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2015年01月26日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(4)

我が家は市区の外れにあり、現在通っている特別支援学校は中学部までしかありません。
そして、学区で決められた高等部は同じ市区のほぼ反対側(かつ都心側)にあってスクールバスも出ていないため、通学が極めて困難だという問題がありました。

ただ、もちろんこの問題は我が家以外の「先輩家族」の方にもあったわけですが、そういった方たちはみな隣接する市区の学区にある特別支援学校に越境入学することで問題が解決できていました。
そのため、我が家も当然その選択をするつもりでいました。学校側もこの問題を認識しており、越境入学のための説明会や学校見学も校内で案内されていました。
ところが、この隣接市区の特別支援学校が再編され、それによって学区が変更されて規模に比較して非常に多くの生徒を受け入れなければならなくなったため、これまで比較的定常的に受け入れていた学区外からの越境入学を、突然認めなくなってしまったのです。

これが、長女が小学3年生くらいのころに起こった動きです。
それ以降は実際、中学部からの生徒の進学先の表を見ても、それまでずっと一定数存在していたその学校への進学者がある年を境にゼロになってしまっており、学校見学や越境入学の案内なども学校に届かなくなってしまったので、我が家も「これはこの学校への越境入学は無理になったようだ」と悟りました。

これによって、それまでは越境で解決できると思っていた長女の高校進学問題が解決できなくなり、突如として「無理ゲー」になってしまったというわけです。

それでも、似たような境遇の家族は他にもいるわけで、学校サイドからなにかしらの解決策が示されるのではないかと期待していたのですが、結局1年たっても2年たっても状況は変わりませんでした。
スクールバスについては、コストの問題、学校の駐車場の問題などがあり、嘆願は毎年出ているものの、いい答えはまったく得られていない、そういう状況のようでした。
そして、そういった境遇におかれてしまった「先輩家族」がどうしているかといえば、「往復何時間もかけてなんとか学区の高等部に通わせる(実際には学校を欠席する日がたくさん出てしまう)」か、「引っ越して学区を変えてしまう」か、あとはツテのある有力者を通じて越境入学を何とか押し込んでしまうとか、いずれにしても相当無理な解決法をとっていることも分かりました。
学区を変えるための引っ越しを選択した家族の中には、自宅が持ち家だということもあって、一時的な(子どもが高校にいある間だけの)引っ越しコストを抑えるために、妻と子どもだけが小さめのマンションなどに引っ越す「越境入学別居」を選択している家族もありました。

学校の案内にしたがって越境入学を申し込む、という形で、これまで「公」の側で解決できていたはずの問題が、いきなり、強引に「私」の側で解決しなければならない問題に移行してしまったわけです。
そしてそれは、我が家も同じことでした。
(ちなみにこのような動きは、子どもに希望の学区の学校に通わせたい普通校の生徒の家族や、より充実した公的療育サービスを受けさせたい未就学の障害児の家族でも現に起こっていることですが、この問題の場合「選り好みするつもりが全くないのに、与えられている選択肢を事実上選べない」という点が異なるのではないか、と考えます。)

そんなわけで、この問題を「私的に」解決するほかなくなった我が家にとって、どのような解決策が考えられるかを模索する日々が始まりました。
この問題を本格的に検討し始めたのが、次女が誕生することが判明し、かつ区切りのいい「小学校卒業」まで1年半ほどとなった、一昨年(2013年)の秋口でした。

posted by そらパパ at 22:30 はてなブックマーク | コメント(4) | トラックバック(0) | 療育一般

2015年01月19日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(3)

前回、長女の高等部への通学に、非常な困難が予想される事態となってしまったことを書きました。
電車、バス、マイカー、どれを使っても片道1時間半近い時間がかかり、かつ朝はラッシュのピークに巻き込まれてしまうことが確実です。
電車を使う場合、徒歩だけで往復毎日1時間以上歩くことになり、「送」と「迎」を両方やる必要がある妻はさらにその2倍の時間を毎日移動だけに費やすことになります。

そして我が家の場合、チャレンジはそれだけにとどまらず、さらにここに「次女」という要素が加わることになります

長女が高校生のとき、次女は3〜5歳で幼稚園等に通う年齢です。したがって、長女の高等部への送迎に加えて、次女の幼稚園への送迎も毎日のスケジュールに組み込まなければならないことになります。

