2013年07月22日

NOといえる(ようになる)療育 (10)

このシリーズ記事、後半は、「しない」ということば(拒否の意思表示)を活用したコミュニケーションがなぜ「難しい」のかについて、さまざまな角度から考察しています。

前々回、前回のエントリで、「しない」ということばの「難しさ」の要素の1つとして、「しない」を教える対象の行為については、それまでに「する」という経験を繰り返していなければならないし、「しない」を教え始めて以降も、「する」ほうの経験も重ねていかなければならない(そうしないと、「しない」を覚えたら「する」を忘れてしまう、という自閉症児にありがちな失敗に陥ってしまう可能性が高くなる)、という話題について書きました。

このように、よく似た状況下で、2つの反応についてそれぞれ異なった結果(強化・弱化)を与えることで、2つの反応の両方を適切にコントロールして学習させていくことを、ABAの用語で「分化強化学習」といいます。

これは例えば、冷蔵庫に「お茶」と「おやつ」の2つの絵カードを貼っておいて、子どもが、のどが渇いたときには「お茶」の絵カードで要求してお茶を手に入れ、おなかが空いたときには「おやつ」の絵カードで要求しておやつを手に入れる、といった単純なものも含まれると思いますし、より実践的なものとしては、子どもが何か欲しいものがあったときに、パニックで泣き叫ぶという反応をした場合には何も手に入らない(弱化)、でもことばや絵カードで「○○ください」と言った場合にはそれが手に入る(強化)、といった形で結果をコントロールすることで、もともとパニックで何かを要求してしまっていた子どもの行動を適切なことば・絵カードでの要求に切り替えていく「代替行動分化強化」といったものも含まれます。

そして、今回話題にしているような「する」「しない」を使い分ける分化強化学習は、次のような形になります。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする
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