このシリーズ記事、後半は、「しない」ということば(拒否の意思表示)を活用したコミュニケーションがなぜ「難しい」のかについて、さまざまな角度から考察しています。
今回とりあげるのは、「しない」と言う(ことでやりたくないことをすることを回避する)というコミュニケーションを「教える」こと自体がもつ難しさの1つとして、「『しない』を教える場面設定」が、子どもにとってネガティブな場面となり、そのために子どもの感情的な反応を誘発してしまうリスクが高い、という点について考えたいと思います。
ここで、何らかの行動「A」について、「しない」と言わせる療育(スキル訓練)をやる、そういう場面を想定してみます。
例えば、疲れて早く家に帰りたいと思っているときに、「おまいり、する?」と聞かれて、「しない」と答える、そういうトレーニング場面をイメージしてみてください。
この場面で、「A(例:おまいり)」という行為に誘われたときに「しない」と(子どもが)反応する、ということは、当然ですがそのタイミングではAは「やりたくないこと」なわけです。
しかも、いま想定しているのは、「しない」を学習してもらうという段階です。
この段階では、これまた当然ですが「しない、と言えばやりたくないことを回避できる」という学習はまだできていないわけです。
そういう状況で「Aをする?」と聞いたときに、子どもの側からはどういうことになるでしょうか?
それはつまり、
続きがあります・・・
2013年10月28日
2013年10月21日
ホワイトボードでコミュニケーション(16)
今回は、以前書いていたホワイトボードでのコミュニケーション療育について、番外的なお話と、まとめを書いてみたいと思います。
一応、こちらのシリーズ記事については、今回が最終回だと思います。
このシリーズ記事を連載していたのは、概ね去年の終わりから今年の前半くらいだったわけですが、その頃と比べて、ホワイトボードの活用状況が現在がどうなっているかというと、
朝の予定:現在も活用中です。
こちらは、夜の間に書いておいて、忙しい朝はそれを上から順に消していくだけ、という形で活用しています。

食事の後の予定:現在も活用中です。
食事が終わると、娘が妻にホワイトボードを持ってきて「かいて」と言って、その場で描かせるという形になっています。

食事のメニュー:現在はやめました。

続きがあります・・・
一応、こちらのシリーズ記事については、今回が最終回だと思います。
このシリーズ記事を連載していたのは、概ね去年の終わりから今年の前半くらいだったわけですが、その頃と比べて、ホワイトボードの活用状況が現在がどうなっているかというと、
朝の予定:現在も活用中です。
こちらは、夜の間に書いておいて、忙しい朝はそれを上から順に消していくだけ、という形で活用しています。

食事の後の予定:現在も活用中です。
食事が終わると、娘が妻にホワイトボードを持ってきて「かいて」と言って、その場で描かせるという形になっています。

食事のメニュー:現在はやめました。

続きがあります・・・
2013年10月14日
NOといえる(ようになる)療育 (17)
このシリーズ記事、後半は、「しない」ということば(拒否の意思表示)を活用したコミュニケーションがなぜ「難しい」のかについて、さまざまな角度から考察しています。
さて、以前から繰り返し書いているとおり、ある行為「A」を「しない」ということを教えるとき、その「A」という行為は実際にはまったく目の前に現れません。
現れるのは「ことば」のうえだけです。
ですから、「A」ということば(これは音声言語に限らず、お子さんの得意・不得意の形態によっては、絵カードでもいいです)を聞いて、お子さんが容易に、かつ、確実に、頭の中に「A」という行為をイメージできるよう、あらかじめトレーニングが済んでいる必要があるわけです。
ここで、そもそも、この「A」ということばが(それが何であれ)、お子さんにとって学習しにくいものであることが多々あります。
なぜなら、
続きがあります・・・
さて、以前から繰り返し書いているとおり、ある行為「A」を「しない」ということを教えるとき、その「A」という行為は実際にはまったく目の前に現れません。
現れるのは「ことば」のうえだけです。
ですから、「A」ということば(これは音声言語に限らず、お子さんの得意・不得意の形態によっては、絵カードでもいいです)を聞いて、お子さんが容易に、かつ、確実に、頭の中に「A」という行為をイメージできるよう、あらかじめトレーニングが済んでいる必要があるわけです。
ここで、そもそも、この「A」ということばが(それが何であれ)、お子さんにとって学習しにくいものであることが多々あります。
なぜなら、
続きがあります・・・
2013年10月07日
NOといえる(ようになる)療育 (16)
このシリーズ記事、後半は、「しない」ということば(拒否の意思表示)を活用したコミュニケーションがなぜ「難しい」のかについて、さまざまな角度から考察しています。
さて、前回、「しない」ということばを効果的に学習するためには、できるだけ多くの行動に対して、その行動を「しない」、というコミュニケーションを同時並行して学習することが必要だ、ということを書きました。
つまり、「Aをしない」と同時に、「Bをしない」「Cをしない」「Dを…」といった形で、さまざまな行動について「しない」という意思表示をさせるトレーニングを同時に行なうことで、「しない」ということばの意味を正しく学習できる可能性が高まるわけです。
そのためには、日常にかかわるさまざまな行動に対応する「ことば」(上記でいうA、B、C、…にあたるもの)をしっかり学習し、定着させておかなければならず、ここも1つのハードルになってきます。(これもまた、知的な障害の重い子どもには難易度の高い部分を含んでいるのですが、それはまた後日触れたいと思います。)
ところで、このように「Aをしない」「Bをしない」「Cをしない」…と、さまざまな行動に対して汎用的に「しない」ということばを学習していくことは、単に「しない」ということばの意味を正しく学習するということ以外に、もう1つ、もっと重要な目的をもっています。
それは、
続きがあります・・・
さて、前回、「しない」ということばを効果的に学習するためには、できるだけ多くの行動に対して、その行動を「しない」、というコミュニケーションを同時並行して学習することが必要だ、ということを書きました。
つまり、「Aをしない」と同時に、「Bをしない」「Cをしない」「Dを…」といった形で、さまざまな行動について「しない」という意思表示をさせるトレーニングを同時に行なうことで、「しない」ということばの意味を正しく学習できる可能性が高まるわけです。
そのためには、日常にかかわるさまざまな行動に対応する「ことば」(上記でいうA、B、C、…にあたるもの)をしっかり学習し、定着させておかなければならず、ここも1つのハードルになってきます。(これもまた、知的な障害の重い子どもには難易度の高い部分を含んでいるのですが、それはまた後日触れたいと思います。)
ところで、このように「Aをしない」「Bをしない」「Cをしない」…と、さまざまな行動に対して汎用的に「しない」ということばを学習していくことは、単に「しない」ということばの意味を正しく学習するということ以外に、もう1つ、もっと重要な目的をもっています。
それは、
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子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら 孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら |
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