2013年07月08日

NOといえる(ようになる)療育 (8)

このシリーズ記事、後半は、「しない」ということば(拒否の意思表示)を活用したコミュニケーションがなぜ「難しい」のかについて、さまざまな角度から考察しています。

前回、「しない」ということばの対象となる行為が実際には存在しない、というのが、しないということばの「難しさ」の1つの大きな要素になっている(だろう)、ということについて触れました。

つまり、するかしないかを聞いている時点でも、その「行為」は行なわれていないですし、その質問に対して「しない」と答えた場合には、結局最後まで、その「行為」はいちども現れず消えていきます。(一方、「する」と答えるパターンの場合は、言った後でその行為が現に現れるので、「要求すると出てくる」という、マンド的な比較的難易度の低い=学習させやすいやりとりになります。)

簡単にいうと、大人が「○○をする?しない?」と子どもに聞いて、子どもが「しない!」と答えて、大人がそれにしたがって○○をせずに済ませた場合、「○○」は結局「なかったこと」「話題にのぼっただけ」になるわけです。

○○は、ことばの世界以外にはまったく登場していません。

でも、「話題にのぼっただけ」ではあるものの、コミュニケーションとしては、「○○が話題になった(提案されて、断られた)」ということを双方が理解している必要があります(そうでなければコミュニケーションが成立していないわけですから)。

そのために必要なスキルとして、前回の記事では、いわゆる「内言語スキル」をあげましたが、もう1つ当然に必要になるスキルが「する?しない?の対象になっている行為を理解していること」、つまり、「○○する?」と聞かれたときに「○○」ということばが示している行為を知っていて、理解できる、ということです。

これは少し考えてみると意外と奥が深い話です。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする
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