2012年12月31日

今年も1年間ありがとうございました。

当ブログにお越しくださっている皆さん、

今年も1年、ありがとうございました。

当ブログに関していえば、今年は、のんびりとマイペースで書かせていただいた年でした。

大きなところ(シリーズ記事)では、3つの長編シリーズ記事を書かせていただきました。

まず1つめは、昨年から引き続き、我が家の療育の1つのチャレンジとして、セカンドハウスを活用した取り組みについて書かせていただいた「自閉症児をもつ家族のためのセカンドハウス」を書きました。

関連記事: 17, 18, 19, 20, 21

このシリーズ記事では、毎回、冒頭に実際にセカンドハウスを活用して娘と一緒に出かけている写真を掲載することで、具体的なイメージを持っていただけることを意識していました。
ちなみに我が家では、今年も娘の療育と家族のリフレッシュにセカンドハウスがたびたび役に立ってくれました。


↑今年の1枚。山中湖・花の都公園にて。

続いて、過去の2冊の拙著の内容をダイジェストでお話しした過去の講演の内容を改めてまとめた「ライブ・自閉症の認知システム」の記事のうち、長く投稿しないままになっていた後半(内容としては、拙著2冊目「自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト」に書かれているもののダイジェスト)をまとめました。

関連記事: 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29

関連著作

自閉症―「からだ」と「せかい」をつなぐ新しい理解と療育
自閉症の子どもと家族の幸せプロジェクト―お父さんもがんばる!「そらまめ式」自閉症療育

それから、娘に、好きな曲を自由に聴けるようになってもらおう(そして、それを余暇活動にしてもらおう)とチャレンジして何とかうまくいった、Androidタブレットを活用した取り組みについて「娘がタブレットを使えるまで」というシリーズ記事として書いています。

関連記事: 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15


SMT-i9100
au(SAMSUNG)
↑我が家の療育で使っているAndroidタブレット、SMT-i9100です。
 既にAndroidタブレットとしては時代遅れになりつつあるので市場価格もどんどん下がっていますが、療育目的ではかなり使いやすい(娘も気に入っている)ので、我が家では何台かストックして長く使っていく予定です。

それから、ブックレビューについてですが、今年は実は「奥田先生にはじまり、奥田先生に終わった」年になりました。
というのも、年初と年末、それぞれに奥田先生の本をレビューして、そのいずれもが殿堂入りしているからです。

まず、年初に紹介したのがこちら。(レビュー記事

叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本
大和書房
著:奥田 健次

そして、年末に紹介したのがこちらです。(レビュー記事

メリットの法則――行動分析学・実践編
著:奥田 健次
集英社新書

前者はABAをベースにした子育て論、後者はABAについての実践的な教科書になっています。
どちらも非常に刺激的で読んでいて面白く、かつ勉強になる素晴らしい本だと思います。

そして、発達障害・自閉症をテーマにしたまんがを2つ、レビューしています。


プロチチ 第1巻、第2巻(レビュー記事
イブニングKC
逢坂 みえこ


沓掛時次郎 (劇画・長谷川 伸シリーズ)(レビュー記事
著:小林 まこと、原作:長谷川 伸
講談社 イブニングKC

もう今年は間違いなくネタ切れになるな、と思っていたのですが、何とか1年乗り切ることができました(笑)。
来年はさすがにネタ切れは間違いなさそうですが、当ブログ以外を含めて、今後もいろいろ書いていきたいと思います。

そのための布石?として、今年は新しく1つブログを立ち上げ、現在稼動しているブログは、当ブログを含めて3本になっています。

新ブログ:ガジェット連絡帳(ちょっと療育)

さらにもう1つのブログ:カジュアルゲームを楽しもう

また、ツイッターでもいろいろなことをつぶやいています

ツイッターでのさまざまなまとめはこちら。(その中で今年のやりとりについてのエントリ


1年間ありがとうございました。
来年も、より幅を広げて、いろいろな情報発信などが続けていければいいなと思います。

それでは、よいお年を!
posted by そらパパ at 08:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 日々の話 | 更新情報をチェックする

2012年12月24日

電子タイマーキットについて、振り返り。(2)

4年ほどにわたってご提供してきた「電子タイマーキット」について振り返るシリーズ記事です。

※なお、電子タイマーキットの詳細についてはこちらを参照願います。ちなみに、現在、最後の在庫を配布中です。


↑このタイマーキットの紹介ビデオです。

さて、前回は、我が家で使っていたタイムタイマーが壊れたことをきっかけに、同じものを買う代わりに、自分で電子タイマーを作れないものかということを思いついた、という話を書きました。

