2014年02月24日

障害者いじめの一つの「形」ー「聲の形」から(4)

このシリーズ記事では、いま話題のまんが「聲の形」をとりあげています。


聲の形 第1巻・第2巻・第3巻
大今良時
講談社 少年マガジンKC

現在週刊少年マガジンに連載中のまんがで、単行本は現時点で2冊出ており、3月17日には第3巻が発売される予定です。

さて、前回触れたような、「障害ある人を支援するためのさまざまな処遇(モノ・カネ・仕組み、そしてココロ)」、そして「私は他人と公平に、もしくは優遇されて扱われたい」という、誰もが持つであろう願望、さらには、「公的なシステムで裁かれない『不公平』は、私的に裁いて『正義』を実現するしかない」という、「いじめの論理」の1つのロジック(正当化)とが不幸に出会うと、どのようになるだろうか、ということを、これから考えていきたいと思います。

ただ、このあと、少し理屈っぽくなりますので、今回のエントリで結論から先に箇条書きで書いてしまおうと思います。

なお、ここで書いていることは、先週触れたような価値観から「障害者いじめ」を行う者が自らの行為を正当化するための理屈であって、私がこう考えているということでは決してないということはあらかじめ言っておきたいと思います。

<障害者いじめが正当化される、1つのロジック>



続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする

2014年02月17日

障害者いじめの一つの「形」ー「聲の形」から(3)

このシリーズ記事では、いま話題のまんが「聲の形」をとりあげています。


聲の形 第1巻・第2巻・第3巻
大今良時
講談社 少年マガジンKC

現在週刊少年マガジンに連載中のまんがで、単行本は現時点で2冊出ており、3月17日には第3巻が発売される予定です。

前回のエントリで、「いじめ」とは、「公的な制裁システム」でカバーしきれない「不公平、アンフェアネス」を衡平化するための私的制裁システムであるということ、そして、「障害者へのいじめ」として考えられる構造には2つあり、1つは「よく分からないものを怖れ、忌避する」「異物を排除する」といった、ある意味昔からよく言われているような「単純な構造の」いじめ、もう1つは、「福祉による処遇を無効化させようとするいじめ」である、ということを書きました。

今回は、この2つめの「いじめの構造」について、考えていきたいと思います。

では、「福祉による処遇を無効化させようとするいじめ」とは、どんなものでしょうか?






それはつまり、このようなものです。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする

2014年02月10日

障害者いじめの一つの「形」ー「聲の形」から(2)

このシリーズ記事では、いま話題のまんが「聲の形」をとりあげています。


聲の形 第1巻・第2巻・第3巻
大今良時
講談社 少年マガジンKC

現在週刊少年マガジンに連載中のまんがで、単行本は現時点で2冊出ており、3月17日には第3巻が発売される予定になっています。(Amazonでは予約受付中になりました。)


さて、前回の記事で、「いじめ」とは「公的な制裁システム」でカバーしきれない「不公平、アンフェアネス」を衡平化するための私的制裁システムだと考えられる、ということを最後に書きました。

そう考えると、「障害者いじめ」とひとくちにいっても、実はその中に2つの種類があるのではないか、ということに思い当たります。

まず1つめは、「よく分からないものを怖れ、忌避する」「異物を排除する」といったニュアンスの、ある意味昔からよく言われているような「単純な構造の」いじめです。

まんが「聲の形」では、主人公の石田は、どっちかというとこのニュアンスで硝子をいじめていたように描写されています。
彼は硝子のことを「西宮星人」と呼び、周囲となじまない「異物」として、自らのいじめを正当化します。(それが彼が(彼だけが)その後孤立し、いじめの被害者に転落していった遠因となっていると私は読みといています)。



これに対して、もう1つの「障害者いじめ」の構造として、

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする

2014年02月03日

障害者いじめの一つの「形」ー「聲の形」から(1)

もうこのブログでも繰り返しとりあげていますが、いま「聲の形」というまんがが話題になっています。


聲の形 第1巻・第2巻
大今良時
講談社 少年マガジンKC

現在週刊少年マガジンに連載中のまんがで、単行本は現時点で2冊出ており、3月17日には第3巻が発売される予定になっています。

このまんがは、様々なとらえかたができる懐の深さをもっていて、特に最近の連載部分では主人公をめぐる三角関係を中核にしたラブコメとしての要素が強まっている部分もありますが(それはそれで非常に濃密に描かれていて面白いのですが)、今回はあえて、このまんがが最初に注目された要素である「障害者に対するいじめ」という観点から少し考察していきたいと思います。

このまんがにおける「障害者といじめ」という問題は、単行本の第1巻に特に集中して描かれています。

以下、ネタバレになりますので未読でネタバレを読みたくないという方はご注意ください。

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posted by そらパパ at 20:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
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