既存の社会福祉制度は、特定の弱者にだけ支援リソースを提供する制度ですので、その支援を提供すべき弱者を「見つける」必要があります。
この「見つける」というプロセスこそが、「認定制度」ということになります。
認定制度は、大きく2つのフェーズから成り立ちます。
1つは、「支援する対象の設定」というフェーズ。
もう1つは「支援を申請する」フェーズです。
前者は行政側の行為となり、後者は弱者である当事者側の行為となります。
「困窮している人にあまねく支援を提供する」という観点からみるとき、この2つのフェーズ、どちらにも問題があるというのはすでに見てきたとおりです。
「支援する対象の設定」のフェーズにおいては、「支援の枠組みから漏れてしまう」ことによって、実際には困窮している人が、その支援制度を利用できないという問題が生じます。
「支援を申請する」フェーズにおいては、支援制度を知らない当事者が支援されない、あるいは、極限まで困窮している人は「支援を申請する」ということすらできないくらいに弱っていることがある、という問題があります。
少し考えてみると、これらはすべて、「弱者認定」という制度を前提とした支援システムであるがゆえに発生している問題だということに気づきます。
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