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2014年09月29日 [ Mon ]

障害者いじめの一つの「形」−「聲の形」から(19)

さて、弱者への福祉制度について、「段階的認定制度」の問題を解決するために「段階のない連続的な認定制度」を導入するというアイデアは、必ずしもうまくいかない、ということについて書いています。


こちらが、「現状」に近い、段階的認定制度のモデルです。


いっぽう、こちらは、いま検討している、段階のない連続的支援制度の新しいモデルです。

前回は「マイナスのインセンティブ」について話しましたが、あともう1つ残っている問題として「実務的な意味での認定の難しさ」というものがあります。

これは、そもそもなぜ現状の制度が連続的ではなく段階的な認定制度になっているのか、ということともつながっていますが、弱者の「困窮度」がどの程度か=その程度の福祉制度からのサポートがなければ生活に困窮するのか、というのは様々な要素によって複合的に決まるものであって、しかもそれらの「要素」は必ずしも外から測定できるもの、あるいは測定した結果として一義的に「値」が決まるといったものではない、ということがあるわけです。

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2014年09月22日 [ Mon ]

障害者いじめの一つの「形」−「聲の形」から(18)

さて、福祉による支援を「段階的認定制度」から「段階のない、連続的支援制度」に切り替えるというアイデアには、2つの構造的な問題があると考えられます。


段階的認定制度のモデル。


段階のない連続的支援制度のモデル。

1つはマイナスのインセンティブの問題、もう1つは実務的な認定システムの難しさの問題です。

1つめのマイナスのインセンティブについて。

このシステムでは、困窮度が高ければ高いほど(グラフでいう左の位置に行けばいくほど)福祉制度から提供される支援の量が大きくなります。
福祉サポートを受ける人は誰でも、「できるだけ多くの支援を受けたい」と思うものです。ですから、「より多くの支援が受けられるように行動する」という動機付け(インセンティブ)が働くことになります。
したがって、このシステムの下では、「より多くの支援が受けられるように」、誰もが「より困窮度が高いと認定されるように」行動することになります。

具体的には、

1)困窮度の認定を受ける際に、意図的もしくいは無意識のうちに、「できるだけ実態以上に困窮しているように」認定者にアピールするようになる。

2)困窮度を改善するような努力をあえてせず、「弱者のまま」であり続けようとするようになる。


この制度の場合、特に2)の問題が深刻です

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2014年09月15日 [ Mon ]

障害者いじめの一つの「形」−「聲の形」から(17)

さて、前回、「段階的認定制度に基づく福祉システムの問題」を解決するための1つのアイデアとして、そもそもこの「段階」での認定をやめてしまってはどうか、という考え方を提示しました。
これは、段階を決めてその段階のどこにあたるかを認定するというやり方をやめて、障害の程度に応じて連続的に支援レベルを変える(重い人ほど手厚いサポート、軽い人ほど少ないサポート、一定基準以上の人にはサポートなし)、というモデルを導入したらいいのではないか、という考え方です。

このやり方を「理想的に」実施できると、支援を受ける人たちの、「支援後」の生活困窮レベルは、すべての人が同じレベルにまで改善されます。
その「理想状態」を、これまでのグラフを使ってモデル化して図示すると、次のようになります。



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2014年09月08日 [ Mon ]

障害者いじめの一つの「形」−「聲の形」から(16)

さて、前回までのエントリで、「福祉社会」を維持し、誤解や偏見から福祉によるサポートを敵視したり、私的制裁(=いじめ)によってそのサポートを無効化したりする人たちを作り出さないためには、福祉を受けている人たちをとりまく状況や困難さの実態について「社会の理解を広め、深める」不断の努力を続けることが不可欠だということを書いてきました。

上記のような「私的制裁」の圧力がかかる背景に「不公平感」があるわけですが、現在の一般的な福祉スキームでは、単に「社会の理解」が深まっただけでは完全に埋められない「不公平感」が生じる領域があります。

また、いつも使っているグラフによるモデルを見てみましょう。



このグラフ、左の方にギザギザがあります。
このギザギザは、福祉制度から提供されるリソースの量が、段階的認定によって決められていることによって生じています

要は、このグラフは福祉制度が「軽度」「中度」「重度」(それに加えて「認定なし」)という3段階の認定制度になっているような状態を表していて、そのような制度化では、「重度から中度」「中度から軽度」「軽度から認定なし」のそれぞれの境界域で、福祉制度から得られるリソースががくっと落ちるために、最終利得もがくっと落ちるケースが生じ、それがグラフ上は「ギザギザ」として表現されているわけです。

この「ギザギザ」の存在によって、大きく2つの問題が生じます。

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2014年09月01日 [ Mon ]

障害者いじめの一つの「形」−「聲の形」から(15)

こちらのシリーズ記事では、まんが「聲の形」で描かれた、聴覚障害者のヒロインに対するいじめの姿をとっかかりにして、福祉のある近代社会だからこそ生じる、新しいタイプの弱者いじめについて考えています。

かなりのんびりとしたペースで連載をしているので、議論の最初の方がだんだん見えなくなってきているようにも思います。

ですので、今回は、これまでの議論をいったん整理して、箇条書きでまとめてみるところから始めたいと思います。
(前回の記事で、この問題を解決するための最も重要な第一歩についても触れましたので、内容をいったんまとめるにはいいタイミングだと思います。)



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