ筋」に合致していたので、気付かなかっただけだったのです。

では、先にも書きましたが、なぜ周囲の家をざっと見回したときには、我が家が希望するような条件に合致した家がいくらでも見つかるのでしょうか?

この謎については、「建売りの現状」を知ってから改めてそういう家を見てみて、ものすごくシンプルな「答え」があることに気づきました。
つまり、そういう家はすべて、

建売住宅ではなく注文住宅だった。

ということ
です。

これは、家を買ったり建てたりした経験のある人には常識なのかもしれませんが、建売住宅というのはあくまでも「ミニマムの水準を満たしたベーシックな家」というラインナップ「だけ」しか存在しておらず、それよりもスペック的に(それは建物の面積も含みます)少しでも上の家は、注文住宅でのみ供給されている、ということだったわけです。

でも、この事実に最初に気づいた時点では、それでも注文住宅を建てるなんて予算は用意できないから、何とか別の選択肢がないだろうか、と悩んでいました。

そこで「建売り住宅」に続く第2の選択肢として、「中古住宅」を探し始めたわけです。
posted by そらパパ at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
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