2013年04月29日

電子タイマーキット完売のお知らせ。

2008年の秋から開発を開始し、2009年3月からベータ配布開始、そして2009年6月から正式頒布をスタートした、「そらまめ式電子タイマー・マルチランプ64 製作キット」ですが、先週、とうとう全ての在庫がなくなりました



最後の在庫のキット一式について、梱包する前に写真を撮ってみました。
この後梱包されて、最後にご注文いただいた方のもとへ旅立っていきました。
これで、我が家の在庫もすべて終わりです。

在庫がなくなったら、また部品を調達してくればいいはずなのですが、この電子タイマーキットについては、重要な部品のうち2つが既に市場から消えているため、部品調達不能となってしまっています。

ちなみに、その2つの部品とは、マトリックスLEDと圧電ブザーです。



こちらはタイマー製作当時に作成したタイマー紹介動画ですが、このメインの表示部分である、LEDを64個搭載したマトリックスLED、まずこれが市場から消えています。

このマトリックスLEDは、秋葉原の秋月電子さんで100円で売っていたサービス品だったのですが、既に3年くらい前に店頭からもネットショップからも消えました。
で、もうなくなったのかと思っていたところ、店頭で店員さんに直接確認してみたら、まだ倉庫に在庫が少し残っているということで大量購入、一時的に電子タイマーキットの在庫も復活させることができました

しかし、その後完全に秋月さんの倉庫からも在庫が消え、今は別のマトリックスLEDを販売されています
でも、確認してみたところ、ピンアサインが完全に変わっているため、もしこの新しいマトリックスLEDを使おうとするなら、配線を完全に変更し、恐らくプログラムも一部変更を余儀なくされるんじゃないかと思います(LED点灯のための最低電流が上がっていたら、全面的な回路の見直しも必要でしょう)。

また、マトリックスLEDと並んで、この電子タイマーのユーザーインターフェイスを形成している、音を出すための圧電ブザー、これもまた供給は極めて不安定でした。
一時秋葉原のすべての店から在庫が消え、個人の在庫を通信販売されている方をネットで見つけてその方から購入、その後一時的に秋葉原で在庫が復活したのでそのときにまとめ買いしましたが、その後また在庫が途切れたためタイマーキットの仕様を一部変更、と紆余曲折をたどっています。
そして現在は、仕様変更で使ったブザーも店頭から消えており、同等品を探すのが困難な状況となっています。

そんなわけで、この「電子タイマーキット」が今後在庫復活することは、ありません。
多くの方にご支援いただいた、この「電子タイマープロジェクト」も、これをもって完結となります。

このキットにお申込みいただいた皆さん、ベータ配布時にベータテストに参加いただき、バグ出しや改良点のモニターをしてくださった皆さん、そしてキット開発時にさまざまな技術的なアドバイス等をくださった皆さん、その他、この電子タイマーキットに関わってくださった全ての皆さんに感謝します。

ありがとうございました!


<補足>
我が家でのこの電子タイマーの活用状況ですが、つい最近、使うのをやめました。
電子タイマーを開発してからおよそ4年近く、実際に我が家でも、夕食前の待ち時間、テーブルに夕食が並んでから「いただきます」までの待ち時間を伝えるためのツールとして活用してきましたが、ホワイトボードでのやりとりで「待つ」ことや、大雑把な時間の認知ができるようになったことで、タイマーの必然性が薄れてきたことと、タイマーを何度も落としたことで動作が不調になってきたことから、電子タイマーを「卒業」させました。

ちなみに我が家では、タクトスイッチを大きな押しボタンに変更してタッパーのフタに固定して「閉じたまま」操作できるように改造していました。
また、現在我が家にある電子タイマーは、実際に娘に使っていた実用版、キット用にプログラムを書き込んだPICマイコンの動作チェックのためのテスト版(PICマイコンのICを自由に付け外しできるようにしてあります)、ブログでの改造実験のために作った「薄型化版」の3種類です。
posted by そらパパ at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル教材 | 更新情報をチェックする

2013年04月22日

ホワイトボードでコミュニケーション(13)

今回のシリーズ記事では、我が家でのホワイトボードを活用した(あるいは、きっかけにしたさまざまな)コミュニケーション療育の話題について書いています。

さて、夕食のメニュー提示をきっかけに、娘と家族との間で始まった「ホワイトボードを使ったコミュニケーション療育」は、結果として娘に「時間の流れ」という、非常に大切な要素を伝達する機能を得たころで活用範囲が広がり、それまでの方法では解決できなかった(であろう)、「夕食後の手持ち無沙汰な時間を構造化し、見とおしがつかないことによる崩れ・パニックを軽減する」という別の目的にも応用することができました。