ちょうどその頃、妻が市販の(療育用の)電子タイマーのチラシをもらってきたのですが、そこに載っていた商品が非常に高価な割には機能が貧弱で、こんなのだったら自分で作ったほうがきっといいものができる、と思ったということもあったりします。

とはいえ、それまで私が実際に作った電子工作というと、回路や部品があらかじめ用意されたキットばかりで、自分で回路を考えてタイマーを作るなんていうことが本当にできるのかはまったく自信がありませんでした。

一応、市販のタイマーの電子工作キット(キッチンタイマーのようなもの)も作ってみたのですが、残念ながら期待に応えるようなものではありませんでした。

ただ、市販のタイマーキットを作ってみたりしてばくぜんと分かってきたことは、時間の経過とともにLEDの点灯の仕方を変える電子タイマーのような複雑な回路は、いわゆるIC(マイコンチップ)を組み込んで、プログラミングして実現する方法でなければ絶対に作れないだろう、ということでした。
だとすれば、電子工作に加えてマイコンチップのプログラミングも必要になるということになります。

そんなことを考えつつ、大型書店の電子工作のコーナーで本を探してみると、実は「LEDをピカピカさせる」というのは初歩の電子工作ではポピュラーなアイデアで、たくさんの本にそういった回路が載っていました。
そして、それらの回路を実現するためには、たいてい「PICマイコン」というICが使われる、ということが分かってきました。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル教材 | 更新情報をチェックする

2012年12月17日

電子タイマーキットについて、振り返り。(1)

2012年の終わりに、改めて「電子タイマー」の話題について書いておきたいと思います。

当ブログでは、自分ではんだづけして製作する、電子タイマーのキット(部品)を有償でお配りしています。(詳細についてはこちらを参照願います。)


↑このタイマーキットの紹介ビデオです。
 実際には、ソフトウェアのバージョンアップにより、このビデオで紹介されているよりも機能アップしています。

配布を開始してからほぼ4年がたちましたが、とうとう製作に必要な部品が調達できなくなり、現在は最後の在庫を配布しているところですが、いよいよ本当に残り少なくなってきました。
ご希望の方は、お早めにお申し出ください。(ただし、実際の発送は年明けになる場合があることをご了承下さい。)

キットの配布が終了して以降も、類似のパーツを自分で集めて工作する際に参考になるよう、回路図やPICマイコンのアセンブラソースファイル等の技術的資料の掲載は続けたいと思います。
また、これはまだ構想だけで全然着手できていないのですが、スマートフォン用のアプリのような形で、このタイマーのコンセプトを新しい舞台で再度実現することができたらいいなあ、とも考えたりもしています。

そんなわけで、約4年間にわたって細々と続けてきた電子タイマーキットの配布がいよいよ終わりに近づいてきたということで、このキットに関する思い出話などを書いていきたいと思います。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:16| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル教材 | 更新情報をチェックする

2012年12月10日

メリットの法則――行動分析学・実践編(ブックレビュー)

痛快に読めて、発見もたくさんの良書!


メリットの法則――行動分析学・実践編
著:奥田 健次
集英社新書

まえがき
第1章 その行動をするのはなぜ?
 1.実用的な心理学
 2.奇声をあげるアキラくん
  奇声をあげたら、お母さんと離れ離れに/通常学級に入学したアキラくん
  陥りがちな「循環論」の罠/原因を「行動随伴性」で考える
 3.身近な例で考える行動分析学
  すぐに弱音を吐くタカシさん/「甘えているから」では、問題は解決しない

第2章 行動に影響を与えるメカニズム(基本形)
 1.原因と結果を「真逆」に考える
  「症状」と「行動」は異なる
 2.行動とは何か?
  「試験勉強」「破壊行為」は具体的でない
  行動の前に原因がある「レスポンデント行動」
 3.行動を強める「強化」の原理(基本形)
  「好子」出現の強化/「嫌子」消失の強化
 4.行動を弱める弱化の原理(基本形)
  嫌子出現の弱化/好子消失の弱化
 5.四つの行動原理で、あらゆる行動を説明する

第3章 行動がエスカレートしたり、叱られても直らないのはなぜ?
 1.行動の直後に何が起こったのか注目せよ
 2.なぜダイエットが難しいのか
 3.行動が消えてしまうメカニズム(消去の原理)
  恋に敗れて、行動が消去される
 4.とても大切な消去の原理
 5.社会生活に重大な変化を及ぼす「強化スケジュール」
 6.強すぎる消去抵抗、消去バースト
  消去の連続に耐える
 7.叱られても止められないのはなぜ?(回復の原理)
  失敗はこうして繰り返す
 8.「アメとムチ」という発想を捨てよう
  「ムチ」の副作用

