今回とりあげるのは、「しない」と言う(ことでやりたくないことをすることを回避する)というコミュニケーションを「教える」こと自体がもつ難しさの1つとして、「『しない』を教える場面設定」が、子どもにとってネガティブな場面となり、そのために子どもの感情的な反応を誘発してしまうリスクが高い、という点について考えたいと思います。
ここで、何らかの行動「A」について、「しない」と言わせる療育(スキル訓練)をやる、そういう場面を想定してみます。
例えば、疲れて早く家に帰りたいと思っているときに、「おまいり、する?」と聞かれて、「しない」と答える、そういうトレーニング場面をイメージしてみてください。
この場面で、「A(例:おまいり)」という行為に誘われたときに「しない」と(子どもが)反応する、ということは、当然ですがそのタイミングではAは「やりたくないこと」なわけです。
しかも、いま想定しているのは、「しない」を学習してもらうという段階です。
この段階では、これまた当然ですが「しない、と言えばやりたくないことを回避できる」という学習はまだできていないわけです。
そういう状況で「Aをする?」と聞いたときに、子どもの側からはどういうことになるでしょうか?
それはつまり、
続きがあります・・・