地元に近い幼稚園では送迎が間に合わないので、長女の学校に近い(=何かあったときに迎えに行くのに1時間半近くかかる)幼稚園を探し、そこに預け、かつ長女の送迎もこなさなければならないことになります。
当然、ラッシュの電車には妻は2人の子どもを引き連れて乗り、乗り換えまでしなければならないことに。

いや、これはぶっちゃけ無理。
「自宅に住んだまま、普通に娘を学区に従った学校に通わせる」ということが、これほど無理ゲーになってしまうとは、ちょっと想像もしていませんでした。

もちろん、この問題はもっと早くから(小学部に入学した当初から)認識していたのですが、その時点では、それに対する手堅い「解決法」がありました。

そもそも、学区に従った高等部がこれほどまでに不便な場所になってしまう理由は、まあ1つは「特別支援学校は一般的に辺ぴで不便な場所にある(だいたい住民の反対運動とかで、そういう場所に追いやられていることが多いのです)」ということがあるようですが、それよりも我が家の場合は、自宅の住所が市区の境界近くの外れにあるということが大きかったのです。
家から10mほど歩くと別の市区ですし、当該高校のカバーする学区の範囲のなかで、もっとも遠く離れた外れにあたります。

ですから、実は他の学区の特別支援学校高等部のほうが、ずっと近かったりします
というわけで、小学校入学当初から、高等部進学の問題についての解決策として考えていたことは、「越境入学」でした。
実際、自宅の近所から中学部に通っているお子さんの多くは越境入学をしているという実績もありましたし、そちらの学校ならラッシュとは反対方向の空いた電車に乗れば、乗り換えなしで最寄り駅まで20分程度で到着するので、問題なく通えるし送迎もできると読んでいたのです。

ところが、この目論見はある事情によって外れてしまうことになりました。

posted by そらパパ at 23:35 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | 療育一般

2015年01月12日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(2)

さて、前回も軽く触れたとおり、今回我が家が家を建てることになったのは、娘の将来の療育環境に大きな問題が生じたからでした。

…と、その前に、もう1つの「きっかけ」がありました。
それは、次女が生まれることになったことでした。
長女が重度の障害をもっていたということで、「ふたりめ」をどうしようか?ということについてなかなか決断できずにいたのですが、妻の年齢的なところも考慮して、いまチャンスがあればいいね、と話し合っていたところ、幸運にも次女を授かることになりました。

これによって、長女と12歳違いのきょうだいが家族に加わることになったことが、結果的に今回の「決断」にも大きな影響を与えることになります。

さて、話を戻して、ここで言及している長女の療育の問題の「正体」ですが、実は高校(特別支援学校の高等部)への進学についての問題でした。

娘はいま小6で、あと3年と少し先には、高等部に進学することになるでしょう。
いま通っている特別支援学校は中学までしかないため、高等部で学校が変わることになりますが、自宅住所から決められた学区に基づくと、自宅よりずっと都心寄りの学校に通うことになります。
この、我が家から高等部への交通のアクセスが極めて悪いというのが、「問題」になります。

具体的にいうと、自宅から最寄りの鉄道の駅まで徒歩15〜20分、そこから電車2本を乗り継いで35〜40分、さらにそこから学校まで徒歩25〜30分、待ち時間も含めると、合計で片道1時間半程度かかります。徒歩時間だけでも片道40〜50分、往復だと1時間半ほど必要になる計算です。
しかも、行きは時間も路線も完全に通勤ラッシュと重なってしまうため、ラッシュにもまれながら通学することになります(電車もノロノロ運転)。

そして、学校に通う長女は毎日1往復ですが、長女を送り迎えする妻はこれを2往復することになり、片道1時間半だとすると送迎だけで毎日6時間、1週間で30時間を費やすことになってしまうわけです。自宅と生活圏が重ならない学校近辺で、毎日時間つぶしするわけにもいかないでしょう。

鉄道を使う以外のルートも考えましたが、バスを乗り継いでも同じ以上の時間と手間とやはり避けられないラッシュ(バスの中も混んでいて、経路の渋滞にも巻き込まれます)、車で送迎の場合は首都高または幹線道路をラッシュ方向に向かうため渋滞必至で電車より早く出発する必要があるうえ、そもそも学校に駐車場がありません。