今では、娘は夕食が終わると、妻に「かいて」と言ってホワイトボードを手渡し、夕食後の家事の流れをホワイトボードに描くことを要求するようになりました。
そして、その家事が1つ終わるごとに、その家事のイラストを着実に消していくことを求め、もしうっかり消し忘れてそのまま次の家事を進めたりすると、怒ってすぐに消せと詰め寄ってきたりします。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする

2013年04月15日

ホワイトボードでコミュニケーション(12)

今回のシリーズ記事では、我が家でのホワイトボードを活用した(あるいは、きっかけにしたさまざまな)コミュニケーション療育の話題について書いています。

さて、これまで書いてきたとおり、我が家では、夕食のメニューの提示のやり方にヒントを得て、「夕食後の予定」についても、ホワイトボードで娘に伝えていく方法を試してみたわけですが、これは期待通りの効果をあげてくれました。



このように、ホワイトボードに「夕食後、おふろに入るまでの手順」をイラストと文字で並べて提示し、その手順が終わるたびに、「○○は、おしまい。つぎは、○○」と言いながら、1つ1つ消していくことにしたわけです。

娘は、初日の提示で、私たちがホワイトボードで何をしようとしているかを理解したようでした。
そして、親が家事をしている間、ずっと崩れているということはなくなり、ホワイトボードを見ながら、だんだん手順が消されていくのを落ち着いて待っていることができることが多くなりました。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 22:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする

2013年04月08日

ホワイトボードでコミュニケーション(11)

今回のシリーズ記事では、我が家でのホワイトボードを活用した(あるいは、きっかけにしたさまざまな)コミュニケーション療育の話題について書いています。



このシリーズ記事、だいぶ話が行ったり来たり、しかも前回はエイプリルフールのネタにしたりと、ちょっと流れが分かりにくくなっていますので(すみません、今回はわりと流れに任せながら書いています(^^;))、いちどこれまでの話をまとめておきたいと思います。

・娘の夕食へのこだわり(好き嫌い等)が強くなってきた
        ↓
・あらかじめ夕食のメニューを提示すればいいのではないかと考えた
        ↓
・メニュー用の絵カードをたくさん準備するのは非現実的
        ↓
・ホワイトボードにイラストでメニューを描く方法を採用し成功
        ↓
・夕食が進むごとに、メニューを順に消していくことを娘が要求するように
        ↓
・今まで困難だった「時間の概念」を娘が獲得しつつあることに気づき驚く
        ↓
・ほぼ同時期に、崩れることが多くなった。特に夕食後。
        ↓
・関わり不足では?という仮説から一緒に遊ぶようにしたがあまり成功せず
        ↓
・仮説があまり適切ではなかったと考え、仮説を再検討
        ↓
・夕食後、入浴までの「何もすることがない時間」に崩れているのでは?
        ↓
・この時間を構造化し、見通しを立てられるようにする支援をやってみよう
        ↓
・夕食のメニューで活躍しているホワイトボードが役に立つのでは?


続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする

2013年04月01日

タブレット・スマホ用「ホワイトボードアプリ」を開発しました!

ここしばらく、ホワイトボードを活用した療育についてシリーズ記事を書いていますが、やはりこのスマホの時代、いつまでもアナログなホワイトボードを使っていては時代に取り残される、ということで、タブレットやスマートフォンで使える、ホワイトボードアプリ「White-Board」を開発してみました


↑タブレット・スマホ用アプリ「White-Board」使用中のイメージ。

このアプリの使い方はとても簡単です。

起動すると、真っ白な画面が表示されます。
画面下にあるマーカーアイコンをタッチして「マーカーモード」に切り替えたら、あとはタブレットやスマホの画面をホワイトボードに見立てて、タッチして文字やイラストを描いていけばいいだけです。


↑ホワイトボードに字やイラストを描いていくイメージ図。

そして、描いた文字やイラストを消したい場合は、イレイザーアイコンをクリックして「イレイザーモード」に切り替えたうえで、同じく画面をなぞって消していくことができます。


↑このように、「イレイザーモード」では、画面の文字やイラストをタッチで消していくことができます。
 (消していくときの「イレイザー感」にはこだわりました。(笑))

なお、描いた画面の状態は常に保存され、次にアプリを起動したときには前回終了時の描画状態が復元されます。
例えばスリープ状態になってしまっても、スリープから復帰させれば元通り表示されますし、別のアプリを操作して戻ってきてももちろん大丈夫です。
ですので、家族で使うタブレットにこのアプリを入れておけば、アナログのホワイトボードと同じように、家族間のメモ代わりにも使えますね。(^^)


…さて、ここまでだと、アナログのホワイトボードをそのままデジタル化しただけで、ちょっと面白みに欠けます。
というわけで、デジタルのホワイトボードアプリならではの機能ももちろん搭載しました!

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
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