第4章 行動に影響を与えるメカニズム(応用形)
 1.日常の行動はもっと複雑
  人間の行動をより深く理解するために
 2.行動を強める強化の原理(応用形)
  嫌子出現「阻止」の強化/嫌な思いをしないために
  好子消失「阻止」の強化/持ち物が増えると悩みが増える
 3.行動を弱める弱化の原理(応用形)
  嫌子消失「阻止」の弱化/好子出現「阻止」の弱化
  「じっとしている」は死人にもできる
 4.阻止の随伴性に伴うリスク
 5.強迫性障害を形成するメカニズム
  不安を引き起こす刺激を与え続ける/刺激を自動的にシャットアウトする
 6.阻止の強化による強迫性障害
 7.エクスポージャーを行動分析学でとらえ直す
  不安を減らそうとしてはいけない

第5章 行動は見た目よりも機能が大事
 1.行動の機能は四つしかない
  物や活動が得られる/注目が得られる/逃避・回避できる/感覚が得られる
 2.同じ行動のように見えるが同じ行動ではない、という落とし穴
  機能の重複
 3.家庭での問題から(不登校の連鎖、そして回復へ)
  3兄弟の不登校/不登校を支える行動随伴性/学校に行かない兄は「かわいそう」
  “心の中身"は不毛な議論
 4.ウソを簡単に見抜く方法
  (1)学校を休むと家で遊べる(物や活動)
  (2)母親と一緒にいられる(注目)
  (3)学校に嫌なことがある(逃避・回避)
  (4)機能が複合している場合、シフトしていく場合
 5.てんびんの法則
  家庭で過ごす理由/おのずと学校に行く確率を高める方法
 6.奇声をあげる男の子
 7.嘔吐を繰り返す女の子
 8.リストカットがやめられない女子学生

第6章 日常にありふれた行動も
 1.トークンエコノミー法
  トークンエコノミー法とは何か/お店がポイントカードを作る理由
  視覚的な達成感/トークンエコノミー法は「さじ加減」が決め手
  手応えのある仕事/トークンエコノミー法のバリエーション
  不登校と「そもそも」論/「ワクワク感」を大事にしよう
  ポイントを減点するレスポンスコスト
 2.FTスケジュール
  ニューヨークでのこと/「わんこそば」方式/強度行動障害者の施設において
  その日のうちに現れる明確な効果/迷信行動/迷信行動とエクスポージャー
 3.“任意の努力"を目指して
  「したからやる」行動随伴性を

あとがき
参考文献


ABA界?では知らない人がいないであろう有名人、奥田先生の新刊です。
当ブログでも、何冊かの奥田先生の本を過去にレビューしており、その中で下記の2冊は「殿堂入り」させています。


叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本(レビュー記事
自閉症児のための明るい療育相談室ー親と教師のための楽しいABA講座(レビュー記事

さて、そんなわけで今回の本ですが、かなりかっちりした「教科書」的内容のABA本になっています。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 20:38| Comment(6) | TrackBack(0) | 理論・知見 | 更新情報をチェックする

2012年12月03日

娘がタブレットを使えるまで (15)

今回のシリーズ記事では、我が家の娘がAndroidのタブレットを使えるようになるまでの長い長い道のり(笑)を振り返りながら、これからお子さんの療育にタブレットを使ってみたい、と考えている親御さんへのガイドになるような話題を書いています。
今回で15回目の記事になります。

さて、前回は、タブレットの操作系の全体像を「ワークフロー」として見て、たとえばフローチャートなどを活用して、そのワークフローをできるだけシンプルにすることが、本質的に複雑なタブレットの操作を、障害のあるお子さんにマスターさせるために有効だ、という話をしました。


SMT-i9100
au(SAMSUNG)
↑我が家の療育で使っているAndroidタブレットはこちら。

前回もご紹介しましたが、現在、我が家で活用している動画再生アプリ「MX動画プレイヤーPro」のワークフローは、このようになっています。

MX動画プレイヤーのワークフロー
↑MX動画プレイヤーProのワークフローです。

このワークフローのポイントの1つは、「ハブとなる状態があり、どんな操作をしても、最終的には常にそこに戻ってくる」ということです。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 娘の話 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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