もし、スクールバスがあれば問題は解決するのですが、こちらの高等部についてはそれもなく、全面的に介助が必要な生徒でも、家族が送迎しなければなりません。
これは他の生徒の家族も同じ問題があるため、スクールバスの要望が毎年出ているようですが、結局実現せず現在に至っているそうなので、当面の実現は望み薄と判断せざるを得ないでしょう。

そして、我が家の場合、問題はこれだけではありません

posted by そらパパ at 23:36 はてなブックマーク | コメント(0) | トラックバック(0) | 療育一般

2015年01月05日 [ Mon ]

自閉症の子どもと暮らす家づくり(1)

当ブログにお越しくださっている皆さん、あけましておめでとうございます。
今年も当ブログともどもよろしくお願い致します。


さて、新年でキリのいいところでもありますので、新しいシリーズ記事をスタートしたいと思います。

今回取り上げるのは、療育のことを意識した「家づくり」についてです。

このブログで、療育にからんだ不動産の話を2回も書くことになるとは思いもよらなかったのですが、いろいろな状況の(一部は偶然も含む)重なりによって、「療育を考えた家えらび、家づくり」を行うことになりましたので、その話題を連続エントリとして書いてみることにしました。

(ちなみに1つめは「療育のためのセカンドハウス」というシリーズ記事です)

我が家は、このたび自宅を建てました。
その背景には、子どもの療育、子育てに関わるある重大な問題が生じた、ということがあります。
その状況の発生によって、どうしても「そのまま、いま住んでいる家に住み続ける」ことが困難になってしまったのです。
我が家では、その問題を解決するためにどうすればいいだろうか?ということを家族全員でじっくりと考えました。その結果、「いま住んでいる家を手放し、別の家に住み替える」のがもっとも賢明な選択である、という結論に達し、さらにその住み替えの具体的なやりかたを突き詰めていった結果、「土地から探してゼロから家を建てる」という判断をするにいたったというわけです。


上棟のころの様子です。

そして、今回の住み替えにあたっては、きっかけのみならず、その「検討」のプロセスのすべてにおいて、障害ある娘の療育や将来の生活のことを最重要の要検討ファクターの1つとして考慮し、進めていきました
乱暴ないいかたをすれば「療育のことを考えた家えらび、家づくり」を行なった、ということになると思います。

これから、この連続エントリで、今回家えらび、家づくりのプロセスを、「療育」という観点から書いてみたいと思っています。

ただそれは、「こういう風に、不動産に家庭のリソースを使うのが正しい」と主張したいわけではまったくありません。むしろ逆です。
子どもが障害をもって生まれてきて、そのことによってリソースをどこにかけるのか、ということはすべての家庭のケースごとに異なると思います。
そしてそれは、子どもや家族と向き合って決めたリソースの配分である限りにおいて、それぞれ個別に正当なものだと思います。

ですから、「こういう風に使うのが(絶対的に)正しい」ではなく、「こういう風に使うという我が家の経験を、(相対的な)1つのアイデア、経験談として提示してみる」というのが、このエントリの目的になります。

言い換えると、家庭のリソースの使い方として当ブログ以外ではあまり取り上げられていないネタとして、書いてみようと思っています。
これは、リゾートマンションの記事のときと同じです。

また、今回はエントリの中身を「療育」という話題に必ずしも限定せず、家づくりの過程で経験したさまざまなことや、「住」や不動産についての私の経験など、幅広い話題についても触れていくつもりです。
(「療育限定」のエントリをこのブログに書いて、家づくり全般の話題は別ブログで書こうかとも思ったのですが、両者は連動していて分けるのが難しいですし、それをやると「療育限定」のほうが早々にネタ切れになりそうだったので(笑)まとめてしまうことにしました。)
ですので、「療育」の話題だけを追いかけたいと考える方には、かなり遠回りな印象のエントリになりかもしれません。その点は予めご了承願います。

また、エントリの内容は、一部プライバシー等に配慮し、あえて事実と異なる記述をする場合があります。純粋なノンフィクションとしてではなく、事実に基づいたエッセイ的エントリとしてお読みいただければ幸いです。


↑いろいろ間取りを考えていた頃の案の1つ。家の真ん中に中庭があります。最終的にこの案はボツになりました。

posted by そらパパ at 21:55 はてなブックマーク | コメント(2) | トラックバック(0) | 療育一般

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